STYLING GUIDE

初めてのオーダースーツ購入で知っておくべき、選び方と魅力を徹底解説!

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監修:石川佳宏(青山店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.04 13:46:29


「既製品のスーツはどこか着心地が悪い」、「スーツデザインがマンネリ…」と感じている人は意外と多いものです。特に学生時代にスポーツをしていた人では「体型とサイズが合わないので困っている」という声を耳にします。そこでおすすめしたいのがサイズやこだわりなどアレンジができるオーダースーツです。今回は初めてオーダーする人に向けて、その魅力や選び方について徹底解説します。

オーダー方法の種類

スーツをオーダーする方法には、簡単にできるものから、サイズやディテールまで細かくこだわれるものまでタイプがあり、ブランドによって価格も異なりますので、事前に把握しておくことが大切です。

「パターンオーダー」


既成の型紙を基にスーツを作るのが「パターンオーダー」です。着用する人の体に合ったデザインの型紙を選び、各パーツのサイズの増減をしながら調整を行います。選べるデザインは限られていますが、リーズナブルな価格帯で仕立てができるため初めてのオーダーにはおすすめです。


「イージーオーダー」


パターンオーダーより、自分のニーズに合ったスーツを作りたい人は「イージーオーダー」を選ぶと良いでしょう。既成の型紙を基に作りますが、選べるデザインや生地の幅が広く、自分らしい個性やこだわりを表現することができます。


 


「フルオーダ」


製作の自由度が高いオーダーとして挙げられるのが「フルオーダー」です。デザインを決定してから細部まで採寸し、一からオリジナルの型紙を作ります。デザインを細かくカスタマイズができるので、最高の一着を手に入れたいという人におすすめです。(現在DIFFERENCEにはフルオーダーの取り扱いはありません。)

オーダースーツにしかない魅力とは

オーダースーツの魅力といえば、


 


・好みの生地やデザインを選べる
・体型に合った理想の一着を作れる
・既成のスーツと価格それほど変わらずコスパがいいものもある
・ビジネスでの印象が良くなる
・既成のスーツよりもフィット感がある


 


などがあります。既製品のスーツの中から、自分に合ったサイズやデザインの製品を毎回探し出すことは難しいものですが、オーダースーツは一着作るとデータが残るので、その後はずっと効率よく希望するスーツを手に入れることができるのです。また、自分の好みに合わせて生地やデザインを選べるため、着用頻度も多くなりやすいですが、体のサイズに合ったスーツなので生地のヨレやシワが少なく、傷みの軽減にも繋がります。

オーダースーツを作るときのポイント

オーダースーツをスマートに作るコツは、「スーツを作る目的を定める」「予算を決めておく」「フィットしたサイズにする」「生地にこだわる」「試着は必ずする」などがあります。どれも重要なポイントなので細かく見ていきましょう。


 


「目的を明確にしておく」


 


漠然としたイメージのままスーツを作ろうとすると、好きなものだけで選んでしまい、本来スーツを必要とすべきシーンやTPOに合わせた着こなしができないことがあります。就活、外回りの営業、商談、社内での内勤など、使用目的を決めておくと、より適切なスーツ作りが可能になりますので、目的は明確にしておきましょう。


 


「予算を決めておく」


スーツをオーダーする場合、ある程度の予算を決めてから依頼をすることが大切です。生地やディテールなどこだわりが持てるため色々なパーツをカスタマイズできますが、予算を決めておかないと最後に高額になってしまい、最初からやり直しになってしまいます。カスタマイズをする生地やパーツによっては別途料金が生じる場合もあるため注意しましょう。あらかじめ設定していた予算を、テーラー側に伝えておくと安心です。


初オーダーなどパターンオーダーでは3万円程度でも作ることができます。選べる生地やカスタマイズできる範囲は限られますが、オーダースーツの着心地を実感できます。


こだわりのあるスーツにしたい場合は、5~7万円程度の予算をみておくと良いでしょう。各パーツのデザインや生地にこだわりながら、着心地の良いスーツを作成できるためおすすめです。


高級感のあるオーダースーツにしたいという人は、10万円以上に予算を設定しましょう。見栄えも着心地も最高のスーツを仕立てることができます。


 


「自分にフィットしたサイズにする」


オーダーで注意しなければいけないのがサイズです。ピッタリしすぎたものを作ると、少し太った時などにお直しが難しいので、少し大きめに作ってしまうことがありますが、本来オーダースーツというのは、本人のサイズに合わせて作るもの。お直しの心配はテーラーのスタッフに相談しつつ、フィットしたサイズで作るようにしましょう。


 


「生地にこだわる」


オーダースーツで特にこだわりたいのがなんといっても生地。予算に応じて、国産や海外ブランドの生地で色や柄を選ぶことができるので、好きなイメージのスーツにより近づけることができます。なかでもビジネスマンの印象を大きく左右する柄には気をつけましょう。基本形となる無地以外にはグレンチェックやピンストライプ、ヘリンボーンの織り柄などが好印象を導き出してくれます。


 


「試着は必ずする」


オーダースーツを作る順序は、デザイン決め、採寸、縫製になりますが、面倒でも必ず試着をするようにしましょう。このときただ試着をして直立するだけでなく、椅子へ座ってみたり、つり革を掴まる動作をしてみるなど、機能面のチェックをするのがポイントです。

オーダーメイドならこんなところにもこだわれる!

オーダースーツのこだわりポイントはいくつかありますが、注目度が高いのがジャケットのディテールです。ジャケットの印象を左右するパーツとして「ウエストライン」、「肩のライン」、「ボタンの数」、「下襟の形」、「ポケット」などが挙げられます。ウエストラインや肩のラインは、スーツの印象を大きく左右するパーツです。スリムな印象のスーツが欲しい場合は、ウエストのラインを絞ったり肩幅を狭めに取ったりするのも良いでしょう。ただし、サイズを小さく取り過ぎると窮屈に感じやすいため注意が必要です。


 


「肩のライン」


スーツの印象で大きく異なるのがウエストラインのシルエットと肩のラインです。というのも、肩のラインは顔に近いので、それだけで、「かため」や「ソフト」な印象を作ってしまうからです。


 


「ラウンドショルダー」は、肩パットがない軽やかなイタリアンスタイル。
「スクエアーショルダー」はパッドを用いて肩の張りが正統派英国スタイル。
「カジュアルコンフォート」は薄地の上質な生地を使用した軽く羽織れるスタイル。


 


基本となるこの3つのスタイルは覚えておきましょう。


 


「ボタン」


こだわる、というと、シルエットや生地に意識がいくものですが、実はボタンもスーツの表情を作る大事なもの。生地と同系色にするか異なる色を合わせるかで印象が変わりますが、水牛素材などで高級感を持たたり、ウッド系でカジュアルする、天然貝系でクールにするなど表情を作ることができます。


 


「下襟」


ビジネスの基本として変化が少ないスーツですが、流行として左右されるのがシルエットと下襟(ラペル)の幅です。太めであればモード、細めであればクールな印象になりますので、そのときのトレンドなどを加味して個性としてのこだわりを表現するのもいいでしょう。また、上襟との切替えになるコージラインの位置もトレンドや年齢によって異なりますので意識することが必要です。


 


「ポケット」


スーツのポケットといえば、代表的なのが玉縁で作られるフラップポケット。フラップ(フタ)となる部分をポケットの内部に入れることでポケットが目立たずシンプルかつ正式なスタイルになります。さらに高級感を出すなら、小銭を入れたことから由来されている2段の「チェンジポケット」を付けるのもいいでしょう。


 


「パンツタック」


パンツタックとは、ウエスト回りにある折り目のことです。「ノータック」、「ワンタック」、「ツータック」のパンツがあり、タックの数が多いほどゆとりがあるシルエットになります。体型が気になる人も、このタックを上手く取り入れることにより、下半身を細く見せることが可能になります。


 


「パンツカフス」


パンツカフスとは、裾口の折り返しを指し「シングル」と「ダブル」の2つの種類があります。シングルはよりフォーマルに、ダブルは少しカジュアルになります。

まとめ


自分に最適なサイズで、生地やディテールなど細かくカスタマイズができる憧れのオーダースーツ。さまざまなメリットがあるオーダースーツですが、事前に知識がないと、イメージと仕上がりが違うなどの失敗も起こり得ます。最初にメリットとデメリットをきちんと把握して自分にフィットするこだわりの一枚を注文してみましょう。グンと大人になった気分が味わえるはずです。