スーツに欠かせないシャツは、つい安易に購入してしまいがち。サイズを確認したにもかかわらず、なんとなく着心地が悪い……。誰でも１度や２度そう感じたことがあるものです。海外ブランドはもとより、日本人のサイズを基に展開している国産でさえ、フィットしないものが多いのが現実です。そんな悩みを解決してくれるのが、手頃な価格で簡単に作れるパターンオーダーのシャツ。今回は「もっと早くチャレンジすればよかった」と思える着心地優先のパターンオーダーのシャツの魅力をご紹介しましょう。

パターンオーダーシャツの特徴

パターンオーダーシャツにはベースとなる既製品シャツが何パターンか存在します。
その既製品シャツのデザインを選び、採寸、こだわりポイントなどを調整することで、着心地の良いシャツが完成するのです。パターンオーダーシャツには、「各パーツのサイズを実際のサイズに近づけられる」、「価格がリーズナブル」、「仕上がりまでの時間が早い」というメリットがありますので、見ていきましょう。

「各パーツのサイズを実際のサイズに近づけられる」

シャツ選びをするうえで、もっとも重要なポイントがサイズ感です。パターンオーダーを選ぶと、首回り、肩幅、袖の長さなど、着る人の体型に合わせサイズ変更することができます。
各パーツのサイズを実際のサイズに近づけられるので、着心地も良く見た目もスッキリし、動きやすくなるのです。

「価格がリーズナブル」

パターンオーダーは、イージーオーダーやフルオーダーと比べると価格がリーズナブルなのが特徴です。生地やデザインの選択肢が限られていますが、シャツは消耗品なので、一枚を長く着用するより、コスパのいいものを綺麗な状態で回転させる方が賢い選択といえるでしょう。オーダーシャツの相場は、フルオーダーなら1万円以上、イージーオーダーでも6000円～8000円です。それに対して、パターンオーダーなら、5000円前後で体にフィットするシャツを作れます。

「仕上がりまでの時間が早い」

オーダーシャツは、快適な着心地という噂から、誰もが一度は注文してみたいと思うものです。しかし、納期日数や費用が掛かりすぎることを考えると、なかなかオーダーに踏み切れないもの。

その点パターンオーダーは納期も早く、気軽に注文ができます。これまでオーダーに興味はあるけれど、試すのは勇気がいると感じている人にもぴったりの方法です。首が太い、腕が長いなど、既製品では体にフィットするシャツが見つからないという人にも向いています。

パターンオーダーシャツと既製品との違い

既製品とパターンオーダーシャツのもっとも大きな違いは、誰の体型にサイズを合わせているかという点です。既製品のシャツは、日本人の平均体型に合わせて作られています。日本人の平均体型というと、ほとんどの日本人に合いそうに感じられますが、実は、ぴったり合うような人はそう多くはありません。なぜなら、パーツごとに平均サイズを割り出し、組み合わせたのが平均体型だからです。例えば、首回りは同じサイズでも腕の長い人と短い人がいたり、肩幅の広い人と狭い人がいたりします。全身のサイズが同じ縮尺で変化するわけではないので、既製服だと首回りはぴったりでも、腕の長さは少し長いというようなことになるのが普通です。さらにはアスリートのような人は、二の腕が太い、胸囲が大きいなどそれぞれサイズが異なり、平均体型のサイズに合わないのは当然なのです。
それに対して、パターンオーダーシャツは、既製服ではサイズが合わないパーツを、実際の体のサイズに合わせて補正していきます。サイズの合わない既製品のシャツだと、身に着けたときにシワやたるみができ、だらしなく見えてしまいますが、体型にフィットするパターンオーダーシャツはほとんどできません。これこそが既製品のシャツよりも見栄えが良く、着心地もよいパターンオーダーシャツの魅力なのです。

作るなら実店舗とオンラインどちらがおすすめ？

時代の変化とともに購入の仕方も変化してきています。これまでの実店舗と、新しいオンライン購入のそれぞれのメリットとデメリットを把握しておきましょう。

「実店舗のメリット・デメリット」

メリット
● テーラーでプロに採寸してもらえる
● 生地やゲージ、ボタンなど素材を実際確認できる
● スタッフにイメージを伝えやすい

デメリット
● 店舗に足を運ぶ
● 時間を取られる

何事もそうですが、物事の最初というのは知識が浅いので緊張するもの。オーダーシャツも同様です。初めてパターンオーダーシャツを作るのであれば、わからないことを丁寧に教えてくれるテーラーの実店舗で注文するのをおすすめします。プロの手で正確に採寸してもらい、スタイルや生地についても相談に乗ってくれるのは心強いものです。体にフィットするシャツを1枚作っておけば、それを基準にオンライン注文することも簡単になります。また、生地やボタン、裏地などの材料を実際に見られるのも実店舗のメリットです。一方、店舗に足を運ぶのは時間を取られることになるのでデメリットと言えます。忙しいビジネスマンの場合、なかなか予定を組むことができなければ、注文の機会を失ってしまうことにもなります。

「オンラインのメリット・デメリット」

メリット
● 店舗に足を運ぶ必要がない
● いつでも注文が可能
● 価格が抑えられる

デメリット
● 自分で採寸しなければいけない
● 生地やボタンの現物を確認できない
● 細かな要望が伝えにくい

オンライン注文をする際のメリットは、なんといっても店舗に足を運ばなくていいことと、いつでも注文できることです。全国どこにいても、いつでも注文できるのは、時間と闘うビジネスマンにとって助かるものです。
サイズがぴったり合うシャツが手元にあれば、それを店に送ってサイズ調整をしてもらう形でも作れます。
オンライン注文は、最初から最後までメールや電話だけのやり取りで済むので、時間的な余裕がない人でも注文しやすい点が便利です。さらに嬉しいのが、価格が抑えられること。店舗を構えていると、どうしても人件費や店舗の家賃など経費が掛かりますが、ネットの店なら人件費や家賃は最低限にできるので、スーツの低価格設定が可能になるのです。オーダースーツを安く気軽に買いたい人には、ネットでの購入が最適といえるでしょう。

一方、オンラインのデメリットといえば、首回りや裄丈など、自分自身で採寸する必要があること。( サイズに合わせて補正するので、正確な採寸が欠かせません。( 自分で採寸すると、メジャーを当てる場所が微妙に違ってしまうケースがあり、採寸に若干狂いが生じる恐れがあります。サイズ感のピッタリ合ったスーツを作るには採寸が重要ですので、自分で採寸する方法は大きなリスクのひとつです。また、生地やボタンなどの実物を見られない点も、デメリットといえます。ネットで画像が確認できるとはいえ、ディスプレイのスペックや設定で生地の色合いや素材感の見え方が大きく変わります。できあがったスーツを見て、イメージと違うと感じるケースもあるようです。(DIFFERENCEではファブリックブックとして小さな生地見本を送付することも可能です。)
さらに、細かな要望をスタッフに伝えづらい点もあります。メールでのやりとりでは微妙なその場のニュアンスなどで伝えることができず汲み取ってもらうことができないからです。イメージをしっかり持ったうえでオーダーすることが大切になります。

お店選びのコツ

 

パターンオーダーを依頼するお店選びでは、お直し保証が重要なチェックポイントのひとつです。
パターンオーダーでせっかく体型に合うシャツを作るのですから、合わないときには調整してもらえなければ困ります。
お直し保証はあるかどうかだけでなく、無償か有償かという点も事前に確認するようにしましょう。お直し保証の条件についてもはっきりわかっていれば安心です。
シャツをオーダーするときは、デザインも価格も納得したうえで注文することが大事です。不安な点や不満があるときは、注文する前にお店に問い合わせて、きちんと解決してから注文する必要があります。

まとめ

ビジネスの場では体型に正確にフィットする服であることが、絶対条件です。それはどんなスーツを着て、どんなフィットしているシャツを着用しているかが、個々のアイデンティティの証明になってしまうからです。もしスーツだけに気を遣い、シャツに手を抜いていたとしたら、ジャケットを脱いだ瞬間にその中途半端さを露呈することになります。自分のアイデンティティを確立するためにも、きちんと自分のサイズにフィットしたシャツをパターンオーダーで作ることをおすすめします。