STYLING GUIDE

スーツサイズの測り方と選び方!垢抜けた印象のサイズ感を手に入れるコツ

img

監修:石川佳宏(青山店エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.10.24 18:57:06

最近ではビジネスカジュアル、などという言葉もでてきて、仕事をする装いに変化が見られていますが、やはりビジネスマンの戦闘服とも言われるスーツ必須アイテム。商談やプレゼンなど正式な装いが求められる場で、いかに自分の体にフィットしたスーツを着用しているかは、仕事の質にも関係してきます。そこで、時代を捉える垢抜けた印象になるスーツのサイジング方法と選び方を解説します。

メンズスーツのサイズ表の見方

日本製の既製品を選ぶ場合、スーツのサイズ(ジャケット)を知るには、まず 「身長×ウエスト」をきちんと把握しておくことが大切です。日本国内の「JIS規格サイズ」に当てはめることで、自分の「サイズ表記」を知ることができ選びやすくなります。

さらに男性の体型は日本では大きく6つの型に分類されています。基本となるJIS規格のサイズは全国統一なので、自分がどの型に分類されるか把握しておくと、既製品が選びやすくなります。


例えば、「身長」が175㎝で「ウエスト」82㎝の場合は「A6」サイズになります。

Y体: 最も細身の体型
A体: 標準的な体型
AB体: ややゆとり体型
BB体: ゆとりのある体型
E体: 全体的に大きい体型
K体: キングサイズ


実際には、必ずしもJIS規格サイズの「サイズ表」に、当てはまらない場合があります。例えば、ウエストはY体だが、肩幅はA体など、体型にはそれぞれ個人差があるからです。その点、オーダースーツであれば、体型の個人差にも問題なく対応することができます。


海外サイズ表記の見方








































イタリア




44




46




48




50




52




54




56




58




イギリス




34




36




38




40




42




44




46




48




米国




34




36




38




40




42




44




46




48



海外のサイズ表記の場合、「胸囲」「ウエスト」でおおよそのサイズが決定付けられます。一方、日本の場合、「身長」「ウエスト」が基準となってスーツサイズが決定づけられるため、サイズ基準部分が異なるということに注意しておきましょう。また、国によりサイズ表記も異なるので知っておくことが大切です。


イギリス・アメリカの場合


着用者の胸囲のサイズを、センチではなく「インチ」で表記します。例えば着用時の胸囲が100cmだと1インチは約2.5cmのため40インチになり、そのままサイズの基準になります。


 


イタリア(ヨーロッパ)の場合


着用時の胸囲のサイズの半分を「センチ」で表記した数字が基準となります。例えば、胸囲が100cmの場合、半分にしたサイズの「50」が基準となります。

ジャケットサイズを選ぶときのポイント

男性は女性と比べると上半身に特徴があります。胸囲の大きさや二の腕が太さ、さらに肩のシルエットなど体にきちんとフィットしているか確認することが必要です。


 

「肩」

男性は体型により肩幅も大きく違うので、既製品を選ぶ時には注意が必要です。特に、なで肩やイカリ型、厚みがあるなどタイプが異なると、衿の浮き方やシワがでてしまうのでシルエットの見極めが重要になります。基本はナチュラルショルダーに見えるサイズを選びましょう。


「着丈」

着丈はシルエットとともにとてもトレンドに左右されやすい部分です。トレンドを反映したくなりますが、オーソドックスな、ヒップのトップが隠れる程度の着丈にしておけば、常に安定感のあるシルエットになります。


「胸回り」

アスリートなど胸囲がある人は、Vゾーンが開いてしまい逃げがちになってしまうことがあります。ビジネスマンとして勝負であるVゾーンはとても大切なので、シルエットが崩れないようなゆとりのあるサイズ感を選ぶように心がけましょう。逆に細い人はダブダブなサイズを選ぶととても貧弱に見えるので、スリムなシルエットのデザインを選ぶことが大切です。


 


「袖丈」


間違えやすいのが、袖丈と裄丈の違い。袖丈は肩の付け根から少し肘を曲げて手首までの長さを言い、裄丈は首の後ろ(バックネックポイント)から肩と少し曲げた肘を通り、くるぶしまでの長さを言います。袖は1cmの違いでも大きいので注意しましょう。

ワイシャツのサイズ表の見方

ワイシャツの品質表示タグは「衿回り/裄丈」の順に記されています。そのため、「衿回」と「裄丈」がわかれば、サイズを選ぶことができます。

またサイズ表記によっては、「S37」「M39」のような、衿回りのサイズのみしか記されていないことがあり、その場合、裄丈は一定の長さになっています。以下のような裄丈が一般的な対応サイズになります。
































衿回(cm)




36~37




38~39




40~41




42~43




44~45




46~47




48~49




50~51




サイズ




S




M




L




LL




3L




4L




5L




6L



レギュラーサイズで着用したい場合は、「胸囲の実寸より+14~20cm」、「胴囲の実寸+12~18cm」がおすすめです。さらにスリムなシルエットにするには、「胸囲・胴囲の実寸より+8~12cm」にします。数値が小さいほどよりすっきりとした印象になります。

ワイシャツのサイズを選ぶときのポイント

ワイシャツは、裄丈の種類が少ないため、ぴったりのものを購入するのが難しいことがあります。その場合は衿回りを基準として、裄丈が長めのものを購入しましょう。


 


「首回り」

喉仏の下あたりで測ります。実寸にプラス2〜3cm(指1本入るくらい)がベスト。首回りがきちんと合ったサイズのワイシャツを着用していないと、ビジネスでもルーズな印象に取られがちになるので気を付けましょう。


 


「裄丈」

首の後ろの付け根の中心(首を前に倒した時に骨が出る所)から、肩先、ひじ、手首のくるぶしと測ります。実寸の場合は+3cmにします。ジャケットから1cmワイシャツが出るのが正式とされているので、長すぎたり、短すぎる場合はきちんと直すことが大切です。

パンツサイズを選ぶときのポイント

小尻にかつ足長に見せるパンツを選ぶにはいくつかのポイントがあります。


・ヒップ部分にシワが入っていない
・ポケットが開きすぎていない
・ヒップ下にたるみができていない


 


この基準をチェックしながら、ウエストが合っているかどうかも確認します。「ヒップ→ウエスト」の順で合わせていくと、小尻かつ足長に見える垢抜けた印象のパンツのサイズ感が実現します。


 


「腰回り」


パンツは、ウエストとヒップのサイズが基準となります。正しいウエスト位置は腰骨とへその中間あたり、ベルトから約5cm上になります。既成品の場合、サイズはウエストで区分されますが、ウエストとヒップには個人差があるため、実際に試着をしてヒップに合わせてパンツを選ぶと良いでしょう。ウエストのサイズが適切でなければ、詰め出しをして直します。


 


「太もも回り」


 


意外と忘れてしまいがちなのが太もも回りのサイズ。足の付け根の一番太い部分ですが、アスリートなど運動をしている人は太ももが発達している人が多く、悩める部分でもあります。太ももも2箇所程度、さらにふくらはぎも測定しておくことが大切です。

レディーススーツのサイズ表の見方

レディーススーツのサイズ表(ヌードサイズ表)


レディースの場合、サイズはバスト・ウエスト・ヒップを基準とします。女性は男性と比べて曲線が多いので個人差も広がります。サイズが合わない場合はジャケットとパンツを別のサイズを選ぶようにしましょう。上半身が痩せている人は、ジャケットのサイズが7号でも、パンツは9号にします。



















































寸法




5号




7号




9号




11号




13号




15号




17号




19号




バスト(cm)




77




80




83




86




89




92




96




100




ウエスト(cm)




58




61




64




67




70




73




76




80




ヒップ(cm)




87




89




91




93




95




97




99




101



レディースの場合の体型の個人差


一方でバストは9号でも、ウエストサイズは7号という場合もあります。ジャケットとボトムが別売りではない既製服の場合では、バストサイズを基準としてサイズを選択します。

ジャケットサイズを選ぶときのポイント

採寸場所
レディースの場合、「バスト」・「ウエスト」・「ヒップ」の寸法がサイズの基準になりますので、計測する場所を間違えずに測りましょう。


 

ボディの採寸場所

商品の採寸場所


「肩幅」

女性のジャケットはセットインのタイプとドロップショルダーの少しトレンドが入ったデザインがあります。肩幅は首の後ろ(ネックポイント)を経由した肩の両端間をいいますが、男性の肩幅ほど差異が極端に大きくないので、従来のサイズ展開の許容範囲で収まることが多いと思われます。アスリートなどの人は少し注意が必要です。


「着丈」


男性と同様、女性もオーソドックスなタイプはヒップのトップ位置が隠れる程度の着丈が常に安心のシルエットになります。しかし、女性は少しだけトレンドを入れることが、現代社会の情報を取得できている意思表示にもなるので、その時代にマッチした若干の着丈の長さ調節も必要です。


 


「胸回り」


女性らしさを感じさせる胸回りですが、サイズ感やシルエットの選びを間違えるとイメージダウンにつながりますので、注意が必要です。胸が大きい人はタイトなシルエットではなく、ボックス系を、細い人はIラインなど少しフィットしたシルエットが美しく見えます。ジャケットを試着したときに、ボタンを締めにくければワンサイズあげた方が、無理なくキレイに着こなせます。


 


「袖丈」


袖丈は手首のくるぶしが隠れる丈がベストな長さになり定番とされています。男性のように、きちんと法則があるわけではないですが、ほんの少し袖口からシャツが見えるほうが、清潔感を感じることができます。逆に長く出てしまうと、繊細さに欠ける女性と判断されてしまうので注意しましょう。

ボトムスのサイズを選ぶときのポイント

女性の洋服選びで一番難しいとされているのがボトムスです。ヒップの形や、太ももの張りかた、ウエストなど体型は本当にさまざまです。コツをおさえて、キレイなシルエットのボトムを選びましょう。

「胴回り・腰回り」


パンツ・スカートのどちらを選ぶときも、最初の基準となるのがウエストになります・女性の下半身は特に差異が大きいので必ず試着をしましょう。デザインによっては、ヒップ小さくて後ろにシワが出てしまうことや、ウエストや下腹のサイズが合わないこともあります。その場合は面倒でもワンサイズ上を選び、きちんと補正をすることが必要です。


 


「太もも回り」


女性のなかには、若い時から歩き方などの癖で、太ももがヒップより大きい人もいます。このようなタイプの人は、パンツのシルエットもテーパードなどは難しく、ウエストにタックがある緩みのあるシルエットを選ぶことが大切です。タイトスカートでは、太ももに合わせるとウエストにゆるみが出たり、やヒップのバランスが悪くなるので、必ず補正をしましょう。


 


「丈」


最近ではNYのビジネスウーマンのように、スーツにスニーカーを合わせる女性が増えてきています。スカートでは着丈を変更する必要はありませんが、パンツでは、若干短くするほうがスニーカーとパンツの間に肌が見えて軽快に着こなすことができます。この少しの肌見せバランスが装いにはとても大切です。

まとめ

オーダースーツだけでなく、既製品でもサイズの測り方や選び方を知ることはスーツ購入でとても大切なことです。正確なサイズを知るからこそ、余裕を見せるためにミリ単位で調節をしたりすることができるのです。筋肉量の増減も考えつつ、より自分似合うサイズ感を追求してみてはいかがでしょう。