ブラック(黒)スーツの正しい選び方と着こなし方【ビジネス向け】
ブラックスーツといえば、冠婚葬祭に着るフォーマルな服装のイメージが強くあります。
しかし、実は着こなし方によって、ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも活躍するカラーです。
どんな色のシャツやネクタイにも合わせやすいため、冠婚葬祭向けのスタイルになってしまうことも。
そこで、ブラックスーツを普段使いするにあたって知っておきたい、特徴やコーディネートの組み合わせ例をご紹介します。
ビジネスシーンでのブラックスーツの着こなし方が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブラックスーツの種類と特徴
ブラックスーツは、フォーマルシーンからビジネスシーンまで幅広く活躍する定番アイテムです。
しかし、ブラックスーツには種類がさまざまあり、フォーマル向けとカジュアル向けで特徴が異なります。
ここでは、ブラックスーツの種類について解説します。
ビジネススーツの特徴
ビジネス用のブラックスーツは、就職活動や面接、会議など、ビジネスシーンで着用されることがほとんどです。
無地やストライプなどの柄があり、マットな素材が一般的です。
これにより、黒色でも堅実で高級感のあるスタイルを作り出せます。
フォーマルスーツの特徴
フォーマルシーンで着用する黒色のスーツは、結婚式や葬儀などの冠婚葬祭で着用する礼服です。
無地の黒で、光沢のある素材やマットな素材が使われることがあります。
礼服として作られた黒色のスーツは、襟やポケットのデザインがシンプルであることが特徴です。
ビジネススーツとは異なり、襟やポケットのデザインにバリエーションが少なく、柄も一般的には入っていません。
カジュアルスーツの特徴
カジュアルシーンで着用するブラックスーツは、デートやパーティーなどのオフの日に着用することが主な目的です。
カジュアルば場面のブラックスーツはチェックやストライプが定番です。
イギリスらしい小さな格子で大きな格子を作っているグレンチェックなど、柄の主張がはっきりとしたデザインが人気です。
また、素材はツヤのあるものからマットなものまで、多岐にわたります。
ブラックスーツのメリット
ビジネスシーンとカジュアルシーンでの、ブラックスーツの魅力やメリットについて詳しくご紹介します。
信頼感や誠実さ、権威性を与える
ブラックスーツは、落ち着きや知性、権威性などのイメージを与える最もフォーマルな色です。
だからこそ、ビジネスシーンでよく選ばれます。
ビジネスシーンでブラックスーツを着用すると、相手に好印象を与え、信頼関係を築きやすくなるのです。
具体的には上記のように、面接などの就活シーンや入社式、プレゼンテーション、外部への商談といった、しっかりとしたスーツスタイルが求められる際におすすめです。
引き締まった印象を与え、メリハリのあるシルエットを演出する
ブラックスーツは、引き締まった印象を与えます。
ブラックの色味は、全体的にシャープな雰囲気を持っています。
ブラックは他の色と比べて明度が低く、彩度も低い色。
だからこそ、ほかの色に染まらずに誰が着ても自分に似合う色の系統やトーンを気にせずに、メリハリのあるシルエットを演出できるのです。
着やせ効果が期待できる場合もあるため、よりスーツスタイルを細くすっきりと見せたい方におすすめです。
汎用性が高く、ビジネスシーンからカジュアルシーンまで幅広いシーンで活躍
ブラックスーツは何色でもないからこそ、とても汎用性が高い色です。
着回ししやすく、シャツやネクタイの色を選びません。
スーツの中に着るセーターやベストなども、素材を問わずに身に着けやすいメリットがあるのです。
たとえば黒のジャケットの中にグレーのベストなどを組み合わせて、スタイリッシュな着こなしを楽しむこともできます。
また、シャツやネクタイ、靴などのアイテムと組み合わせ次第で、フォーマルにもカジュアルにも演出できます。
そのため、ブラックスーツは1着持っていると重宝するアイテムといえます。
ブラックスーツの選び方
ブラックスーツを選ぶにあたって、おさえておきたい柄、素材、サイズについて紹介します。
柄:無地、ストライプ、チェックの活用法
ブラックスーツの柄は、もっとも定番である無地がおすすめです。
ほかにもストライプやチェックなどの柄のブラックスーツも、ビジネスにもカジュアルにも似合います。
無地は最もフォーマルな印象
無地はしっかりした印象を出したい方におすすめです。
就活などの面接や、ほかの企業との会議などは、無地のスーツでフォーマルスタイルを演出しましょう。
ほかにも、多くの人が見るプレゼンテーションといった、立場を問わずにスーツスタイルを見せる場面でも、無地がもっとも無難でビジネスシーンでTPO問わず身に着けられます。
ビジネスシーンでもストライプやチェックは人気
普段使いのビジネススーツとして選ぶのなら、無地だとしっかりした雰囲気が強くなります。
だからこそ、ストライプや細いチェックのラインが入ったブラックスーツがおすすめです。
黒に柄が入ることで、ややカジュアルな着こなしができます。
ビジネスシーンで華やかさを演出できるため、普段の仕事でブラックスーツを着たいときはあえて柄入りを選んでみてはいかがでしょうか。
また、無地のブラックスーツを着るのならネクタイやシャツを柄入りにするなど、遊び心のあるスタイルが似合います。
カジュアルはヘリンボーンなどの柄や明るい色
カジュアルシーンに着るブラックスーツは、柄やほかの明るい色と組み合わせた着こなしがおすすめです。
ヘリンボーンは遠目から見ると無地ですが、近づくと光の加減で矢印の先端のようなラインが浮かび上がるデザイン。
織り方によって繊細な色味の違いが生まれて、光に当たる角度によって黒色のスーツに陰影が生まれます。
特にダークなカラーを選んでおけば、一般的なビジネススーツとしても着用できるでしょう。なお、ヘリンボーンはカジュアルジャケットやコートに使われることも多いです。
また、無地を選ぶ場合は、シャツやネクタイを柄入りにしてカジュアルダウンすると、オフの日にも着やすいカジュアルな印象を与えられます。
素材:ウール、ポリエステルなど
ビジネスシーンで活用するブラックスーツは、ウールとポリエステルの素材がおすすめです。
ポリエステルは軽量で光沢感がありながらも、シワになりづらいところが特徴。
扱いやすいため、毎日のように着るブラックスーツのお手入れが楽になります。
また、ウールは厚手で温かみのある印象が魅力です。
ウールならではの毛糸のような質感と、高級感のある雰囲気が魅力です。
サイズ感とシルエット
ブラックスーツを選ぶ際には、サイズ感とシルエットがとても大切です。
ジャストフィットしたスーツを着ると、スーツが野暮ったくならずスタイリッシュに着こなせます。
サイズ感は肩幅や着丈のバランスを意識
ブラックスーツはサイズが大きいと、体全体が大きく見えてしまいます。
自分にぴったり合っているジャストサイズのスーツを選びましょう。
ジャストサイズを見極めるポイントは、次の通りです。
- 肩:肩と袖の縫い合わせが肩骨の位置で盛り上がっていない
- 着丈:気を付けの姿勢で裾が人差し指の第二関節程度
- 袖丈:手を下したときにワイシャツが1~1.5㎝出る
もしジャストフィットのブラックスーツにこだわるなら、既製品のスーツではなく、オーダースーツ専門店がおすすめです。
また、腕回りやウエスト周りに余裕があると、動きやすく快適です。
だからこそジャストフィットするブラックスーツの中でも、腕やウエストの動きやすさを重視して選ぶことが大切です。
また、袖丈はシャツが1~1.5cm見える程度がバランスよく着こなせます。
オーダースーツを作る人は少ないイメージがあるかもしれませんが、アンケート調査(※)では約3割の人がオーダースーツを作っているという結果が出ています。
さらに、男性だけにしぼると約4割近くの人がオーダースーツを作った経験があると回答しています。
※引用:【オーダースーツ購入は男性で約4割】2023年スーツに関するアンケート調査(カスタムファッションマガジン)
シルエットは肩幅やや広めでウエストを絞ったデザイン
シルエットはビジネスシーンなら、きちんと感を意識しましょう。
ポイントはメリハリのあるシルエットを選ぶこと。
具体的には、肩幅がやや広めでウエストが絞られたシルエットがおすすめです。
カジュアルシーンなら、全体的に少しゆとりのあるシルエットがおすすめです。
ジャストサイズすぎると、堅苦しい印象になってしまいます。
ビジネスシーンではメリハリ、カジュアルシーンでは、ラフに羽織れるようなゆとりのあるシルエットのジャケットを選びましょう。
また、カジュアルシーンに合わせるブラックスーツは、着丈も気を付けの姿勢で人差し指の第一関節程度など、少し長いデザインがこなれ感を演出できます。
ブラックスーツの着こなし方
ブラックスーツをおしゃれに着こなすには、中に合わせるシャツやネクタイ、靴などのトータルでのバランスが大切です。
ここではブラックスーツに合う色や柄をもとに、着こなし方のポイントをご説明します。
シャツの組み合わせ
黒色はどの色にも属さないため、どんな色や柄のシャツとも組み合わせしやすいことがメリットです。
おしゃれに着こなす例として、おすすめの組み合わせパターンをご説明します。
無地のブラックスーツは白やライトグレーのシャツ
無地のブラックスーツはフォーマルな雰囲気が強いため、似た系統の色のシャツとの組み合わせがおすすめです。
中でも反対色である白とは相性抜群で、ビジネスシーンで特に活躍します。
また、黒に白を混ぜたライトグレーのシャツも、黒のフォーマル感を残しつつシャープに着こなせる組み合わせ。
フォーマルに無地のブラックスーツを着こなすのなら、あえて白と黒のみのモノトーンコーデを楽しんでみてはいかがでしょうか。
柄のブラックスーツは、柄と同系色のシャツ
ストライプやチェックといったブラックスーツに合わせるシャツは、柄と同系色がおすすめです。
たとえば、ブラックスーツにブラウンなどのラインが入っているのなら、同じくブラウン系のシャツが相性抜群です。
ほかにも、ブラックスーツにはっきりとした白などの明るい色の模様が入っているのなら、シャツも白やピンクといった明るめのカラーが似合います。
襟はワイドカラー・セミワイドカラーがおすすめ
ブラックスーツに合わせるシャツは、堅苦しくなりすぎないように少しラフなデザインを選びましょう。
特に襟元は、少し開きがあるワイドカラーやセミワイドカラーがおすすめです。
ブラックスーツの引き締まったカラーに、開きのあるシャツとの組み合わせでバランスよくトータルコーディネートできます。
また、ブラックスーツに遊び心を加えるために、シャツの襟元だけ別カラーのクレリックカラーシャツなどのデザインを取り入れたコーディネートも、スタイリッシュなスタイルを楽しめます。
ネクタイの組み合わせ
ブラックスーツに合わせるネクタイは、フォーマルなスタイルをカジュアルな印象にも変えられます。
中でもブラックスーツとネクタイの組み合わせは、ビジネスシーンでは、黒や紺などの落ち着いた色を選ぶのがおすすめです。
また、以下のポイントを押さえると、よりおしゃれに着こなすことができます。
レジメンタルやドットなどの柄ネクタイで華やかさをプラス
無地のブラックスーツはそのままだときっちりした雰囲気になってしまいます。
ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも、ネクタイに柄を取り入れて冠婚葬祭に着るようなフォーマルな印象を変えましょう。
おすすめは斜めのストライプが印象的なレジメンタルや、かわいらしいドット柄です。
ほかにも、小さな柄が規則的に並ぶ小紋柄なども、ブラックスーツを華やかにしてくれます。
黒は何色にも合わせられるため、ブラックスーツに白シャツをベースに、さまざまな色や柄のネクタイを組み合わせてみてはいかがでしょうか。
柄のブラックスーツには同系色のネクタイで統一感アップ
チェック柄やストライプ柄のブラックスーツは、ネクタイも似た柄や色を選ぶと統一感のあるスタイルになります。
たとえばチェック柄のブラックスーツなら、ネクタイはグレー系のチェックなど、まとまりのあるコーディネートが似合います。
ほかにも、ブラックスーツの柄に使われている色と同じ系統のネクタイを選んでも、ツートンカラーの仕上がりがおしゃれです。
靴の組み合わせ
ブラックスーツに合わせる靴は、ビジネスシーンとカジュアルシーンでの使い分けがおすすめです。
ブラックスーツはビジネスシーンの場合、同じく黒の革靴がよく似合います。
また、さらに個性やおしゃれさを演出したいのなら、次のポイントを意識してみましょう。
ブラックスーツのフォーマルな雰囲気に合わせるには、個性的なデザインよりも定番であるストレートチップやプレーントゥの革靴がおすすめです。
スタイリッシュでありつつも、ブラックスーツになじむ落ち着いたデザインで、年代問わず履きやすいところも魅力です。
また、中に合わせているシャツやネクタイとのバランスもとりやすいため、シンプルな革靴を選ぶことをおすすめします。
革靴の色に関しては、基本的に黒色がベストです。
しかし、黒ではどうしてもかっちりとした、ビジネス向けの雰囲気が強くなります。
そのため、カジュアルシーンで履くのならダークブラウンもおすすめです。
明るいブラウンだとブラックスーツに対して、浮いてしまいますが黒っぽさが強い革靴なら、ブラックスーツとよくなじみます。
ブラックスーツのコーデに関するよくある質問
ブラックスーツのコーデで、よくある質問を紹介します。
ブラックスーツが似合う人は?
ブラックスーツは、ほかの色に比べてコントラストの強い色です。
黒そのものは何色にも属さないカラーですが、どうしても日本では喪服などのフォーマルな印象が強いです。
それゆえに、落ち着いた雰囲気を演出したい人によく似合います。
また、顔立ちがはっきりしている人の方が、比較的ブラックスーツを普段使いしやすい傾向にあります。
具体的には、以下の人にブラックスーツが似合うと言えるでしょう。
- 肌の色が白っぽく、顔立ちがはっきりしている人
- 落ち着いた雰囲気を演出したい人
- ビジネスやフォーマルなシーンで着用したい人
まとめ:最もフォーマルな色であり、信頼感や権威性を与える効果
ブラックスーツは、最もフォーマルな色であり、信頼感や権威性を与える効果が期待できます。
フォーマルなシーンでは特に外せないカラーとして、一着持っておくとさまざまなシーンで活躍します。
また、合わせるシャツやネクタイの色によっては、ビジネスシーンに限らずカジュアルな場面でもクールに着こなせるカラーです。
ぜひ自分に合ったブラックスーツの着こなしを探してみてはいかがでしょうか。