STYLING GUIDE

パターンオーダーでとっておきのコートを作ろう!選び方のポイントは?

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監修:佐々木信也(淀屋橋店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.04 13:25:21

オーダーメイドで作るスーツが話題ですが、実はコートもオーダーで作れることを知っていますか。オーダーメイドの魅力は体型に合った1着を作れること。しかも、パターンオーダーなら価格も手頃ですので「オーダーメイドは高そう」というイメージのある人でも気軽にトライできます。このコラムでは、自分の理想のコートが欲しいという人のために、コートをオーダーメイドするときに気をつけたいことや必要な知識についてまとめました。

パターンオーダーでコートを作るメリットとは

既製品のコートは決められたデザイン、素材で大量生産される量産品です。価格は抑えられる代わりに、標準体型をもとに作られているのでサイズ感や着丈に不満が出やすい、気に入ったデザインが見つからない可能性があるといったデメリットもあります。


この点、オーダーメイドで作るコートはデザインも全体の寸法も自由です。生地やデザインを好きなように選べるほか、着丈やサイズを調整してフィット感も高めることができます。スタイルは気に入ったがサイズがない、着丈が気に入らないなどの悩みが解消でき、自分の好きなスタイルとサイズでオリジナルの1着を仕立てられます。


さらに、パターンオーダーなら、既製品をベースに工場で大量生産するので価格も抑えめ、完成までの期間も短めです。初めてオーダーメイドのコートにチャレンジする人におすすめのオーダー方法となっています。

コートのスタイル選び

オーダーメイドのコートでは、注文前にデザインを自分で選ぶことになります。同じコートでもスタイルはさまざまです。どのスタイルを選ぶかによってコートの特徴および使える場面が異なってくるので、目的に合ったスタイルを選ぶようにしましょう。


・ステンカラーコート


サラリーマンにとって定番スタイルとも言えるステンカラーコート。トレンチコートをもとにデザインされたといわれるスタイルで、高い後ろ衿と低く折り返した前衿に特徴があります。また、前ボタンが隠れる比翼仕立てが一般的です。無難で汎用性が高く、1枚持っておくと重宝します。


・チェスターフィールドコート


チェスターコートは、ビジネスシーンのほか、フォーマルでも使える格式の高いスタイルです。19世紀のイギリス貴族、チェスターフィールド伯爵が始めて着たことが名前の由来となっています。衿の形はテーラードジャケットと同じ菱衿で、比翼仕立てが最も正式とされています。


・トレンチコート


トレンチコートは、もともとイギリス軍が開発した防水型の軍用コートを原型として生まれたスタイルです。動きやすいラグランスリーブ、雨風を防ぐためのストームフラップ、防寒用のチンストラップや袖口・ウエストのベルト、双眼鏡や拳銃を吊るすために肩につけられたエポーレット、手榴弾を吊るすためのDカンなど、軍服としての名残を多く残しています。実用性が高く、かつ機能美に優れるデザインから1930年代以降、メンズファッションにおいて定番のアイテムとなりました。ビジネスシーンでも着られることが多いコートですが、フォーマルには不向きです。


・ピーコート


ピーコートも軍服と関係の深いスタイルです。19世紀末からイギリス海軍の艦上用軍服として採用されたものが一般に広まり、現代では男女を問わず着用されるようになりました。また、海軍だけではなく、同じ海の男である漁師にも愛用されていたコートとして知られています。特徴としては、幅広の衿、手を温めるためのハンドウォーマーポケット、錨をあしらったボタンなどが挙げられます。ショート丈で動きやすく、風向きによって左右の前あわせを変えられるなど機能性にも優れています。


もともと作業着として誕生したピーコートは、その短めの着丈や錨をあしらったボタンからカジュアルな印象が強いアイテムです。日本ではアメリカンカジュアルの流行とともに広がり、中高生の制服としても定着しています。

コートの生地選びのポイントは?

コートのオーダーを成功させるためには、生地選びも重要です。コートの場合、必ずしもコート用の生地があるわけではなく、比較的目付が重く、耐久性の高い生地をコート用として使うケースが大半です。着丈が長いデザインでは弱い生地を使うと生地に負荷がかかり、コートが傷みやすいので注意しましょう。素材についてはウール、カシミア、アンゴラ、コットンなどで季節によって変わります。


コートの生地を選ぶときにまず考えるべきなのは機能性、具体的には防寒性と重さです。一般的に、目付けの重い生地ほど防寒性はアップしていきます。冬用の場合、コート生地の目付けは500g~600gくらい、春先まで着られるような軽めの生地なら400g前後が目安です。ただ、生地の目付けが重いということは、その分だけ生地に重量があるということをも意味しています。つまり、服にして着たときに重さを感じるということです。特に、目付けの重い生地をたくさん使って仕立てるコートは、仕上がったあとの総重量が重くなりがちです。オーダー時と仕上がり時のギャップを考えると、初心者は軽めの生地を選ぶと失敗しづらいかもしれません。


また、防寒性と軽量性を両立するならカシミア100%の生地を選ぶのもよいでしょう。高価な素材でも軽くて暖かく、黒を選べばフォーマルでも使える汎用性があります。


色柄についてもポイントがあります。カラーについては、ビジネスでも着るなら使いやすいネイビーやグレーがおすすめです。フォーマル寄りの印象になりますが、黒も人気があります。薄い色は汚れが目立ちやすいので、普段使いのコートでは避けるのが賢明です。


また、ストライプやチェックなどの大柄は柄物のスーツやパンツと合わせにくく、コーディネートが限定されます。特に着回し力を重視したい人は、コートの柄にも注意してみましょう。

用途に応じてスタイルを決めよう!

特に秋冬シーズンは、寒さ対策の意味でもコートは必須のアイテムになります。同じコートでも多種多様なデザインがあり、それぞれで使える場面が異なります。もしオーダーで作るのであれば、すでにある手持ちのコートの種類も考えつつ、目的に合った一枚をオーダーしたいものです。自分の身体にフィットしたコートは、全身のシルエットを美しく見せてくれます。こだわりの詰まったパターンオーダーのコートで、寒い季節もおしゃれに乗り切ってみませんか。


 


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