スーツから足元まで!パターンオーダーで気軽にオーダーメイドを楽しもう
監修:佐々木信也(淀屋橋店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.04 13:12:35
目次
オーダーメイドに興味はあっても「敷居が高そう」と諦めている人には、パターンオーダーをおすすめします。オーダーメイドの中で最も気軽に注文できる方法で、価格も既製品とそう変わりません。スーツだけではなく、シャツやシューズ、コートもオーダーできるので、その気になれば、全身をこだわりアイテムで固めることも可能です。ここでは、パターンオーダーとはいったいどんなオーダー方法なのかを説明していきましょう。
スーツのオーダー方法には種類がある
オーダーメイドには種類が3つあります。それぞれの特徴とその違いをしっかり把握しましょう。
「パターンオーダー」
パターンオーダーはオーダーメイドのなかでも既製品に最も近いオーダー方法です。他のオーダー方法とは異なり、型紙を起こさずにゲージ(サンプル服)を試着して作ります。ゲージの中から自分の体型に一番近いもの選び、細部を調整して仕上げます。型紙や採寸の手間がなく、大量生産と同じように縫製工場のラインに乗せることができるので2万~5万円台の低価格で仕立てることができます。既製品では今ひとつ満足できない、けれどもコストは抑えたいと考える人におすすめです。
「イージーオーダー」
イージーオーダーは、価格や着心地ともにパターンオーダーとフルオーダーの中間に位置づけられるオーダー方法です。ゲージは使用せずテーラーが採寸し、その寸法を基に既存の型紙を選んで補正を加え、新たに型紙を起こします。既存の型紙を使うとはいえ、型紙を起こす作業があるので価格は5万~20万円と、パターンオーダーと比べると少々高めです。価格に幅があるのは生地やボタン、裏地など、選ぶものの品質によって価格が大きく変わるためです。けれどもパターンオーダーよりもデザインやディテールの自由度が高く、また型紙を起こすのでなで肩やいかり肩などの特殊体型であっても対応ができるのはイージーオーダーの大きな魅力です。
「フルオーダー」
フルオーダーは、3つのなかでも本格的かつ伝統的なオーダー方法です。ほかの2つと比べると、手間や時間のかかり方がまったく違います。それに応じて、価格も20万~100万円以上に跳ね上がります。
本来は一人のテーラーがカウンセリングから仕立てまで、すべての工程を担当します。工程に仮縫いがあるのもフルオーダーの特徴です。最近では分業で行う店も増えてきたので、価格を少し抑えられるようになりました。しかし、手間と時間をかける分、価格には代え難い着心地を手に入れることができます。また、ひと目で高品質だと分かる、余計なシワひとつない美しいシルエットのものに仕上がります。着用するスーツにはとことんこだわりたい、と考える人におすすめです。
パターンオーダーならではのメリット・デメリット
初めてオーダースーツを作る人でもトライしやすいパターンオーダーですが、仕上がった時にイメージの相違がないよう、事前にメリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。
「メリット」
オーダーメイドでありながら既製品と変わらない価格で作れることが最大のメリットです。ゲージを試着して作るので仕上がりのイメージがつきやすく「サイズが思っていたものと違う」などの失敗もあまりないでしょう。手間が少ない分、納期も短いので数週間もあれば完成品を受け取れるのも魅力です。既製品よりも着心地がよく、何より生地やデザインを選べるので、オーダーメイドの醍醐味はしっかりと味わうことができます。
「デメリット」
パターンオーダーの型紙は標準的な体型に合わせて作られていますので、袖や裾などの「縦」のサイズ調整はできますが、体型補正はできません。そのため、自分の体型に近いゲージが訪れた店にない場合、満足できるスーツを作ることは難しいと考えてください。より理想に近いスーツを作るためには、ゲージのサイズやデザインの種類が多い店を選ぶことがとても大切です。
パターンオーダーとイージーオーダーはどこが違う?
パターンオーダーは標準体型から大きく外れた規格外の体型の人には向きません。ゲージは標準サイズを元に作られていますので、袖丈や身幅、パンツ丈などのサイズ調整はできても体型補正には対応ができないからです。一方イージーオーダーは、体型により肩幅や胸囲、腕の太さ、太ももなど細かくサイズ調整が可能。パターンオーダーとの大きな違いになります。
パターンオーダーでスーツ以外も作ってみよう!
パターンオーダーで作れるのはスーツだけではありません。ジャケット、ワイシャツ、コート、靴などを注文できる店もたくさんあります。自分好みのアイテムをトータルで手に入れ、ワンランク上のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょう。
「パターンオーダー -ジャケット編」
ジャケットは素材を変えるだけで印象はグッと変わります。例えば、クールビズ用としてポロシャツに合う涼やかな素材のジャケットを一枚用意しておくと、ビジネスにも安心ですしとても便利です。オフの日には、いつものカジュアルな服装にジャケットを取り入れれば、ぐっと洗練された装いになるでしょう。季節やTPOに応じて主力となるジャケットを仕立てておけば、いざというときに困らず、遊びのある大人の着こなしも楽しめるようになります。
「パターンオーダー -ワイシャツ編」
ワイシャツ姿に自信がない人にもパターンオーダーはおすすめです。体に合ったワイシャツは不自然なダボつきやシワがなく、スマートな印象を与えます。パターンオーダーであれば、首周りや裄丈(ゆきたけ)などの調整が可能で、しかも5,000円~6,000円の手頃な価格でも作れます。さら縫製によっては、量産品よりも縫い目が丈夫ですから長く愛用できます。自分の体型に合ったこだわりのシャツがあれば、ジャケットを脱いだ姿にも自信が持てるようになるでしょう。
「パターンオーダー -コート編」
コートはトレンチコート、ステンカラーコート、チェスターコートなど、スーツ以上にシルエットやデザインのバリエーションが豊富です。けれども既製品では生地の種類の展開がスーツほど広くありません。パターンオーダーならデザインと生地を選べるのはもちろん、なおかつ着丈や袖丈の調整もできるので既製品以上に体にフィットしたコートを作ることができます。冬が待ち遠しくなるようなコートを、パターンオーダーで手に入れてみてはいかがでしょう。
「パターンオーダー -シューズ(靴)編」
木型から作るフルオーダーシューズは高価ですが、既製の木型を利用するパターンオーダーなら3万円前後から作ることが可能です。幅広くサイズとワイズ(足囲)の木型が揃っているので、市販のものだとサイズが合わず足が痛くなる人も、履き心地に優れた一足を手に入れることができます。また自分好みのオリジナルシューズは、ひときわ愛着も湧いてくるでしょう。
パターンオーダーはレディースでもおすすめ?
ファッションを楽しむ女性は男性以上に多く、その好みやこだわりも千差万別です。洋服を買う時には試着をし、シルエットからディテールまでをしっかり確認する女性にこそ、パターンオーダーはおすすめです。数あるブランドの中から探すよりも、手っ取り早く自分の好みのデザインや体型に合ったものを手に入れることができるでしょう。
特に、女性がビジネスシーンで着用するスーツに対して「探してもしっくりくるものがない」という声をよく聞きます。男性ほどビジネススーツの需要がないため、数が少ないことも原因でしょうが、
その「しっくりこない」原因は、サイズが合っていない場合がほとんどです。ジャケットを選ぶ際、女性は胸周りにサイズを合わせるのが正解ですが、ウエストのサイズに合わせてしまった場合バストが大きい人は胸元に大きなシワが入り不恰好になってしまいます。上半身と下半身ではサイズが違う人も少なくありません。パターンオーダーであれば、上下のサイズが異なるものを選べますし、ゲージを試着することで自分の体型がより美しく見えるデザインを探すこともできるでしょう。
スーツだけではなく、おしゃれを追求する女性には生地やデザインを選べるパターンオーダーはやはりおすすめです。自分の魅力を一層引き立ててくれるアイテムに出会うための近道とも言えそうです。
まとめ
パターンオーダーはオーダー初心者も気軽に挑戦できる方法です。コストパフォーマンスにも優れていますので、体験すればオーダーメイドへのイメージもがらりと変わるはずです。もし興味があるなら、気負わずに店を訪れてみてください。予算や好みを伝えれば気軽に相談に乗ってくれるでしょう。