結婚式の装いはどうしよう!オーダースーツなら失敗しない
監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.16 15:05:29
目次
結婚式での衣装は花嫁にスポットライトが当たりがちですが、主役は新郎新婦。隣り合う2人の見た目のバランスはとても重要なので、新郎にも衣装選びにはこだわってほしいところ。ゲストとして招待されたなら、マナーを押えた正しい装いをスマートに着こなし、主役の2人を引き立てましょう。
結婚式のような特別な日に着用するスーツは、オーダーメイドで仕立てるのがおすすめです。好みや希望を反映しながら、見映えも着心地も良い一着を作ることができます。今回は、結婚式での服装マナーと、オーダースーツのメリットや注意点などをご紹介していきましょう。
新郎必見!タキシードをオーダーするメリット
結婚式での新郎の装いはタキシードが定番ですが、着用する機会はそうそうないのでレンタルする人も多くいます。自分のイメージやサイズにぴったりのものが見つかれば幸運ですが、体型にジャストフィットしないことから「なんとなく、しっくりこない」なんてこともありがちです。より理想を求めるなら、オーダーメイドを選択してはいかがでしょう。具体的にオーダーメイドならではの魅力とメリットについて説明していきます。
「自分の体にフィットしたものが作れる」
スーツはサイズが命です。どんなに高級なものを着ていても、サイズが合っていなければ格好良くは見えません。新郎は、新婦とともに会場の視線を一身に浴びるのですから、シルエットの美しいタキシードを軽やかに着こなして、スマートな印象を与えたいもの。既製品では理想のスーツに出会えなかった人も、オーダーメイドであればプロのテイラーが細かく採寸してくれますので、体感したことのないフィット感を味わえるでしょう。
「そのときのトレンドを取り入れることができる」
レンタル衣装はサイズ問題だけではなく、「気に入ったデザインがない」「なんとなく古臭く見える」などの声も少なくありません。人生の晴れ舞台で、気に入っていない礼服を着るのは、なんとも悲しいものです。オーダーメイドであれば、トレンドを程よく取り入れつつ、センスの良いタキシードに仕上げることができます。気に入ったものを身に着けると気分が上がり、自信がつくことで表情も変わりますから、良い写真も撮れそうです。
「略礼装やビジネススーツに仕立て直すことも可能」
結婚式で着用したあとのタキシードを、略礼装やビジネス用のスーツに仕立て直してくれるテイラーもあります。一度着用しただけでタンスの肥やしにしてしまうのは勿体ないので、記念日のディナーや、仕事での勝負シーンなどで活用してはいかがでしょう。
タキシードをオーダーするときの注意点
オーダーを依頼する前に、押さえておくべきポイントがいくつかあります。「こんなはずではなかった」と、後になって後悔しないようチェックしておきましょう。
「信頼できるサロンやテイラーに依頼する」
オーダーメイドはサロンやテイラーによって、デザインのセンスや価格に差が生じます。オーダーメイドのメリットを存分に享受するには、仕立ててくれるお店選びがとても重要です。
まずは一軒のみで決めてしまわず、複数のサロンやテイラーでカウンセリングを受けてみましょう。「礼服に関する知識は豊富か」、「礼服の縫製に慣れているか」、「親身に対応してくれているか」などをしっかり確認してください。さらに可能であれば仕立てたタキシードのサンプルを見せてもらいましょう。オーダーは価格と出来栄えに納得してから進めてください。
「結婚式のトータルコストも考えて予算を決める」
タキシードを着用するにはスーツの上下だけではなく、ベストやシャツ、カフス、靴なども必要になります。結婚式にかかるトータルコストを考えて、オーダーメイドにかけられる予算を割り出し、テイラーに相談すれば金額面での失敗を回避できます。
ゲストはどんなスーツを着用すべき?
ゲストの装いは新郎新婦との関係性や立場によって変わります。フォーマルスーツには三つの格式があり、最も格式が高い順から正礼装、準礼装、略礼装となります。正礼装と準礼装は、昼と夜とでは着用する装いが変わることも常識としておさえておきましょう。
結婚式では主催者側(ホスト)は正礼装、招待客(ゲスト)の主賓は準礼装、一般招待客(ゲスト)は略礼装を着用するのが正しいマナーです。
「正礼装」
モーニングコート
昼間に着用する正礼装がモーニングコートです。前裾を大きくカットした独特の形状は、乗馬服に由来しています。ベストは上着と共地の黒(白衿付き)かグレー、パンツは黒とグレーのコールズボン、ネクタイはシルクのコールタイやアスコットタイを合わせます。結婚式では、新郎新婦の父親や媒酌人が着用するのが一般的です。
イブニングコート(燕尾服)
夜間に着用する正礼装がイブニングコートです。後ろ裾がツバメの尾に似ていることから燕尾服(テイルコート)とも呼ばれています。白い蝶ネクタイと白ピケベストを組み合わせて着用します。そのことから「ホワイトタイ」とも呼ばれ、招待状に「ホワイトタイ」と指定があればこちらを着用します。宮中晩餐会など国の公式行事で着用されることはありますが、一般的には目にする機会はほとんどありません。
タキシード
タキシードは本来、夜間の男性用の準礼装ですが、正礼装として着用することが多くなりました。ウエストコート(ベスト)もしくは、カマーバンド(腹部に巻く飾り帯)のどちらかを合わせて着用するのが正式な装いです。黒の蝶ネクタイをつけることから「ブラックタイ」とも呼ばれ、招待状に「ブラックタイ」と指定があればタキシードを着るのがマナーです。結婚式では昼夜を問わず、新郎が着用する定番の礼服となっています。
「準礼装」
ディレクターズスーツ
昼間に着用する準礼装がディレクターズスーツです。モーニングコートのジャケットを一般的な裾の長さにしたデザインで、グレーのウエストコート、シルバーグレーのタイを合わせます。結婚式では主賓や上司が着用します。
タキシード
正礼装の項目で述べた通り、タキシードは夜間の正礼装としても着用されますが、もともとは夜の準礼装になります。
「略礼装」
ブラックスーツ
ブラックスーツと呼ばれるフォーマルスーツが略礼装になります。黒いビジネススーツとは黒色の深さや質感が違いますので、まったくの別物と考えてください。昼と夜の装いが変わる正礼装、準礼装に対し、略礼装には昼夜の違いはありません。結婚式のような慶事ではネクタイは白やシルバーにします。弔事の場合は黒を合わせ喪服として着用します。結婚式では、新郎新婦の友人や会社の同僚などが着用します。
ゲストが着用するスーツのマナー(一般招待客の場合)
ゲスト(一般招待客)として招待された場合、フォーマルな結婚式なら略礼装のブラックスーツを着用しますが、レストランウェディングのようなカジュアルな結婚式であればダークスーツを選んでもよいでしょう。
「色」
結婚式でのゲストの装いは、基本はブラックスーツです。ダークスーツを着用する場合は濃紺やチャコールグレーなどのダークカラーであれば問題ありません。白やシルバーなどの明るい色のスーツを着用しては目立ってしまいマナー違反になります。お祝いの席だからと、派手な柄が入ったスーツも厳禁です。
「スーツのタイプ」
ダークスーツを選ぶ場合、ビジネススタイルと変わらない雰囲気になるのは避けたいところ。ベストをプラスしたスリーピースならフォーマル感を演出することができます。ブラックスーツにおいても慶事ではベストの着用が正式な装いになります。
小物のマナーも押さえておこう!(一般招待客)
結婚式では、スーツ以外の小物にもマナーがあります。NGとされるものを取り入れて、失礼な装いにならないよう注意が必要です。
「靴」
フォーマルスーツに合わせる靴は、カーフで光沢感のある黒い紐付き内羽根のストレートチップが基本です。靴下も足を組んだ際などに意外と見られているものですから、必ず礼服用の黒無地を選びましょう。カジュアルな結婚式であれば、茶系の靴を履いても問題はないでしょう。殺生を連想させる型押しはフォーマルなシーンにはふさわしくないので、靴に限らず革小物から外してください。
「ネクタイ」
ネクタイは白やシルバー、淡いシャンパンゴールドがおすすめです。白いネクタイとブラックスーツの組み合わせは少々古臭い印象になる恐れがあるので、なるべく光沢のあるタイプを選ぶと良いでしょう。最近では、パステルカラーも許容範囲に入りつつあります。暗い色目のものは、お祝いの華やかな雰囲気にはそぐわず、特にブラックスーツやダークスーツに黒のネクタイを合わせると、日本では弔事を連想しますので厳禁です。
「シャツ」
シャツはレギュラーカラーかワイドカラーの白無地が基本です。白以外であれば、淡いブルーやピンクの優しい色なら問題ありませんが、ダークカラーや柄物は避けてください。カジュアルな印象になるボタンダウンシャツも結婚式にはふさわしくありません。また、夏場であっても半袖シャツはマナー違反になります。ジャケットの袖口からシャツが1〜2㎝見えるのがスーツの正しい着こなし方です。
まとめ
結婚式は新郎新婦にとって人生最大のイベントのひとつです。特別な日だからこそ、衣装は理想を追求して選んでほしいもの。そうすれば、何十年先も見返したくなるような写真や動画を残すことができるでしょう。招待されたゲストも、祝福ムードを壊さない正しいマナーの装いで盛り上げてください。慶事用のスーツは通常のスーツに比べると数が著しく少ないため、自分の体型とイメージに合ったスーツを探すのはなかなか難しいもの。あれこれ悩まずにオーダーメイドで満足の高い一着を手に入れてみてはいかがでしょう。