STYLING GUIDE

着心地も耐久性も優れている!日本製オーダースーツの魅力

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監修:米山英児(神田駿河台店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.15 12:59:22

オーダースーツ選びでは生産地も大切です。日本製と海外製では価格はもちろん、品質も異なることがあるからです。しかし、実際のところ、注文する側としては生産地によって具体的にどんな違いがあるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、このコラムではスーツの生産地による品質の違い、価格が多少は高くても日本製のオーダースーツを選ぶべき理由などを紹介していきます。

日本製スーツと呼ばれる条件

日本で売られているスーツは、国内の工場で作られるものと海外の工場で作られるものに分かれています。そのうち、海外で作られるスーツについては、中国やベトナムなどの人件費が安い工場で大量生産されるケースが大半です。


国内工場で作られるスーツのことを、こうした海外工場製のスーツと区別するために、日本製スーツと呼ぶ場合があります。実際、オーダースーツブランドのなかにも、国内生産・国内縫製を強みとして掲げるところがありますよね。


ところで、日本製スーツとは具体的にどんな条件を満たすスーツのことを指すのでしょう。生地の裁断から最後の仕上げまで一着のスーツを完成させるために必要な工程はたくさんあります。どこまでの工程を日本で行なえば、日本製スーツを名乗ることができるのでしょうか。


日本製スーツと呼ばれるためには、「日本で縫製や装飾が行なわれたものであること」という条件を満たす必要があります。原産国の定義は「その商品について実質的な変更をもたらす作業が行なわれ国」です。すなわち、衣服の世界では素材や生地を衣料品の形状にしていく過程に携わった国を「原産国」といいます。つまり、生地の裁断・縫製といった主要な工程がおこなわれる国が原産国ということです。


ほとんど出来上がった状態の品を他の国から持ってきて、最終的にボタンなどのパーツを取り付けて出荷した国は原産国ではありません。逆に、日本で縫製や装飾が行なわれたものを海外で仕上げて出荷した場合、それは海外製ではなく日本製ということになります。

日本製スーツと海外製スーツの違いについて

先ほど少し紹介しましたが、日本製のスーツであるということはオーダースーツブランドにとっては売りになります。それは、それだけ日本製ということに価値があるということを意味しています。


とはいえ、日本製スーツも海外製スーツも見た目にはほとんど違いがありません。外見だけでどちらかを判断するのは難しいと言えるでしょう。ただし、見えない部分の仕立てや細かな部分については差がつきます。海外の工場で縫製したものより、日本の工場で縫製したもののほうが縫製の質は良く、細かな部分もしっかり作られている傾向があるのです。また、襟もふんわりとした仕上がりで、大量生産で作られるものよりも全体的に立体感があります。この立体的で体に自然にフィットするデザインが日本製スーツの良さです。また、着心地も良く、丈夫で長持ちします。


なお、日本製スーツの場合、海外工場で作られる廉価な大量生産品とはスーツの生地が違うケースも多いです。スーツの生地には安いポリエステルから高価なブランド生地まで、値段も質もさまざまな生地があります。そして、生地代はスーツの価格に直接反映されるため、安価なスーツでは安い生地を使っているのが一般的です。しかし、日本製スーツは国内縫製というだけである程度コストをかけることになるため、価格もそれなりです。それだけに生地の方も国産、イタリア、イギリスなどの良質なものを使用したスーツが多くなっています。実際のスーツの着心地や肌触りは仕立てだけではなく、生地によっても変わってきます。もし、これからオーダーでスーツを作るのであれば、どこのどんな生地を使うかについてもしっかりと考えておくようにしましょう。

日本製スーツの平均価格は?

日本製スーツについては6万円~20万円の価格帯のものが多くなっています。海外生産のスーツよりも価格設定は高めであることが一般的です。


価格差の理由は、仕立てにかかるコストです。国内縫製と海外縫製では工賃に大幅な差があります。人件費が安い海外縫製は工賃も安く、大幅なコスト削減が可能です。しかし、国内縫製はマシンメイドであってもそれなりの工賃が必要になるので、どうしてもスーツ全体の価格は上がってしまいます。安い既製品のように、一着3万円などの値段で日本製スーツを買うのは難しいと言えるでしょう。


しかし、値段が多少高めでも、日本製スーツにはそれだけの価値はあります。スーツの良し悪しを決めるのは生地、そして仕立てです。そして、スーツの値段と仕立ての質は比例するため、高品質の国内縫製ならそれなりの値段になるのは仕方がないことなのです。


仕立ての良さはスーツの着心地や耐久性を左右するものです。本当に長く使えるスーツを探すなら、仕立ての良さにはある程度こだわる必要があります。


たしかに、日本製スーツの価格は外国産の大量生産品と比べると高めです。しかし、縫製から細かい部分の仕上げがしっかりしている分、スーツとしては長く使えるものになります。


特に毎日スーツを着用するビジネスパーソンにとって、スーツは消耗品です。いくら一着ごとの値段が安くてもすぐに傷んでしまうようでは、結果的に高くついてしまいます。


頻繁に着るものだからこそ着心地や耐久性は重要です。着用可能な期間などを考えれば、日本製スーツのコストパフォーマンスは高いのです。注文表にある値段は少し高く見えたとしても、それ以上の価値を見いだせるのではないでしょうか。

質の高い日本製オーダースーツを選ぼう

日本製スーツは、海外生産のスーツに比べて品質が安定しています。海外生産の廉価品に比べると高いと感じる人もいるかもしれませんが、それは縫製が丁寧で仕立てにコストにかかっているからです。その分だけ長く愛用できるので、すぐに駄目になってしまうような安価なスーツを何枚も買うよりは結果的にお買い得です。


日本製スーツを提供するブランドのなかには、通販や直売で中間流通を極力省き、手頃な価格で高品質のオーダースーツを実現しているところもあります。意外と気軽に楽しめるものなので、これからスーツを作るなら日本製がおすすめです。

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