自分オリジナルができる!こだわりオーダースーツのポイントとおすすめオーダーメイドアイテム
監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.16 14:57:32
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昨今、オーダースーツに注目が集まりつつありますが、チャレンジしたくても敷居が高くて二の足を踏んでいる人も少なくないはず。でも、オーダーのポイントさえ覚えてしまえばスーツを仕立てるのもさほど難しくはありません。今回はオーダースーツの「覚えるべきポイント」とスーツ以外での「オーダーアイテム」について詳しく説明します。機能性やファッション性などたくさんのメリットがありますので把握しておきましょう。
オーダースーツの特徴
オーダースーツの最大の特徴といえば、まず自分の体型に合ったスーツを作れることです。既製服にある日本人の標準体型に沿ったサイズは、あくまでも目安でしかないので誰もがぴったりフィットするということはありえないのです。特に顕著なのがスポーツ選手に代表される特殊体型の人でしょう。それぞれの体型に沿うようにオーダーできるのです。また、ファッションとしての自分なりのこだわりを楽しめるのも特徴です。季節やシーンなど目的に応じたデザイン、生地、ボタンなどを選ぶことによって、自分らしさを表現することが可能になります。
オーダースーツ作りでこだわるべきポイント
スーツをオーダーするときに大切なのは自分にフィットするサイズ感ですが、他にもこだわるべきポイントがあります。より自分らしい個性を表現する一着になるよう、ポイントを心得ておきましょう。
「生地」
春夏の生地
秋冬の生地
*季節によって着用する
スーツ生地を選ぶときに判断材料として大切なのが、着用するシーン、季節などの目的です。というのも、どんなときに着用するかによって、選ぶ生地は全く異なるからです。もちろん予算によっても異なりますので、予算はあらかじめ決めておきましょう。また意識しなければいけないのが、生地の産地。特徴が異なるうえ、値段も大きく変わります。産地ごとの特徴を理解すると、自分にあった生地を選ぶことができるので知識として覚えておきましょう。毛織物産地としてよく比較されるのがイタリア・イギリス・日本の3か国です。
例えば、就活や社会人1・2年目として選ぶなら、手にしやすい中国産のものや、混紡などで多少強度のある生地が良いでしょう。若いと動きが大きくなる分、ストレッチが効いている方がベターです。一方、堅めな業種を代表とする金融や商社勤務などは、誠実なものづくりに代表される国産の生地が控えめで好印象に映ります。また、生地は価格の違いでその表情が大きく異なることもあるので、エグゼクティブの方はラグジュアリーなイタリア生地や個性的なイギリス生地を選ぶことをお勧めします。
「デザイン」
ゆとりのあるシルエットはバブル時代に大流行しましたが、2000年に入ってからはほぼタイトなシルエットが主流です。日本のビジネスシーンで定番なのはカッチリシルエットのイギリス型で、モード系やエレガントな雰囲気が好きな人はイタリア型のスーツを着ている傾向にあります。定番の型を押さえつつトレンドを適度に取り入れると、オシャレに見えます。一方、トレンドが去ってしまうと型遅れになってしまい、着用しにくくなるのがデメリットです。
就活や社会人経験の浅い人、または金融や弁護士などいわゆる堅い系職業の人は、カチッとした印象のあるイギリス型がおすすめです。また、体型が細い人も貧弱さをカバーしてくれるのでこちらがいいでしょう。一方、時代のトレンドを意識する仕事のようなマーケティングや、広告代理店などの人は、イタリア型などが個性を発揮できるのでおすすめです。イタリア型は肩パットが薄いものが多く、体型にしなやかにフィットしてくれるので、体育会系など肩や胸板が厚い人に最適です。
「ディテール」
定番の形が決まっているスーツにもトレンドがあります。スーツのトレンドは、シルエットや色、柄などのほかに、ディテールに現れます。肩のシルエットやポケットの位置、袖口の本切羽、ベンツやボタンなど多岐にわたります。なかでも意外とスーツを印象付けるのがボタン。生地の色と同系色か反対色を選ぶとセンスよく決まりますが、オシャレ上級者なら、ボタンの素材にもこだわりたいところです。水牛ボタンやナットボタンは高級素材として知られており、水牛はウール100%のスーツと合わせると高級感が出ておすすめです。シャツの小さいボタンによく使われる貝ボタンも、パールのような光沢感がありエレガントです。ポリエステルやユリアなどのプラスチック製は、高い技術力で水牛やナットの質感を再現しています。どのボタンがいいか迷ったら、テーラーと相談しながらスーツと相性の良いボタンを選びましょう。
オーダースーツは2着買った方がお得!?
最近仕事の環境が大きく変化していているなかでもスーツを頻繁に着用するなら、最低でも3着は揃えておきたいもの。そのため安い既成品を購入する人もいますが、実はオーダースーツを2着購入する方がメリットがあるのです。2着同時購入で割引サービスのあるテーラーもありますし、別々の時期に購入したとしても、1回採寸をすませておけば、2着目からは採寸なしで簡単にオーダーが可能。パターンオーダーやイージーオーダーなら、既成品の購入価格とさほど変わらない金額で作れます。既成品よりサイズ感がピッタリしているオーダースーツは長持ちするメリットがあり、長い目で見れば、オーダースーツを2着購入したほうがコストパフォーマンスも良いといえるでしょう。
時代の移り変わりとともに仕事環境も変わりつつある今、スーツ着用のシーンにも変化を感じている人も少なくないはずです。例えば、自宅でのクライアントとのリモートミーティング。従来使用している、商談時の「高品質勝負スーツ」や、社内での「動きやすさ重視スーツ」では気合が入りすぎて映ってしまいます。かといって、さすがにシャツ一枚では失礼になりかねません。そんなときに便利なのが少しカジュアルダウンした印象のあるスーツです。最近、リモートミーティングは「会議の内容だけでなく、その人の会社以外での気の配り方も見える」とも言われています。気負わずに、かつ失礼のない服装は好印象になるはずなので、3着めのカジュアルスーツも準備した方が良さそうです。
オーダースーツはプレゼントにも最適!
父親やパートナーなど、実は大切な人にとても喜んでもらえるのが、オーダースーツのプレゼントです。既製品ではなく、その人のためだけに作るオーダースーツは、まさに特別。少し変わった贈り物をしたい人、サプライズプレゼントで相手を驚かせたい人には、うってつけのプレゼントといえるでしょう。腕の良いテーラーによる上質なオーダースーツは、価格以上の高級感が出るうえに、オリジナリティも出しやすいので、贈る相手がオシャレ好きならきっと喜んでくれるはず。オーダースーツの仕立券ならかさばらず、スマートにプレゼントできます。大切な人と一緒に来店してスーツを作る過程を楽しみましょう。
スーツ以外のおすすめオーダーメイドアイテム
オーダーメイドできるのはスーツだけではありません。ジャケットやパンツの単品、コート、シューズ、レディースであればスカートなど体型や好みに合わせたアイテムを注文することが可能です。
「ジャケット」
最近では仕事環境の変化により、スーツではなくジャケパンスタイルが多くなりつつあります。その傾向によりジャケットのみのオーダーが増えています。でもスーツでなければどのようなジャケットをオーダーメイドしたいのかイメージが固まっていない人も多いはず。その場合は、ジャケットの着用シーンを想像してみるのがおすすめです。どんなパンツとコーディネートしたいかなど、しっかりとテーラーと話し合い、生地やディテールの素材などは納得のいくまで選び抜くなど、型紙を作る前の過程を大切にしましょう。
「パンツ」
オーダーメイドでパンツを作るなら、スーツ素材とは異なる生地の一本を作るのがおすすめです。カジュアルなコットン素材などがあれば、ジャケパンの仕事スタイルにもプライベートにも活用することができます。もちろんシルエットを美しく見せるには、パンツの丈やポケットの形状、タックの種類選びが重要です。ポケットは斜めポケットか縦ポケット、裾はシングル、タックはノータックかワンタックにするとスッキリとしたシルエットになります。オーダーメイドで採寸するときは、パンツの丈を合わせやすいように、普段履いている靴を履いていくようにしましょう。
「ベスト」
オーダーメイドでスーツを作るならスリーピースで作ることをおすすめします。というのも、オーダーメイドのベストはジャストサイズで作るので動作がしやすく、着回しが効くのでコーディネートの幅が広がるからです。既存のスーツに合わせてベストのみでオーダーしてもいいでしょう。
スリーピースのベストは程よいフィット感が重要です。実際の胸囲から6cm程大きめに作っておくとちょうどよいサイズになり、着丈は短めにするとスタイリッシュに決まります。
「コート」
コートは着用シーズンが限られるうえに、基本的に高額な商品が多いもの。だからこそ体型にピッタリあったオーダーメイドがおすすめです。何年も着ることを考えると、流行に左右されにくいデザインがベター。定番デザインは、後ろ襟が高いステンカラーコート、フォーマル感の強いチェスターコート、イギリス陸軍のミリタリーコートが基とされているトレンチコートの3種類です。着心地が良くサイズ感の合ったコートを作るなら、普段着ているスーツを着用したうえで採寸してもらいましょう。また、オーバーサイズのコートはたとえ流行っていても、ビジネス用には向きません。定番から外れたデザインはカジュアルで楽しむようにしましょう。
「ネクタイ」
ネクタイのオーダーメイド?と思われるかもしれませんが、自分の好みの定番ネクタイを揃えるにはオーダーが一番です。スーツスタイルのセンスは、ネクタイとの組み合わせで評価されるので、色柄はもちろん、長さ、剣先のサイズまで体型に合ったサイズでオーダーすることにより、さらに格上のコーディネートができるのです。テーラーならプロのアドバイスを聞きながらコーディネートできるのでおすすめです。ビジネスやフォーマルで使用できる基本のネクタイをひと通り揃えてから、好みのデザインもオーダーメイドすると良いでしょう。オーダーメイドなら個性を出しやすく、周囲の人とは違ったオシャレを楽しめるでしょう。
「ベルト」
オーダーメイドでベルトを作るなら、まずはピンバックルの黒いプレーンベルトがおすすめです。あまりシーンを問わず、ビジネスやフォーマルの両方で使い回しができて便利です。男性はベルトや時計など小物でビジネスレベルを問われることもあるので、きちんと本革ベルトをオーダーするようにしましょう。ベルト幅は3.5cmが基本です。極端に細かったり太かったりするベルトはカジュアルなどプライベートでの着用がおすすめです。
まとめ
難しいと思われるオーダースーツも、採寸、生地、ディテール選びなどポイントを覚えてしまえば難しくありません。一度採寸してしまえば次からはECでもオリジナルができるほどです。スーツ以外にもコートやベスト、パンツなどこだわれるアイテムは多数。ひとつずつ自分オリジナルのスーツがワードローブに増えて行くのは楽しいものです。標準体型の人も、特殊体型の人も自分にフィットしたこだわりアイテムを一度手掛けてみてはいかがでしょう。