スーツに合う靴は?選び方と種類を解説
スーツに合わせる靴は、全体のコーディネートのバランスを見て選びたいものです。
しかし、スーツに合わせる革靴だけでも多くの種類があり、デザインやカラーがさまざま存在します。
そんなスーツに合わせる靴選びにおいて、知っておきたいポイントや代表的な革靴の種類をご紹介します。
それぞれの革靴の特徴を解説しているため、ぜひ革靴選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
内羽根と外羽根の違い
ビジネスシーンでスーツを着用する際には、靴のデザインも重要なポイントです。
特に、内羽根と外羽根の違いは、見た目や履き心地、適したシーンなどにおいて大きな違いがあります。
そこで内羽根と外羽根の2種類のデザインについて解説します。
内羽根(うちばね):きっちりとした印象を与えてくれる
内羽根は革靴の羽根の部分が、内側に隠れているデザインです。
そのため、スマートな印象を与えてくれます。
足元が引き締まって見えるため、きっちりとした場面で履くのに適しています。
ただし、サイズ調整が難しく、やや価格は高めです。
外羽根(そとばね):カジュアルな印象を与えてくれる
外羽根は、カジュアルな印象を与えてくれるデザインです。
革靴の羽根の部分が外側に出ているため、サイズ調整がしやすく、ビジネスカジュアルや普段使いに適しています。
ただし、正装がもとめられるきっちりとした場面では、カジュアルすぎる印象を与える恐れがあります。
スーツに合うおすすめの靴15選
スーツに合わせる革靴には、たくさんの種類があります。
その中でも、15種類の靴のデザインと特徴をご紹介します。
1. ストレートチップ 内羽根:きっちりとした場面に最適
ストレートチップの中でも内羽根は、ビジネスシーンやきっちりした場面に最適な靴です。
スマートな縦長のシルエットが印象的で、ビジネスシーンはもちろん冠婚葬祭など、幅広いシーンで活躍します。
就活の場面でももっともスタンダードな種類として、革靴選びに悩んだらストレートチップの内羽根を選ぶと、無難であり上品なスタイルに仕上げられます。
デメリットとして足の幅がやや狭く、サイズ調整しづらい点があります。
ただし、様々なシーンに使える万能タイプであり、一足は持っておきたい革靴です。
2. ストレートチップ 外羽根:きっちりとした雰囲気を残しつつカジュアル感も演出
ストレートチップの中でも、外羽根はきっちりとした雰囲気がしっかりと残っている中でカジュアル感を演出できるところが魅力です。
たとえば、内羽根だときっちりとし過ぎて、普段のビジネスシーンでは堅苦しい印象につながることもあります。
そのため、ビジネスカジュアルのシーンでは外羽根の方がバランスが取りやすいです。
色は黒だけでなく茶色もおすすめです。茶色は黒よりもカジュアルな印象を与えるため、よりカジュアルな雰囲気を出したい場合は茶色を選ぶとよいでしょう。
革靴を履き替える機会が少ない新社会人や、少ない革靴でいろいろなシーンに対応したい方にも、一足は持っておきたいデザインです。
3. プレーントゥ 内羽根:ストレートチップに次ぐ、きっちりとしたデザイン
プレーントゥは、足先が尖っていないのが特徴です。
丸みを帯びたデザインのため、きっちりとした場面はもちろんカジュアルなシーンにも合わせやすいのが魅力です。
プレーントゥの中でも、内羽根タイプはストレートチップに次いで、きっちりとした場面に対応できる万能な革靴です。
プレーントゥの中でも、内羽根タイプはストレートチップに比べてきっちり感が弱いため、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルなどのシーンでも合わせやすい万能な革靴です。
特に燕尾服やタキシードなどの正装の際には、プレーントゥの内羽根が合わせやすいとされています。
黒と茶色のどちらも合わせやすいため、1足持っておくと重宝します。
ただし、オフの日のジャケットスタイルにはあまり向いていないため、注意しましょう。
4. プレーントゥ 外羽根:カジュアルなシーンにも対応
プレーントゥの外羽根は、内羽根に比べてカジュアルな印象を与えやすいのが魅力です。
外羽根はもともと軍用ブーツを参考に作られた内羽根に比べてソールが厚く、ボリューム感があるため、重厚な雰囲気を持っています。
そのため、カジュアルなスーツスタイルによく合わせられます。
色は黒や茶色のどちらでも上品ですが、黒にするときっちりとした場面でも使いやすい、絶妙なバランスのコーディネートが完成します。
ただし、外羽根は燕尾服やモーニングなどの正装スーツには合わせないのが一般的なため、組み合わせに気を付けましょう。
5. ウイングチップ(フルブローグ) 内羽根:きっちりとした場面に華やかさをプラス
フルブローグウイングチップは、つま先の羽のような飾り(ウイングチップ)が特徴的です。
このデザインは、アメリカでは一般的にウイングチップと呼ばれ、イギリスではフルブローグと呼ばれることが多いです。
フルブローグは靴全体に施された穴飾り(ブローギング)を指し、これが独特の装飾的な要素を加えてくれます。
ウイングチップは特につま先の「W」または「M」の形状の飾りが目立つ点が特徴です。
内羽根は主にきっちりとした場面で使われており、スーツスタイルに洗練された印象を加えることができる靴です。
6. ウイングチップ(フルグローブ) 外羽根:華やかさとカジュアルさをプラス
ウイングチップ(フルグローブ)の外羽根は、内羽根よりもカジュアルな雰囲気があり、華やかさをプラスしています。
ウイングチップ(フルグローブ)は、小さな穴を足先にたくさん開ける装飾によって、革靴内の水分を効率よく発散させます。
この小さな穴はメダリオンと呼ばれており、革靴の華やかさをさらに引き立てます。
オフの日のスーツスタイルはもちろん、華やかなスタイルが求められる営業や接客業のスーツに合わせる革靴としても活躍します。
7. セミブローグ 内羽根:フルブローグよりも華やかさを控えたデザイン
セミブローグはウイングチップと一見似ていますが、つま先部分のブロッキングが1文字です。
ウイングチップが羽根のようなデザインになっているのに対し、華やかさを抑え、きっちりとした雰囲気が魅力です。
その中でも内羽根はすっきりとしたシルエットで、ビジネスシーンでも合わせやすいところが魅力です。
カジュアルさが少ない分、スーツをカジュアルダウンさせたいシーンでは、やや堅苦しい印象になる恐れがあるため、注意しましょう。
8. セミブローグ 外羽根:ビジネスカジュアルシーンにも履きやすいデザイン
セミブローグの外羽根は、装飾が強調されたシルエットで、内羽根と比較すると、ビジネスカジュアルシーンにも履きやすいデザインです。
柄が入ったスーツなどに合わせやすく、真面目で堅実な雰囲気を残しながらも、華やかな場面が求められるプレゼンシーンや、接客応対などにぴったりのデザインです。
また、カジュアルシーンでは、つま先のトゥ部分とそれ以外のパーツの色を変えた、ツートンデザインなども人気です。
革靴でありながら、スニーカーのようなカラフルなスタイルを楽しむことができます。
9. クォーターブローグ 内羽根:セミブローグよりも華やかさを控えたデザイン
クォーターブローグは、ハーフブローグと同じように、横1文字のトゥの切り返し部分に、飾り穴が空いたデザインです。
セミブローグよりも飾り穴が少ないため、遠くから見るとストレートチップのようなシルエットをしています。
飾り穴などの装飾を最低限に抑えつつも、上品な中に華やかさのあるデザインで、ビジネスシーンに幅広くおすすめです。
結婚式の革靴としても、派手すぎず、ちょうどよく身につけられる革靴でもあります。
10. クォーターブローグ 外羽根:ビジネスカジュアルシーンにも履きやすいデザイン
クォーターブローグの外羽根は、内羽根と比較して、しっかりとカジュアルな雰囲気があります。
シンプルな飾り穴が少ないデザインで、横幅がありボリューミーな存在感があります。
カジュアルすぎない優雅な雰囲気は、パーティーやきれいめスタイルのオフの日のスーツコーディネートなどにもおすすめです。
11. ブローグ 内羽根:ビジネスシーンにもカジュアル感をプラスしたい方に
ブローグは、イギリスで生まれた、装飾があるオックスフォード(紐付きの短靴)のことです。
セミブローグやクォーターブローグと比較して、しっかりと飾り穴などの装飾があることが特徴です。
しかし、革靴としてのきっちりさも失われていないため、ビジネスシーンにもカジュアル感をプラスしたスタイルを作りたい方におすすめです。
内羽根によってきっちりとした雰囲気もしっかりと残っていますが、カントリー調のデザインであるため、冠婚葬祭などではカジュアルすぎる印象になってしまいます。
12. ブローグ 外羽根:ビジネスカジュアルシーンにもおすすめのデザイン
ビジネスカジュアルにもブローグの外羽根がおすすめです。
外羽根は、パンチングやメダリオンといった、飾り穴が見えやすく、羽根の部分がさらに装飾のアクセントになります。
飾りがたっぷりと入ったブローグは、休日のリラックスしたスーツコーデなど、どちらかと言えばカジュアルな着こなしをしたい方におすすめです。
スーツはもちろん、デニムなどのスタイルにも合わせやすいため、ジャケットとデニムといったカジュアルなスーツコーデにもおすすめです。
13. Uチップ/Vチップ:ビジネスカジュアルシーンにもおすすめのデザイン
Uチップは、U字型のトゥデザインのパーツを使った革靴です。Vチップは、やや先端が尖ったV字型のパーツを取り付けた革靴です。
Uチップは丸みを帯びたトゥデザインで、数十年の歴史があります。
プレーントゥよりも足先の空間が広く、ゆったりと履くことができます。
Vチップも同様に先端が尖っていることで、スマートな印象がありつつも、ゆとりのある履きやすい横幅が魅力です。
これらは、イギリスではカントリーシューズとして、アメリカではゴルフ靴として使われていたように、よく歩くビジネスマンにもおすすめです。
14. モンクストラップ:個性的な印象を与える革靴
モンクストラップは、かつて修道士が履いていたデザインの革靴です。
ベルトとバックルがあるデザインが印象的で、個性的な革靴を探している方におすすめです。
特に、ベルトと金属バックルによって、締まり具合を調節できるため、履き心地にこだわる方にもおすすめです。
金属ならではの光沢が加わることで、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。
ビジネスカジュアルからパーティーなどの華やかさが求められる場面で、特におすすめの革靴です。
15. ホールカット:エレガントで格式高い印象を与える革靴
ホールカットの特徴は、一枚革でアッパーを包み込んでいるデザインです。
かかと以外の継ぎ目がない特徴的なスタイルは、高い技術力を必要とするため、価格が高いところがデメリットと言えます。
そのかわりに、とてもエレガントで、格式高い印象を与えられる革靴です。
きっちりとした場面はもちろん、格式の高いホテルでの会合やパーティー、結婚式といった、ドレッシーなスーツに合わせる革靴として最適です。
スーツに合う靴選びの疑問を解決
スーツに合う靴選びで、よくある質問を紹介します。
スーツに合う靴はどんな色が良いですか?
スーツに合う靴は、革靴であれば黒か茶が基本です。
スーツの色に合わせる際にも、茶色や黒が無難であり幅広い色に合わせられます。
特にきっちりとした場面においては、黒や茶色が最もスタンダードです。
冠婚葬祭の場面では、特に黒の革靴でなければマナー違反になるケースもあります。
ビジネスカジュアルでは、黒や茶色だけでなくネイビーやダークブラウンといった、別の色味の革靴もおすすめです。
カジュアルシーンでは、黒や茶色以外にも、ツートンカラーなどのカラフルな革靴にすることで、個性を演出できるのです。
スーツに合う靴のルールはありますか?
スーツに合う靴の選び方には、シーンやTPOによってルールがあります。
例えば、正装がふさわしい場面では内羽根で、黒や茶色の革靴を選びましょう。
ビジネスカジュアルのシーンでは、内羽根がおすすめですが、外羽根でも問題ありません。
ただしビジネスシーンのため、黒や茶色などの落ち着いた色味を選びましょう。
また、カジュアルシーンにおいては、内羽根や外羽根の革靴だけでなく、ローファーなど別の種類の靴にしても、おしゃれで個性を演出できます。
シーンによっては、あえてスニーカーにカジュアルダウンした着こなしもよく似合います。
ビジネススーツに一番合う靴は?
ビジネスシーンで着用する革靴は、内羽根の黒か茶色が基本です。
内羽根は外羽根よりも上品で、すっきりとした印象を与えられます。
そのため、きっちりとしたビジネスシーンに適しています。
特に重要な会議や取引先との商談といった、しっかりとした対応が求められる際におすすめです。
茶色は黒に対してややカジュアルながらも、きっちりした場面からカジュアルまで、幅広いシーンに対応できます。
まとめ:スーツに合う靴の基本を押さえよう
スーツに合う靴は、身につけるシーンによって色やデザインを変えることが大切です。
一般的なビジネスシーンでは、革靴の場合、黒と茶色が基本です。
また、きっちりと見せたいなら内羽根、ややカジュアルに見せたいのなら外羽根がおすすめです。
革靴はたくさんの種類があるため、ぜひ、自分だけの一足を見つけてみてください。