STYLING GUIDE

初めてオーダースーツを仕立てる!スーツのデザインについて知ろう

img

監修:佐々木信也(淀屋橋店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.03 11:29:34

既製のスーツを購入していた人が初めてスーツをオーダーメイドする場合、意外と迷うのがスーツのデザインです。男性用のスーツは大体形が決まっており、特にビジネス用では定番のデザインから逸脱することはありません。ディテールにこだわることなく気軽に購入できる反面、いざオーダースーツを作るときに迷ってしまうようです。オーダースーツを作るなら、まずはスーツの基本的なデザインを押さえましょう。

ビジネスシーンにマッチする!基本的なスーツのデザイン

多くのビジネスマンが着用している基本的なスーツのデザインを見ていきましょう。まず、スーツの形はシングルで、ジャケットのボタンは2~3つが定番です。3つボタンは2000年代初期頃に流行りましたが、2018年現在の主流は2つボタンです。既成品では気にする人は少ないかもしれませんが、オーダースーツでは必ずラペルの種類を指定します。ラペルとはジャケットの下襟のことで、ラペルの幅や形で着用時の雰囲気が変わります。ラペルの定番はノッチドラペルです。上襟とラペルの縫い合わせは一直線で、ラペルの衿先は斜め下を向いています。ポケットは蓋のついたフラップポケットが基本です。フラップとは雨蓋のことで、屋外で着用したときポケット内に雨やホコリが入らないようにつけられました。


パンツの基本デザインで押さえておきたいのは、カフスとタックです。カフスとは裾のことで、内側に折り返すシングルと、外側に折り返して縫いつけるダブルの2種類があります。ビジネスシーンでは、シングルとダブルのどちらでも構いません。実際には、足元がスッキリ見えるシングルタイプを着用している人のほうが多い傾向にあります。タックとはパンツのウエスト・フロント部分に入っているプリーツのことで、タックがあるかどうかで、パンツのシルエットが変わります。近年はタックのないノータックか、タックが1本のワンタックが定番です。

少し個性的に決めたい!ディテールにこだわってみて

ビジネスマナーから外れることなく個性的な雰囲気を取り入れたい場合は、ディテールにこだわりましょう。ジャケットは基本デザインと同じ2つボタンか、ダブルにするのがおすすめです。ダブルはボタンの配列が2列になっており、上の前身頃を深く合わせるのでVゾーンが狭くなります。ボタンの数は4つが定番ですが、より個性を出すなら6つでも良いでしょう。


ダブルスーツはクラシカルで重厚感があるので、ドレッシーな雰囲気のセミピークドラペルが似合います。ポケットは、フラップポケットを斜めにしたスラントポケットにすると、お腹周りがスッキリ見えるでしょう。スラントポケットの上にもう1つ、チェンジポケットをつけるとクラシカルな雰囲気を強調できます。パンツのカフスは、重厚感のあるジャケットと合わせてダブルにすると、足元にもボリュームが出ます。タックは腰回りに余裕を持たせたツータックで、ジャケットとのバランスを取りましょう。


ここまで紹介したディテールを採用すると全体的にゆったりとしたシルエットになりますが、もし細身のスーツにしたいなら選ぶディテールも少々異なります。ラペルは幅の狭いナローラペルに、タックはノータックにすると、タイトなシルエットが映えます。ディテールで個性を出す場合は、シルエットを活かせるようなデザインにすると統一感が出しやすくおすすめです。シルエットがタイトなのにラペルの幅が広い、ワイドシルエットなのにパンツが細身のノータックなど、シルエットとディテールのバランスを間違えるとアンバランスな印象になってしまうので注意しましょう。

きちんとした着こなしが大人としてのマナー!フォーマルスーツのデザイン

正礼装のモーニングコートや燕尾服、準礼装のディレクターズスーツやタキシードは、定番のフォーマルスーツです。フォーマルで大切なのは、マナーを守った装いです。個性を出すのは二の次にして、基本のフォーマルスーツのデザインを押さえましょう。まず、ジャケットのボタンは1つが基本です。ディレクターズスーツや略礼装のブラックスーツはシングルでもダブルでもマナー違反にはなりません。


ラペルはエレガントかつドレッシーなピークドラペルが定番です。ラペルの衿先は尖っていて、斜め上を向いています。ポケットはノーフラップです。もともと、フラップポケットは屋外で着用するスーツのために考えられた形状でした。フォーマルシーンは基本的に屋内で過ごすので、ポケットの蓋は不要という考え方です。パンツのカフスはシングルが鉄則です。スーツ発祥の地であるイギリスでは、ダブルはカジュアルな装いと考えられています。ビジネス用なら大丈夫でも、フォーマルスーツは必ずシングルです。タックはタイトにもワイドにもなりすぎないワンタックがおすすめです。腰回りに程よくフィットしつつ、スマートなシルエットになります。


ちなみに、ビジネス用スーツのネクタイはレギュラータイが一般的ですが、礼装ではボウタイ(蝶ネクタイ)かアスコットタイが正式です。シャツはウイングカラーでエレガントに着こなしましょう。

スーツのデザインを考えるときに!頭に入れておきたいポイント

スーツのデザインを考えるときに!頭に入れておきたいポイント


スーツのデザインを決めるときは、着用するシチュエーションを意識しましょう。基本はビジネスシーンとフォーマルシーンのどちらかになりますが、カジュアルシーンでの着用が向いているコットンやリネンのスーツも存在します。スーツのデザインはシチュエーションによって変わることを、念頭に置いておきましょう。着心地の良さについても、検討する必要があります。スーツで大切なのは、動きやすさと見栄えです。どんなに動きやすくてもだらしなく見えるデザインはよくありません。


最後に、予算内で収まるデザインかどうかも検討しておきましょう。ディテールに凝りすぎると、軽く予算オーバーしてしまいます。予算をかけなくても上質なオーダースーツは作れますので、こだわりすぎには注意が必要です。

ベーシックなスーツのデザインを知りオーダーに活かそう

オーダースーツを仕立てるときは、まずベーシックなデザインを知っておくとオーダーがしやすくなります。基本のデザインがわからない場合でも、テーラーに相談すればいろいろと教えてくれるでしょう。オーダースーツブランドのDIFFERENCEでも、プロのテーラーによるカウンセリングを行っています。ポケットや裏地、ボタンなどの素材も数多く用意しています。オーダースーツを作るならDIFFERENCEでのカウンセリングがおすすめです。


 


◆◆「お客様の声はこちら」 ◆◆
◆◆「よくある質問はこちら」 ◆◆
◆◆「ショップ一覧はこちら」 ◆◆