オーダーシャツの採寸ルール!測り方とサイズ選びのコツ
監修:佐々木信也(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.04 13:58:39
シャツの着心地やサイズ感は、動きやすさに直結するといっても過言ではありません。着心地が悪かったり、サイズ感が微妙だったりするシャツを着用しているとストレスに感じる場合もあるでしょう。オーダーシャツであれば、自分の体型に合ったシャツを仕立てることができます。今回は、シャツをオーダーする前に知っておきたい採寸ルールについてご紹介します。
目次
オーダーシャツの基本的な流れ
オーダーシャツを作るときの最初のステップは「シャツの生地やデザインを決める」ところから始まります。具体的にどのようなシャツが欲しいのかイメージがある場合は、スタッフに口頭や写真で伝えましょう。生地を決める前に、見本品を確認しておくことが大切です。生地の画像や色見本だけで決めてしまうと、仕上がりとイメージに差が生まれてしまうケースもあります。
生地やデザインが決まったら、「採寸」に入ります。採寸は、オーダーシャツを作る上で欠かすことができないステップといえます。既製品のスーツを購入するときには、肩幅と腕の長さ、首回りのみを採寸しサイズを決めることが多いです。オーダースーツの場合、肩や腕、首だけではなく、腕周りや胴周り、胴丈なども採寸します。体のサイズを細かく採寸することで、着用者にフィットするオリジナルの1着が生まれるのです。
採寸が終わったら、製作に入ります。製作の方法はお店によって異なりますが、工場にデータを送り縫製を行うケースが多いです。
シャツが完成したら、着用者が試着をしサイズや着心地に違和感がないか確認をします。そこでお直しなどが必要ない場合は自宅に持ち帰ります。
オーダーシャツの採寸方法とは?
オーダーシャツを作るときには、首、肩、バスト、裄丈、ウエスト、ヒップ、着丈、カフス周りなど細かく分けて採寸をします。実際に採寸をするときには、どのような手順で行われるのでしょうか。まずは首の採寸を行います。首回りの採寸を行う際には、ちょうどシャツの襟が当たる部分を測ります。肩幅を測るときは、左右の肩にある骨を目印にメジャーを合わせます。大きめに測ると、ゆったりとした着心地になり動きやすくなると考える人もいますが逆に手が上がりにくくなるため注意が必要です。
裄丈とは首の後ろ側(中心部分)から、カフス部分までの長さです。メジャーで測るときには、首の後ろの中心部分にゼロを合わせ、手首まで引っ張ります。シャツの長さは手首から1~2cm程度被るのが良いとされているため、2~3cm程度長めにとられる場合もあるでしょう。
アームホールやバスト、ウエストやヒップなどは各パーツにぐるりとメジャーを巻き付けて周囲を測ります。メジャーがたるんでいたり、衣服が噛んでいたりする場合はサイズが大きめになってしまうため注意しましょう。着丈を計測するときは、首の後ろ側の中心からお尻の下辺りにまでメジャーを下ろして採寸します。カフスを採寸するときには、シャツを引き上げて首回りを測ることが多いです。
オーダーシャツにはヌード採寸とシャツ採寸がある
オーダーシャツの採寸には、「ヌード採寸」と「シャツ採寸」があります。ヌード採寸とは、体に直接メジャーを当てサイズを測る方法を指します。シャツを作るために必要な実寸を、正確に測るための採寸方法です。
一方、シャツ採寸とは所有しているシャツをメジャーで測る方法を指します。お気に入りのシャツがある場合にシャツ採寸を行うと、同じようなサイズ感を再現しやすくなるのです。お気に入りのシャツがあり、同じようなサイズ感を再現したい場合はシャツを直接ショップに持ち込むのも方法といえるでしょう。
実寸と仕上がりサイズが異なる理由
オーダーシャツを作る際には、実寸の計測が行われるケースが多いです。しかし、仕上がったシャツの各部位のサイズは、実寸とは違います。実寸の通りにシャツを作ってしまうと、着用する人は苦しくて動けない状態になるでしょう。シャツを作る場合は、各部位の実寸に何センチかプラスしシルエットを作っていきます。
オーダーシャツを作るときには、着用者の希望によってスリムなシルエットにするかワイドなシルエットにするかが決められます。選ぶシルエットによって、カフス周りを短くしたり長くしたり、首回りにゆとりを持たせたりといった調整を行います。例えば、スリムなシルエットにしたい場合は、胸周りや胴周りを絞るとシャープに見えやすいです。ノーマルなシルエットのシャツを作る場合、胸周りや胴周りに7cm程度ゆとりを持たせるとよいでしょう。スリムに仕上げたい場合は、5cm程度のゆとりにするとぴったりとしたシルエットになります。このようなサイズ調整は、採寸をしてから行われるケースがほとんどです。
オーダーシャツのサイズを決めるコツ
オーダーシャツのサイズを決めるコツとして「首回りは指2本分が入る程度のゆとりを持たせる」、「自分の肩幅にシャツの肩を合わせる」、「ヒップがきちんと隠れる程度の着丈を選ぶ」、「ジャケットから1cm見える程度の裄丈にする」などが挙げられます。
まず、首回りにある程度のゆとりを持たせることは重要です。首回りがタイトすぎると、首が絞めつけられてしまい苦しく感じやすくなります。「苦しいのは嫌だから大きめのサイズにしておきたい」という人もいますが、この場合も注意が必要です。首周りのサイズが大きすぎるとだらしなく見えてしまいます。シャツの着丈は短すぎると、動作によってスラックスからはみ出しやすくなります。こちらもシャツスタイルがだらしなく見える原因になるため注意しましょう。
これらのポイントを押さえることで、失敗しないベーシックなシャツを作ることができます。好みのシルエットがある場合は、スタッフと話し合いバストやウエストを絞ったり裄丈を長めにとってシャープにみせるなどの工夫をしてみるのも良いでしょう。
より体にフィットするオーダーシャツにしよう!
シャツをオーダーするときに重要なポイントとなる採寸。その測り方やサイズ選びのコツについて知っておくと、スムーズにオーダーができます。自分の体に合うオーダーシャツで、いつものスーツスタイルを格上げしましょう。