スーツサイズ難民に朗報!イージーオーダーならフィットした一着が入手できる
監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.16 15:14:43
目次
「スーツスタイルがいまいちキマらない」「スーツを着ると肩が凝って疲れる」と感じることはないですか?それは、サイズが合っていないことが原因かもしれません。どんなにいいスーツを着ても、体にフィットしていなければカッコよくは見えませんし、着心地の悪さから疲れがどんどん蓄積していきます。オーダースーツならジャストサイズのスーツが作れますが、値段の高さや手間が掛かることに不安を感じている方もいるでしょう。しかし、イージーオーダーならフルオーダーよりも手頃な値段で仕立てられますし、また制作時間も短縮できます。イージーオーダーとは何か、ほかのオーダーの種類や特徴などと交えながら解説していきます。
イージーオーダースーツは、こんな人におススメ!
既製品では体型にフィットするスーツがない人も、身体の特徴や悩みに合わせてサイズ調整できるのがイージーオーダーです。例えば、アスリートで胸囲や二の腕が太い、胸板が薄いのにイカリ肩、肩幅あるのにウエストは細いなどです。それゆえ、特に身長や体格などが規格外の人や、特殊体型の人などから支持を集めています。
オーダーの種類は3種類!それぞれの特徴や値段は?
一般的なオーダーメイドの種類は3つです。では、それぞれの特徴を説明していきましょう。
「パターンオーダー」
パターンオーダーは、ゲージというサンプル服を着用してサイズを調整します。ゲージは複数用意されていますので、その中から自分の体型に最も近いシルエットのものを選びます。新たに型紙を起こす必要がないことと、大量生産と同じように縫製工場のラインに乗せることができるため、2万~5万円代の低価格で仕立てることができるのがパターンオーダーのメリットです。
3つのオーダー方法の中では一番気軽で簡易的であり、サンプルを着用して仕立てるので仕上がりのイメージもしやすいでしょう。しかしながら、既存の型紙から作るので、袖丈やパンツの長さなど「縦」の修正はできますが、細かな体型補正はできません。そのため、標準体型に近い人や、初めてオーダーメイドでスーツを作る人に向いています。
「イージーオーダー」
イージーオーダーもパターンオーダー同様、あらかじめ用意されている型紙を使用しますが、ゲージは着用せずテーラーが採寸します。その寸法をもとに型紙を選び、補正を加えて新たに型紙を作ります。それを縫製工場で仕立てて完成です。もともとある型紙を使うとはいえ、新しく型紙を起こす作業があるので5万~20万円と少々高めです。価格に幅があるのは生地やボタン、裏地など、選ぶものの品質が大きく影響するためです。
パターンオーダーより価格が高くなるとはいえ、デザインやディテールの自由度が高く、既製服では解消できなかった悩みや希望にも対応できるのはイージーオーダーの大きな魅力です。
「フルオーダー」
フルオーダーは、3つのなかでも本格的かつ伝統的なオーダー方法です。本来は1人のテーラーがカウンセリング、採寸、型紙制作、縫製、仕立てとすべてを担当しますが、近年では分業になっているケースもあります。生地を裁断したあと、顧客の体型に合わせて仮縫いを行うのも特徴です。フルオーダーはほかの2つと比べると、手間や時間のかかり方がまったく違います。価格も20万~100万円以上と高価格です。分業制での作業なら少しは安くなりますが、全工程が1人の職人による手作業の場合、価格は跳ね上がります。
しかし手間と時間をかける分、着心地が良く、ひと目見れば上質さがわかるような仕上がりになります。着用するスーツにはとことんこだわりたい、とにかく高品質なスーツを作りたい人におすすめです。
イージーオーダーのメリットとデメリット
フルオーダーとパターンオーダーの中間的な位置付けにあるイージーオーダー。そのメリットとデメリットについて説明していきましょう。
「メリット」
フルオーダーほど手間と時間がかからず、パターンオーダーよりサイズの調整が効くのはイージーオーダーならではの魅力です。体型の悩みに対応して体にフィットするスーツを作ることができるため型崩れを起こしにくく、生地へのダメージも少ないので既成品よりも長く愛用できるでしょう。また、一度採寸をすませれば、体型が変わらない限り、2着目以降は同じパターンを使ってスーツを作ることができるので手間がかなり省けます。フルオーダーほど高額ではないことから、コストパフォーマンスに優れているともいえます。もちろん、生地やデザイン、ボタンや裏地まで選べますから、オーダーメイドの醍醐味をしっかり味わうことができます。
「デメリット」
メリットの多いイージーオーダーですが、デメリットといえば、既存のパターンから1番体型にあったものをセレクトして調整していくため、細かい補正には限界があること、また、完成するまでどのようなスーツになるのかを確認できないことです。万が一サイズが合わない場合を想定して、1回目は少し大きめに作るケースもあります。
イージーオーダーで満足のいくスーツを作るために
「普段着ているスーツを着用して来店しよう!」
イージーオーダーで納得のいくスーツを作るには、どのようなスーツを作りたいのかを具体的に伝えることが最も重要です。しかし、初めてスーツを作る場合、どう伝えていいのかわからない人もいるかもしれません。その場合、普段着ているスーツを着用して店に行くのもひとつの方法です。「ここをこうしたい」など、イメージをテーラーに伝え易くなりますし、お気に入りのスーツであれば好みをより明確に伝えることができます。また、身近な友人や家族に同行を頼んでサポートをしてもらうのもよいでしょう。
「自分が抱えている体型の悩みを素直に伝えよう!」
体型について人に話すのは気恥ずかしさもありますが、相手はプロのテーラーです。素直に悩みを話せば、その人を魅力的に見せてくれるスーツを提案してくれます。せっかくお金と手間をかけてオーダーするのですから、サイズ感やデザインは妥協せず、着心地の良さと美しいシルエットを追求しましょう。
オーダースーツ店を選ぶときに見るべきポイント
要望を丁寧に吸い上げ、確かな技術で仕立ててくれる経験豊富な店を選ぶことはもちろん重要ですが、その他にも、店を訪れたら必ず確認しておくべきポイントがありますので、しっかり押さえておきましょう。
「扱っている生地の種類」
お気に入りの1着をオーダーで作ろうとしているにも関わらず、選べる生地が少なければ元も子もありません。生地をチェックする時は、好みの色や柄だけでなく、素材や機能性についても確認しましょう。夏に着用するスーツであれば素材はリネンやコットンが挙げられますが、通気性に優れたサマーウールもおすすめです。冬用のスーツは保温性に優れたウールが主流ですが、質や織り方によって印象もさまざまです。外出や出張が多い人は、シワになりにくい素材やストレッチ性のあるものを選ぶとよいでしょう。そのほか、生地の柔らかさや光沢についても、実際に手に取って色々比べてみることも大切です。
生地はスーツの見た目と着心地を左右する大きな要素になります。店を訪れたら、まず生地はどのくらいあるのかを確認しましょう。
「アフターサービス」
完成したスーツを試着しただけでは、気付かないこともあります。数週間経って着心地に違和感を覚える箇所が出てくるかもしれません。せっかくのオーダースーツですから再調整してもらえなければ意味がありません。アフターフォローとしてお直し保証があるかどうかも重要なポイントです。さらに無償か有償かという点も確認しておきましょう。お直し保証の条件もあるでしょうから、それについてもしっかり把握しておけば安心です。購入後も、メールや電話などでテーラーに相談ができるサービスがあれば尚よいでしょう。
イージーオーダーでスーツを作る前に知っておくべきこと
「イメージしたスーツと違う‥‥」そんなガッカリなことにならないよう、事前に失敗の原因となるものを把握しておきましょう。
「どのようなスーツにしたいのかを決めずにオーダーしてしまった」
曖昧な伝え方をすれば、テーラーが超能力者でない限り、満足できるスーツには仕上がりません。遠慮せず、また面倒がらずにはっきりと自分の好みのイメージを伝えましょう。
「しっかりと見本を確認しなかった」
デザインと生地の相性が良くない、想像していたシルエットと異る、などの失敗の原因は、生地や型紙をきちんと確認しなかったパターンが多いです。生地は手に取ってその質感や風合いを確認し、型紙もしっかりチェックをしましょう。
「正確にサイズを測らなかった」
きちんと採寸できているかどうかで仕上がりに差が出ます。細かく採寸を行ってくれる評判の良い店で、体型への悩みや希望するシルエットなどを伝えながら採寸してもらいましょう。
「値段を確認しなかった」
イージーオーダーは、細部に渡りカスタマイズができますが、追加料金が発生するケースもあります。料金の確認をせずに依頼を進めてしまうと高額になってしまうこともあるので、あらかじめ予算を店側に伝えておきましょう。
「良い仕立てと悪い仕立ての見分け方」
いよいよスーツが完成したら、必ず試着をしてシルエットを鏡でチェックしましょう。
・体のラインに沿ったすっきりとしたシルエットか
・軽やかに動けるか
・袖丈はワイシャツの袖が覗く程度の長さか
・パンツの長さと革靴のバランスはよいか
違和感のある箇所があれば、遠慮せずに伝えましょう。
まとめ
イージーオーダーは、一見手間がかかり、既製品やパターンオーダーと比較すると価格も高く感じます。しかし、縫製や仕立て、着心地、見栄えの良さ、動きやすさ、持ちの良さなどを考えれば、決して無駄な投資にはなりません。
体型補正がどのくらい必要なのか、どのようなシチュエーションで着るスーツなのか、どこまでこだわりたいのかによってオーダー方法は変わってきます。それぞれの特徴を押さえたうえで自分に合った方法を選択してください。