ダブルスーツが似合う人は?特徴や着こなし方を解説
ダブルスーツはフロントボタンが2列ある、クラシカルな印象のスーツです。今ではシングルスーツがやや定番なイメージが強い中、ダブルスーツも根強い人気があります。
ダブルスーツならではの特徴を知ることで、独特の着こなしやおしゃれなスタイルを楽しめます。そんなダブルスーツの特徴とおすすめしたい人、具体的なコーディネート例をご紹介します。
ダブルスーツに興味のある方や、ダブルスーツについて詳細を知りたい方もぜひ参考にしてください。
ダブルスーツとは?
ダブルスーツとはどんな特徴を持ったスーツなのでしょうか?シングルスーツと比較しながら、違いについても一緒にご説明します。
ジャケットのボタンが2列に並んでいるスーツのスタイル
ダブルスーツの特徴は、ジャケットのボタンが2列になっているデザインです。ダブルスーツは4つボタン、6つボタンの2つのタイプが特に人気です。
4つボタンはダブルスーツの下の方のボタンだけを留めるスタイルで、上のボタンが飾りになっています。
そして6つボタンは一番上のボタンを留めず、2~3つ目のボタンを1つか2個留める着用方法です。
シングルスーツは1列で2~3つボタンが定番になっていますが、ダブルスーツと違って1個目か2個目のボタンを留めることが多いです。
ボタンが多いところと、ボタンを留める位置が違うことで、同じスーツでもシンプルな印象のシングルスーツに対して、ダブルスーツはどこかクラシカルで装飾が多い分やや優しい雰囲気があります。
ジャケットのラペルは威厳のあるピークドラペルが一般的
ダブルスーツのジャケットはラペルにも特徴があることも大きな違いです。
このラペルとは2つつながっている襟のうち下の方の襟の呼び名です。首のラインに沿っている上の部分の襟はカラーと呼びます。
ラペルのデザインは種類が豊富で、シングルスーツはカラーとラペルが組み合わさった部分がV字シルエットに見えるノッチドラペルが定番。
ダブルスーツはフォーマル感があり、威厳を感じられるピークドラベルが一般的です。このピークドラペルはラペルの剣先部分が上を向いてとがっている形です。
山頂のようなとがった形から「ピーク」と名づけられました。日本語では「剣襟(けんえり)」と呼ばれることがあります。
オーダーメイドをすれば、ピークドラペル以外の種類に変えることもでき、シーンや好みに合わせた襟で個性を演出できます。
ビジネスシーンやフォーマルなシーンで着用されることが多い
ダブルスーツはカジュアルなオフのスタイルというよりも、ビジネスやフォーマルシーンに着用される機会が多いスーツです。
具体的にはビジネスシーンで役職のある方や、パーティーなどの華やかな場面でよく着られるスーツです。
もともとダブルスーツは軍服で、特に指揮官など高い地位の人だけが着用できるものでした。
それゆえにダブルスーツは権力、重厚や威厳などをイメージするスーツとして、今も知られています。
ダブルスーツが似合う人は?どんな人におすすめ?
ダブルスーツが似合う人はどんな人なのでしょうか?特におすすめしたい、3つのタイプの人の特徴をご説明します。
身長が高い人にはさらにスマートな印象を与えます
ダブルスーツは身長が高い人は、さらにすらっとした印象を与えるスーツです。
ボタンの装飾が多い分、どちらかと言えば横に広がった印象に見えると勘違いする人もいますが、その反対で2列のボタンがあるため縦のラインがさらに強調されるのです。
身長が高い人はほっそりとした印象がさらに強くなるからこそ、スマートですっきりとしたスタイルに仕上がります。
さらに引き締め効果があるカラーとして、ブラックやダークグレーなどのダークトーンを選ぶと、大人っぽくスタイリッシュなスーツスタイルになります。
体型が細めの人にメリハリを与えることができる
細い体型の人がダブルスーツを着ると、胸板が厚くなりウエストがきゅっと引き締まったメリハリ体型に見えます。
これはダブルスーツの2列のボタンが縦のラインを強調しつつ、胸からウエストにかけてボタンが並ぶ様子が胸周辺にボリュームを演出してくれるため。
ダブルスーツは一番上のボタンを留めずに、2番目や3番目のボタンを留めるので、胸元はオープンでウエスト周辺はきゅっとしたシルエットになるのです。
体型が細めでスーツを着るとサイズが大きくだぼっとした印象になってしまう人も、ダブルスーツを着るとメリハリのあるスタイルになりやすいです。
クラシックな雰囲気を楽しみたい人に人気のスタイル
ここまで体型で特におすすめの人をご紹介してきましたが、そもそもダブルスーツはクラシカルなスーツとして今再度注目されています。
近年はファッション界全体で、かつて流行っていたファッションが再び流行するクラシカルに回帰する流れがあります。
シングルスーツが主流になりつつあるビジネスシーンでは、ダブルスーツをスマートに着こなしている姿はそれだけで一目置かれるようなスタイルです。
ダブルスーツの着こなし方とマナー
ダブルスーツを着こなすときは、マナーやシルエットを意識することが大切です。
クールに見せるために知っておきたい、ダブルスーツを着るときの注意点をご紹介します。
左側のボタンのうち1つを留めることが一般的
ダブルスーツは2列あるボタンのうち、正面から向かって左側のボタンを1つ留めることが一般的です。
特に4つボタンは左側のボタンのうち下の1つだけを留めて、上のボタンは留めず下半身に向かって引き締まったようなシルエットを作ることがマナーです。
ただし6つボタンの場合は1列に3つずつボタンが並んでおり、2個目か3個目を留めるスタイルが定番。
1つだけでなく、2個目と3個目の2つを留める着こなしもあります。
パーティシーンなどフォーマルな振る舞いが求められる場面では、ボタンをきっちり留めるスタイルが求められます。
立っているときはボタンを留めて着用するのがマナー
ダブルスーツは基本的に立っている状態や歩いているときは、ボタンを1つ留めた状態で過ごしましょう。
2列ボタンのダブルスーツは、ボタンを留めたうえで完成するシルエットです。
それゆえに、基本的にボタンがくっきりと見える立ち姿では、ボタンを留めてきっちりとしたスタイルを相手に見せるよう心がけましょう。
反対に座っているときにウエスト周りが苦しかったり、デスクワークがやりづらかったりするときは、ボタンを外しても問題ありません。
ジャケットの着丈はおしりが隠れる程度が好ましい
ジャケットはおしりが隠れる程度の着丈がもっともきれいに着こなせます。
おしり全体というよりは、おしりの中で特に盛り上がっているヒップトップにかかるような長さがベストです。
それよりも長いジャケットだと、野暮ったく見えてしまい、短い丈だとカジュアルな印象になります。
特にフォーマル度が高い、モーニングコートや燕尾服といった英国紳士が身に着けていたスーツは、太ももまで丈があります。
ダブルスーツはそれだけでフォーマルな佇まいがあるため、着丈は長すぎないものを選びましょう。
パンツは適度にゆとりのある直線的なシルエットがおすすめ
ダブルスーツに合わせるパンツは、足のシルエットがぴったりと出ないゆとりがあるものを選びましょう。
ダブルスーツはボタンを留めてウエストラインが強調されるスーツです。
そこに細いパンツを合わせると、全体的にぴったりとしすぎるスタイルに見えがちになります。
そこで、細身のパンツではなくきゅっと締まったウエストラインとの対比を演出するために、ストレートでゆとりがあるパンツを選びましょう。
ゆったりとしたスラックスは、ダブルスーツらしいクラシカルな雰囲気がさらに演出されます。
フォーマルな印象があるため、シャツやネクタイはシンプルなものが望ましい
ダブルスーツはシングルスーツと比較して、フォーマルな印象が強いです。
だからこそシャツやネクタイはシンプルなデザインとの組み合わせが無難です。
ボタンの装飾が多い分、派手なカラーや複数の色を組み合わせるスタイルは、着こなし方によっては違和感が生まれてしまいます。
また、靴もフォーマルなダブルスーツの雰囲気に合うような、クラシカルな革靴を選びましょう。
ダブルスーツにベストを着用することは一般的はでない
ダブルスーツでは中にベストを着用することが一般的ではありません。
なぜならすでにボタンの装飾が多く、基本的にボタンを留めた状態で着用するため。
ダブルスーツを着ているときはベスト自体がよく見えないため、そもそも着用してもあまりベストとの組み合わせでコーディネートを楽しむことは少ないのです。
ただし、絶対にNGではありません。ファッションとして着こなしてみたい方は、特にマナー違反ではないためダブルスーツの中にベストを着てみましょう。
まとめ:上品でフォーマルな印象を与えたい人におすすめ
ダブルスーツはクラシカルな印象がありますが、今では若い世代もおしゃれに着こなすスーツスタイルとして注目されています。
上品でフォーマルな印象のコーディネートを目指すのなら、ぜひダブルスーツを取り入れて大人のスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。

