STYLING GUIDE

レディーススーツの印象は、シャツやブラウスでこんなに変わる!

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監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.05.18 17:34:46


スーツスタイルに必要不可欠なアイテムとしてシャツがあります。男性はレギュラーカラー(衿付き)のシャツがほとんどですが、女性はシャツだけでなくブラウスも含めた豊富なバリエーションがあります。衿の種類はレギュラー、開襟、ノーカラーのラウンドネック、Vネックなどです。インナー次第でスーツの表情がガラリと変わるので、装いのコツとしてセレクトポイントを心得ておきましょう。

レディースシャツやブラウスを選ぶときのポイント

スーツに比べてシャツは試着もせずに気軽に選んでしまいがち。でも実は多くの落とし穴があるのを知っていますか?きちんとセレクトポイントを確認してから試着をし、一番自分に適切なものを選びましょう。


 


「サイズ」


セレクトポイント

・バストのゆるみ
・バストの採寸の仕方
・袖丈の長さ
・襟開きの大きさ


シャツのポイントで一番気を付けなければいけないのがサイズ。サイズの合わないシャツを身に着けていると、襟元がダブついたりして見た目に影響してしまいます。着用時に美しく見えるには、首回り、胸周り、肩幅、袖丈など、それぞれのサイズが合っていることが大切。特に女性は胸周りのサイズ選びが重要になります。


女性がシャツのサイズ選びでよく間違えるのは、バストサイズをブラのカップサイズに合わせてしまうこと。普段から着ている服と同様にビジネスシャツを選ぶと、胸周りだけがきつく、ボタンを留めると生地が引っ張られてしまうことがあります。これでは男性は目のやり場に困ってしまいます。


実は、着用時のシャツをきれいに見せるには、ブラを付け、腕を下した状態でバストの最も高い位置を採寸することが大事です。こうして測ったバストサイズに合わせたシャツを選べば、胸がきつく見えることがなくなります。


ただし、胸が大きい人の場合、トップバストに合わせてシャツを選ぶと、袖丈が合わなくなる可能性があるので要注意です。シャツの袖丈が長くなりすぎると、ジャケットの袖口から大きくはみ出し、だらしない印象になってしまいます。長いようならくるぶしが隠れる程度のジャストサイズになるようサイズ直しをしましょう。


「色」


ビジネスで着用するスーツの色は一般的に黒やグレー、ネイビーになります。でも、そのどの色のスーツでもインナーで選ぶ色は、やはり白が基本です。清潔感があるのはもちろん、仕事に対しての真摯な印象も表現することができる普遍的で間違いのない色です。


ただ、一年中同じ白だけでは装いに変化がありません。素敵に装うコツは、夏であれば、青みがかった白で爽やかに、冬であれば少し黄味がかったアイボリーを選び、白でも季節を感じさせること。ちょっとした色のこだわりで自分らしさや女性らしい繊細さを表現することも可能になります。


白以外であれば、薄いベビーブルーやベビーピンクならビジネスを邪魔することもなく優しさを感じさせることができるでしょう。


「装飾」

女性の襟元はかなり自由度が高く、襟のデザインで印象が大きく変わります。シャツでは開襟とレギュラーのどちらかを選ぶのが一般的ですが、コットン素材であれば、ノーカラーや前立てに少しフリルやボウがあるデザインもあり。男性が多い職場などでは女性らしさを醸し出すこともできます。トレンドでパールのボタンなどもありますが、ビジネスには外した方が賢明でしょう。

レディースシャツを選ぶときの注意点

女性のスーツは歴史が短く、男性用のスーツのマナーがそのまま当てはまるわけではありません。女性が社会進出するようになってから身に着けるようになったものですから、独自のルールが適用されます。毎日着替えるものなのでクリーニングの方法も確認しておくべきでしょう。


 


「露出度が高いものは避ける」


シャツなどインナーで気を付けなければいけないのが、肌の露出度合い。開襟シャツやノーカラーブラウスなどは胸元を開けすぎるとだらしなく見えるので着こなしに注意する必要があります。一方、レギュラーカラーは首元までボタンがあるので気にすることもなく、真面目な印象をも与えることができます。胸囲のある人など体型的にボタンを留めたときに苦しそうに見えるのであれば、レギュラーのシャツは避けたほうがよいでしょう。好みだけでなく体型に合う襟元を選ぶことも大事です。ゆるみのある合繊系のノーカラーのブラウスは、襟開きが大きいものが多いので、必ず試着をして開きすぎないものを選ぶのが鉄則。ビジネスでの過度なセクシーさは不必要です。


 


「派手すぎるものは避ける」


ビジネスウエアは年齢によって装い方が異なります。経営者や企業の幹部クラスであれば、貫禄を出すために華やかな柄のブラウスを用いることもありますが、20〜30代は無地、あるいはピンストライプなどシンプルな柄が基本です。サテン地など光沢があるものも外しましょう。


 


「下着が透けてしまう素材は避ける」


スーツだけでなくシャツやブラウスも季節により変えるべきアイテムです。でもここで注意しなければいけないのが素材。コットンやリネン素材はあまり問題ありませんが、ポリエステルやナイロン素材など混紡ブラウスは透けてしまう商品があるので、必ず試着をして透けない素材を選びましょう。

おすすめコーディネート例


ここ数年、就活や社会人一年目に多く着用されているのがブラックスーツです。周囲に溶け込むビジネススタイルとしては最適で、レギュラーカラーのシャツと5cm程度のヒールパンプスを合わせれば間違いありません。就活の面接であれば、一番上のボタンは留める方が無難でしょう。シャツはスーツの袖から1cm程度出るのが正式です。
ただ、自分らしさを表現する場合には柔らかさのあるブラウスを合わせるのがお勧めです。ネックレスなどアクセサリーを少しだけ合わせるならシルバー系がベスト。クールでデキる女性の印象になります。


 


グレーのスーツはコーディネート次第で品のあるスタイルに仕上げることができます。レギュラーカラーのシャツにパールのピアス、8cmヒールパンプスなら自信を持ってプレゼンもできるでしょう。余裕を感じさせるために、第二ボタンぐらいまで開けてもOKです。

まとめ

就活服として、ビジネス服として着用機会の多いスーツ。一見同じ表情でしか装えない印象がありますが、実はインナーのシャツやブラウスで表情はとても変わります。面接やプレゼンなどピリッとしたいときにはレギュラーカラーを合わせたり、ミーティングではノーカラーのブラウスなどで和やかな雰囲気にしたりすることができます。いつも同じスーツなのに、違う印象に見せることができるのはシャツやブラウスの使い方を心得てこそ。適切なサイズで異なるデザインを数枚用意しておくことが装い上手になるコツなのです。