STYLING GUIDE

レディーススーツのスカートの種類は?丈のマナーは?

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監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.05.18 17:37:29


レディーススーツはボトムスの違いだけでも印象が大きく変わります。スカートとパンツの違いだけでなく、スカートの形や丈の違いでも洗練さ、清楚さなど見た目が異なるのです。デザインやスタイルが多いレディースファッションから見ると、ビジネススーツはどうしても単一的になりがちです。しかし、ビジネスのうえで自分らしさを表現するためには、スカートについてきちんとした理解が必要です。今回は、ビジネスシーンでおすすめのスタイルやスカート丈について解説します。

レディーススーツのスカートの種類

通常、女性が穿くスカートにはさまざまな種類があります。しかし、ビジネスシーンで着用するスカートの種類はさほど多くはありません。大きく分けるとタイトスカートとフレアースカートの2種類です。簡単に好みで選んでしまいがちですが、作り出すシルエットが異なるので体型なども考慮が必要です。また、周囲にどのような印象を与えたいかで選ぶことも大切です。


 


「タイトスカート」


ベーシックなタイトスカートはトレンドに左右されにくく、永く着用できるデザインです。そのため、テーラードやノーカラー、またラウンドカラーなど、どんなジャケットとも相性が良く、スタイルを選びません。ビジネススタイルでは基軸となるデザインなので、まず自分にフィットしたサイズを揃えるようにしましょう。


 


体のラインに沿ったタイトなシルエットはきちんとしたイメージがあるので、周囲に真面目な印象を与えたいときに選ぶとよいでしょう。ただし、あまりぴったりフィットしすぎていると、体の線が出すぎて品が悪くなってしまうので、少し余裕をもつようにしましょう。
車の乗り降りが多い場合や、歩きにくい場合には多少裾が広がっているほうが足さばきはよくなります。その場合セミタイトスカートが最適です。一方、裾は広がっていても、華美な印象を与えるマーメードスタイルはビジネス向きではありません。せっかくビジネスシーンで着用するのですから、きちんと仕事をしている印象を与えられるスタイルを選んでおいたほうが無難です。


 


「フレアースカート」


女性らしい印象にするなら、フレアースカートがおすすめです。少し裾が広がったAラインのスカートであれば、ビジネスシーンでもあまり華美になりません。きちんとした印象を保ちつつ、女性らしい優しさも表現できます。また、ヒップが大きい人や太ももが張って気になる人も、タイトスカートよりもゆるみのあるフレアースカートを選んだほうが上品に見えます。かなり痩せている人もタイトスカートでは細さが強調されてしまうので、フレアースカートの方が綺麗に着こなせるでしょう。

色や素材の選び方のマナー

「色を選ぶときのマナー」


女性のビジネススタイルは男性に比べ許容範囲が広いので、色も柔軟に選べる傾向があります。しかし、男性と同様に黒、紺、グレーの定番3色が、ビジネスでの基本色とされています。定番色は汎用性がとても高いので、自分にフィットしたスカートをオーダーで作っておくと良いでしょう。


黒はどんなシーンでも着用できる万能な一着になり、発表会などホスト役の場でも重宝します。黒に比べ色に幅があるグレーは、濃淡の使い方で組み合わせの幅を広げることができますので数枚揃えておくと便利です。ネイビーはより知的で大人っぽい印象を、グレーはより落ち着いた印象を与えることができます。ベージュやブラウン系はカジュアルダウンしたジャケットスタイルに好相性で、プライベートでも着回しができます。


 


「素材を選ぶときのマナー」


ビジネススーツとして合わせるスカートの最も一般的な素材はウール100%です。「温かい素材」として安定感のあるウールですが、生地の織り方や糸の太さによって厚みや質感が変わります。薄手のものであれば春夏にも着用でき、素材によってはオールシーズン着ることができるでしょう。ウールは繊維自体が呼吸するように湿気を放出したり、シワになりにくいなど、メリットが多いので広く使われています。


ビジネスで着用するスカートの場合、移動や荷物で擦れることもあるので耐久性も必要になります。オーダーであれば、ウールとポリエステルの混紡などを含む多くの素材から選べるので、永く着用できるスカートを作ることができます。

スーツのスカート丈の適切な長さ

ビジネスシーンで穿くスカートは、着丈にも気を配りましょう。歩くたびに太ももが見えるような短すぎるスカートはビジネスには合いません。また、いくら動きやすくても、大きなスリットが入ったものも避けたほうがよいでしょう。あくまでもビジネススーツですから、基本として女性としての主張は控えにすべきです。オーダーなら体型とシルエットのバランスを考えたスカートの長さを選べるので最適です。


 


「オーソドックスな丈はひざ中央」


スカート丈は、ひざの中央かひざ下くらいがちょうど良い長さとされています。スカート丈が長すぎると動きにくくなるうえに、印象が重たくなります。適度に軽さと清潔感のあるひざ丈を意識してスカートを選びましょう。



 


「短め丈は膝上3cm」


 


20代など社会人経験が少ない人は、ひざ上3cm程度が好印象につながります。これ以上短くなると露出が多めになるので、ビジネスシーンにはそぐいません。ただし冬に限って透けないタイツを合わせるなら、スカート丈が少し短い方が軽快になります。

着方のマナー


「インナー」


インナーにポリエステルやレーヨンなどとろみのあるブラウスを選ぶと、柔らかい印象になります。襟のないカットソーやニットも同様にソフトな印象になりますが、胸元の開き具合によっては砕けすぎた印象になってしまうので注意が必要です。人気のボウタイブラウスは華やかさがあるので、注目を浴びるようなビジネスシーンにはぴったりです。


同じスカートでもインナーを変えるだけで印象が大きく変わります。暑苦しさを感じさせない程度に露出を抑え、ビジネスらしい落ち着き安心を演出することがポイントです。


 


「シャツ」


ビジネススカートのインナーとして、もっとも定番なのはシャツです。シャツは最も堅実に見えてビジネススタイルとして安定感があります。しかし、カジュアル化しつつあるビジネスシーンではかしこまりすぎて余裕がないようにも見えてしまうこともあるので、色を変えたり、ストライプ柄にするなど少し遊び心を入れてコーディネートに馴染ませるといいでしょう。


 


「小物」


スーツやビジネス向きのスカートに合わせる靴、バッグなどの“小物”にもマナーがあります。いくら暑い時期でも裸足にミュールを合わせるのはマナー違反です。金融など堅い業種では、スーツにソックス、ローファーのようなカジュアルスタイルもおすすめしません。肌の色に近い、ベージュのような色のストッキングを着用し、パンプスは装飾が少なく5〜7cmヒールで爪先が出ないものにしましょう。冬以外ではバックストラップのパンプスも軽快感があっておすすめです。靴もカバンも、デザインがシンプルでスーツと色のカラーバランスが取れるものが重宝します。

スカートスタイルのコーディネート


「着回し」


スカートスタイルは着回しを工夫すると、コーディネートの幅が格段に広がります。自分にフィットしたスカートを定番として一枚作ると、テーラードやノーカラーだけでなく、さまざまなジャケットと組み合わせることで、全く異なったスタイルとして着回すことができます。定番色の黒、グレー、ネイビー、白、ベージュがあればオールシーズン対応できるでしょう。


 


「トレンド」


レディースファッションは、トレンドごとにシルエットが大きく変わり、その都度、周囲からチェックされることもしばしばあります。もちろん、ビジネススタイルでも業種によってはトレンド感が必要とされることがあります。トレンド=先を見る力であったりするからです。女性は、現代の波を把握しているかどうかをファッションで判断されがちです。カラーや素材を変えるだけでもそれだけでトレンド感が出るので、積極的に取り入れましょう。年代に関係なくビジネスシーンでの話の糸口としても使えます。数年間隔で変化する配色ルールやパンプスのヒールの形などを変えるだけでも一目置かれるはずです。

まとめ

レディーススーツはスカートによって大きく印象が異なります。自分の体型にフィットしたデザインのスカートを定番として決めて作っておくと安定したスタイルを築くことができます。既製品でジャケットと複数のスカートのバランスを取るのは簡単なことではありませんが、オーダースカートなら自分の定番スカートを素材や色を変えて何度も注文することができます。素材の異なるものを数着同時に仕立てると、シーンに合わせた着回しもグンと楽になるはずです。着回しやすく仕立てることで、永く着られるようになるというメリットもあるのです。