STYLING GUIDE

レディーススーツはどう選ぶ?注意点やおすすめコーディネートをご紹介

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監修:佐々木信也(淀屋橋店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.05.18 17:32:17


オフィスのカジュアル化が進んでいるものの、ビジネスシーンではスーツ着用が当然という場面がまだまだ多く見られます。そんな場面でポイントになるのは、ジャケットとスカート、またはパンツ姿であればそれでOKというような単純な話ではなく、シーンごとに守らなければならないマナーがあるということ。ここでは、マナー違反にならない、ビジネスシーンで活躍できるレディーススーツの選び方や着こなしについてご紹介します。

知っておくべきレディーススーツのマナー!


女性のスーツは男性のものと比べると、素材も色もバリエーションも豊富。そのため、ビジネスシーンでのマナーを正しく知っておかなければ、ふさわしくない色や素材のスーツを選んでしまいかねません。職場や環境により若干の違いはありますが、ここでは、定番の色や素材のマナーについて学んでいきましょう。


 


「色」


ビジネスシーンでは基本的に落ち着いた色、黒、紺、グレーの3色が適した色。ブラックはどんなシーンでも着用できる万能な一着で、ラグジュアリーな接客などでは定番とされています。黒に比べ、色味に幅がある紺やグレーは濃淡やラインの使い方で組み合わせの幅を広げることができるので、持っておくと便利です。ネイビーは金融系など知的で少し堅い職業に向いていて大人っぽい印象を表現できます。またグレーはより落ち着いたリッチな印象をも与えることができます。


 


「素材」


ビジネススーツの素材としてはウール100%が定番。「暖かい素材」というイメージを持つウールですが、生地の織り方や糸の太さによって生地の厚みや質感が変わるので、薄手のものであれば春夏にも着用でき、オールシーズン対応できます。繊維自体が呼吸するように湿気を放出してくれたり、しわになりづらかったりと、非常にメリットが多い素材なので、スーツ生地として広く使われています。レディーススーツの場合は、ウールと他素材との混紡生地もよく使われます。ウールと合わせる素材の定番はポリエステルやシルク、そして


モヘアなどです。シルクと組み合わせた生地は光沢があるので、ベーシックな色でも華やかに見え、モヘアとの組み合わせは独特のシャリ感が出るので春夏向きです。いずれも、ウール素材には欠けている“伸縮性”を持たせる加工をプラスすることで、着やすさが増し、ビジネスシーンで大活躍してくれます。


 


「ディティール」


ビジネススーツの場合、シーンに応じて選ぶべきジャケットやボトムスの形や素材がそれぞれあります。ジャケットなら、襟の形やボタンの数、ボトムスならスカートを選ぶかパンツを選ぶかといった部分です。シーンに合わないものを身に着けているからといって、ビジネスの場面に於いて、「合わない」という事実は誰も教えてはくれません。知らなかったでは済まないことも多々あるので、どのような場面でどんなスタイルのスーツを着るのがふさわしいのか、あらかじめ自身で調べておくことはとても大切なのです。

年代で異なる似合うスーツ


レディースのビジネススーツは、生地や素材、デザインやカラーも種類が豊富。しかし、ここで押さえておきたいのは、年代によって似合うものが違うということ。年代のイメージにあまりに合わないものを選んでしまうと、周りに違和感を与えてしまうことも。ここでは年代別に見る「似合うスーツ」をご紹介します。


 


「20代に似合うスーツ」


20代はフレッシュさを感じさせる、機敏に動きやすい一着であることが大切です。生地の織り方や柄はシンプルなものが似合い、色も定番の黒、紺、グレーが好印象です。20代が私服では好んで選ぶピンクや白などの淡い色をビジネスシーンで選んでしまうと、可愛らしさばかりが強調されてしまいますので、ビジネスらしさを感じられる定番色を選んでおくことをおすすめします。


 


「30代に似合うスーツ」


30代になったら、多少は落ち着いた印象を演出したいところ。若さを残しながらも、大人の落ち着きを感じさせるようなデザインや生地を選びましょう。いかにもビジネススーツのようなきっちり感を出さず、こなれた雰囲気にするのもおすすめです。


 


「40代に似合うスーツ」


女性も40代になれば、重厚感のある生地やデザインを上手に着こなし、似合うようになってきます。素材や生地をきちんと選び、見た目にも価格的にも高級感ある一着を着こなすことをおすすめします。


 


ビジネスシーンでは、対外的にどのように見られるかがスーツ選びのポイント。どの年代も、立場に合ったデザインや素材のスーツを選んで着こなすことが大切なのです。

レディーススーツを選ぶときの注意点

ビジネスシーンでは第一印象が大切。女性の場合は男性よりも自由度が高く、その分だけ注意が必要なこともあります。職種や会社によっても異なるので、職場環境に合わせたスーツや小物選びは重要です。マナーに気をつけたビジネススーツ選びのポイントは主に4つ。


 


●スーツに合わせるインナーの「露出の割合」
●スーツに合わせる「小物の合わせ方」
●スーツに合わせる「靴の選び方」
●スーツに合わせる「タイツの選び方」


この4つのポイントについて、それぞれ学んでいきましょう。


 


「露出の割合」


レディーススーツの装いで最も大切なのが肌の露出の割合。胸元が開きすぎていたり、スカート丈が短すぎたりするのは、失礼とまではいわなくても、下品に見えがちで、印象を格下げしてしまうこともあるからです。過度な露出はきちんとした印象が欠如してしまい、ビジネスシーンにはふさわしくないのでおすすめしません。例えば「クールビズ」。暑苦しさを感じさせない程度に露出を抑え、ビジネスシーンらしい落ち着きを演出することはとても重要です。胸元の開きや袖の長さ、スカート丈などは抑え気味がちょうどよいくらいなのです。


 


「小物の合わせ方」


スーツに合わせるインナーはもちろんですが、靴、カバンなどの“小物”にもマナーがあります。着用シーンにもよりますが、特にバッグは黒、茶、紺などの落ち着いた色が合わせやすく、原色や目立つデザインのものはビジネスの場にはあまりふさわしくありません。また、あまりに大きなブランドロゴの入ったものは、嫌味になったり、時に印象を下げてしまう場合もあるので気を付けましょう。また、バッグのサイズがあまりに小さいと、ビジネスをやる気がないという印象につながってしまうことも。仕事で使う書類はA4サイズがほとんどですので、書類がきちんと入るバッグのサイズを持つようにしましょう。


 


「靴の選び方」


ジャケットやボトムスはビジネス仕様なのに、足元にアンバランスな靴を合わせたら、その着こなしは台無しになってしまいます。例えば、いくら暑い時期でも、スーツにミュールを合わせるのはマナー違反。爪先が出るサンダルも着用しないほうがいいでしょう。スーツにソックス、ローファーのようなカジュアルスタイルや派手な装飾のヒールが高いパンプスもビジネスには不向きです。ビジネススーツには、基本的に歩きやすい5〜7cm程度の高さの黒やネイビーのパンプスが鉄板。バックストラップのパンプスはきちんと感をキープしたまま軽快さが出るので冬以外のシーズンではおすすめです。


 


「タイツの選び方」


肌の色に近い目立たない色のストッキングがおすすめ。黒いストッキングは、黒いスーツを合わせた場合に冠婚葬祭を想起させるため避けたほうがいいでしょう。冬場には防寒のためタイツを合わせたくなりますが、タイツや靴下はカジュアルな印象を与えるため控えることをおすすめします。職場によっては、スーツのカラーに合わせてダークカラーのタイツやストッキングが問題ない場合もあります。黒のタイツであれば、少し肌が透ける程度の30デニールが女らしさもあってヒールによく似合うので、TPOや職場環境に合わせて選ぶようにしましょう。

お勧めのコーディネート

ビジネススーツのインナーとして、もっともふさわしいと言われるのは「シャツ」です。襟の大きさや色、胸元の開き具合など注意すべき点がたくさんあります。インナーにブラウスを選ぶと、シャツを選んだ時よりも柔らかい印象に。襟のないカットソーやニットは少し砕けた雰囲気になりますが、シーンに合った色やデザインを選べば、オシャレ度がアップし、あなた自身を素敵に魅せてくれるはずです。


 


コーディネート例①


『定番のブラックスーツに大人色のインナーを合わせて』


パンツでもスカートもOKのマニッシュな印象を与えるジャケット。とてもシンプルな上下ですが、実はダーツで立体的なシルエットを作り出し、ウエスト部分はややシェイプさせ女性らしさ印象も。インナーに白のシャツを合わせればリクルート仕様に。シックな印象の紺のインナーを合わせることで、シンプルな中にも洗練された大人の印象に。インナーに何を合わせるかで表情が変化する汎用性高い便利な一着です。


 


コーディネート例②


『カラーとデザインで組み立てる、シャープさと柔軟さが両立のコーデ』


明るい色味とデザインがすっきりとしたVカラーのジャケット。スカートにもパンツにも合わせやすい着丈なので着回し力の高い一枚。女性らしい優しい雰囲気のボウタイはジャケットを上から羽織ってもデザインが隠れにくく、コーディネートのポイントに。インナーのしなやかなドレープと光沢感が品の良さを強く印象づけます。ボトムスにパンツを合わせることで、仕事のできるシャープな印象を演出。定番カラーの次に揃えたい上級者向けコーディネート。

まとめ

レディーススーツは、素材もデザインも自由度が高い分だけマナー違反が起こりやすいもの。しかし、細かい部分までマナーに合わせようとすると、チェック項目が多く、ぴったり合わせるのは大変です。そこでビジネスシーンのマナーに合わせるためにも、レディーススーツを「オーダー」してみてはいかがでしょうか?どのようなシーンで着るかを考え、素材選びからデザインまで、しっかりと相談して納得できるものをオーダーすれば、自身が必要とする理想のビジネススーツが完成するはずです。サイズも体にぴったりフィットし、曲線が強調されるようなマナー違反の心配がないスーツがあれば、日々の仕事もきっと楽しくなるはずです。