着心地にこだわるならオーダーシャツがおすすめ!魅力を徹底解剖
監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.06.18 22:53:53
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装いひとつで自分の見え方が大きく違ってくるビジネスシーン。色々なスーツやシャツの種類がありますが、サイズの合わないものを着るのはだらしなく見えてしまうので避けたいところです。着る人のサイズにぴったりフィットさせるにはオーダースーツが知られていますが、オーダーシャツがあるのをご存知でしょうか。実はぴったりとしたフィット感だけでなく、既製品にはない魅力がたくさんあるのです。そこで、自分だけの特別なシャツを作成する前に、オーダーシャツの特徴やメリットを学んでみましょう。
オーダーシャツってどんなもの?
オーダーでは、まず作成時に細かく体のパーツを採寸し、そのデータを元にシルエットや型紙を選びます。この採寸がとても重要で、首回りや肩幅などにしわやたるみを作ることなく、体にフィットし、既製品では感じることができない着心地の良さを実感することができるのです。さらに、デザインと生地を選ぶことができるのも大きなメリット。既製品にはない生地も多いので、オーダーでしか作れない、自分のための特別な一着を手に入れることができます。
オーダーシャツの魅力
細かい採寸を行い製作されるオーダーシャツでは、体に合ったフィット感を得られるのはもちろんのこと、「自分のこだわりを形にできる」のも魅力の一つです。満足いくパーソナルな一着を製作するために、オーダーシャツでできることを学んでおきましょう。
「体型にフィットしたものが作れる」
既製品のシャツは、ネックと裄丈(ゆきたけ)で選びますが、体型によっては上胴(バスト)が窮屈だったり、中胴(ウエスト)が余ってダブついていたりして、フィッティングまでカバーすることは難しいとされています。その点、店やオーダー方法によって若干違いがあるものの、ネック、裄丈、肩巾、袖周り(アームホール)、バスト、ウエスト、着丈、さらに腕の二の腕と剣ボロ(カフスを開くための上の切り込み部)を採寸して作成することができるのがオーダーシャツ。既製品よりも、さらに細かい部分までサイズを合わせることができるので、自分の体にぴったりとフィットした一着を作ることができるのです。
「着用時の疲れが軽減」
『スーツやシャツはサイズが少し大きいほうが動きやすい』と思っている人がいるかもしれません。しかし、それは大きな間違い。たとえ細身であっても、自分の体形に合わせて仕立ててあるほうが動きやすく、体へのストレスが少ないと言われています。正しいサイズがもたらすのは、見た目の良さだけでないのです。シャツは、肩や肘など関節部分のサイズが合っていないと、摩擦がかかって生地が傷みやすくなります。そのため、サイズが合わない既製品のシャツを着ていると、摩擦によるダメージによって早くシャツが消耗してしまうのです。一方、オーダーシャツは自分の体型にフィットするよう仕立てられているため、生地の関節部分に摩擦がかかりにくい作りになっています。既製品のシャツに比べて生地が劣化しにくく、長く良い状態で着用することができるのです。
実はギフトとしても人気があるオーダーシャツ。贈る側が良いと思うだけでなく、贈られた側も自分の好みを最大限に反映することができる点が人気の理由。それだけではありません、ジャストフィットにより体へのストレスも少ないオーダーシャツには贈られた側の健康を願う心遣いも一緒に添えられているのです。
「生地やボタンなどを自分好みにカスタマイズできる」
シャツの生地は見た目や着心地の良さに大きく関わってくる大切な要素。生地の風合いや厚さ、細い糸で織られた光沢感のあるもの、平織りの定番ものから、既製品にはないような細かい織り柄が入るものまで様々です。
・生地素材
・機能性素材
・ボタン
生地素材
オーダーシャツでは主に綿、麻、ポリエステルが使われます。肌触りや吸水性、通気性の点で最も優れているのは綿で、洗濯でシワになりやすいという点以外はシャツの生地に向いています。天然素材ではリネン=麻素材があり、水濡れに強く丈夫で、湿気も熱も外に放出するという特徴があります。しかし、肌触りが硬めで、シワができたり縮んだりしやすく夏場のカジュアルシャツ向きです。ポリエステルは、軽くて丈夫でシワにもなりにくいという特徴がありますが、汗を吸いにくく、通気性もあまりよくありません。既製品のシャツではよく用いられるポリエステル100%の生地ですが、オーダーシャツで選ばれることは稀で、天然繊維との混紡で使われるのがオーダーシャツでは一般的です。
機能性素材
最近では、さまざまな機能に特化した「機能性素材」を使ったオーダーシャツも増えています。中でも形態安定加工された生地は人気です。生地にシワができる前の状態を記憶させているため、洗濯したシャツを濡れた状態のままシワを伸ばして干せば、アイロンをかけなくても着られるので便利です。型崩れしにくく、出張先でスーツケースから出してすぐに着られます。
ボタン
オーダーシャツではボタンも選ぶことができます。使われるのは、洗濯耐用度強化ポリボタンとホワイトパールボタン、天然貝ボタン、コンビネーションボタンの4種類。中でも高級なのは真珠を育む白蝶貝から作られるのがホワイトパールボタンです。工場で大量生産されるポリボタンと比べると、卸値で100倍ほどの価格差があります。白蝶貝以外では天然貝をくりぬいて1つ1つ手仕上げされる貝ボタンも高価です。せっかくオーダーシャツを作るのなら、2つとして同じものがない、見た目に味のある貝ボタンを選ぶのがおすすめです。
ボタンへのこだわりは材質やデザインだけではなく、その‟留め方“にもあります。それは、ミシンで留めるときのようなバツやイコールの形ではなく、手作業でしかできない千鳥掛けのボタン留めです。オーダーシャツの証でもある千鳥掛けは、ボタンの中心が斜めに傾くので、楽にボタンを留められ機能面でも優れています。さらにボタンの裏側を根巻きボタン付けにすると、生地とボタンの間に隙間ができるので、ボタンをはめやすく、外れにくくできます。ボタンひとつにも細かいこだわりと工夫をほどこし、カスタマイズすることで、より一層オリジナリティの高い一着に仕上げることが可能なのです。
初心者にはパターンオーダーがおすすめ
オーダーは3種類あり、体型や予算、こだわりなどで選ぶことができます。
・フルオーダー
・イージーオーダー
・パターンオーダー
「フルオーダー」とは、細かく身体のパーツを採寸し、そのデータを元に一からオリジナルの型紙を作りデザインや細部までこだわりが持つことができます。アスリートなど自分の体に合う型紙がなかなかない人や、人と被らないデザインのシャツが欲しいという人のニーズに応えてくれます。
「イージーオーダー」とは、『シャツのオーダーは初めてだが着心地や仕上がりにはこだわりたい』という人におすすめです。既製の型紙を元に採寸した自身のサイズへと微調整でき、生地やデザインなどにこだわることができます。
「パターンオーダー」とは、既製品の型紙を使用することです。すでにある「ゲージ服」(既製のサンプルシャツ)を試着し、そこから自分の体に合うように修正していきます。既製品の型紙からでも袖丈や着丈の長さは、採寸したサイズに合わせて調整してくれるので、フィット感ある一着に仕上がります。他の2種のオーダー方法と比べるとデザイン数は少なく、フルオーダーのように細かいカスタマイズはできないものの、ある程度のこだわりは盛り込むことはできます。既製品とも価格差がなくリーズナブルで、オーダーシャツの経験がない人でも気軽に挑戦しやすく、着心地や便利さを体験してみたいという人にオススメです。ただし、パターンオーダー採寸は正しく行うことが重要。ネットで簡単にオーダーが可能でも、初めての場合はお店などに出向いて、プロの手で採寸してもらうことをおすすめします。
まとめ
オーダーメイドと聞いて、すぐに頭に浮かぶのは‟価格“。しかし、これだけあるオーダーシャツの利点を考えれば、既製品より若干価格が高めでもコスパがいいのは明らかです。しかし、コスパの良さを基準に選ぶときは、単純に価格だけでなくいくらの費用をかければどれだけの付加価値がつくのかを考えて比較するようにしましょう。また、縫製の仕方を基準にするなら、機械縫製と手仕事それぞれの特徴をしっかり理解したうえで比較することが必要です。
オーダーシャツを試したことがないという方は、まずは一度試してみてはいかがでしょうか。世界に一つだけの特別なシャツを身にまとえば、自然と顔つきが変わり不思議と自分に自信が生まれます。服の持つ大きな力を感じてみてください。