STYLING GUIDE

イタリア高級生地「ドラゴ」はファッション性と機能性を備えた極上ウールが魅力

投稿日時:2022.03.25 13:55:14

「DRAGO」はドラゴと読みます。


「Ermenegildo Zegna」(エルメネジルド・ゼニア)「Loro Piana」(ロロ・ピアーナ)と並んで、イタリア産高級素材を代表するメーカーの一つです。


「DRAGO」は、原料の調達から紡績、織りから染色整理まで一貫して行うメーカーですが、特に紡績部門に強みがある事が特徴です。


繊細な原料を使った高級原料に特化していて、生産された極上のウール糸は、自社で織物利用するだけでなく、その多くを世界中の織物メーカーに販売しています。


高級ウール紡績として、その品質の高さには定評があり、高級細番手の糸では高いシェアを持っています。


自社生産した高級糸を贅沢に使用した織物も評価が高く、糸の調達コストの有利さもあり、同業他社と比較して卓越したコストパフォーマンスを誇ります。


毛紡績メーカーとしてルーツを持つ「DRAGO」は、ウールの良さを最大限に出しながら、新しい可能性を求めて果敢に開発を続けていて、それまでにないウール織物の世界観を日夜広げています。


ウールが本来持っている「防しわ・シワからの回復力」「撥水」「防湿」の力を、科学の力で増幅して、高級素材にもファッションだけではない、実用的な「機能」を付与する事に成功しています。


17.0ミクロンの羊毛原料を用いた、「super130’」以上がラインナップの中心になっている特異な高級ラグジュアリーメーカーであり、その貪欲な開発心は、世界でも希少な13.0ミクロンの羊毛原料を用いた「super210’」の生産にまで至り、技術力と開発力に加わる調達能力は、「ドラゴ」ブランドすべての糸・織物に活かされています。

ブランドの歴史

「ドラゴ」は、創業者のウンベルト・ドラゴ氏が1973年に創業したことで、名前がそのままブランド名になっています。


同業の老舗と比較すれば創業年は新しいですが、多くの一貫生産を行っている生地ブランドのルーツは、織物商や織物メーカーが多い中で、「ドラゴ」は1963年の紡績会社が起点になっています。


ウール織物のクオリティを決定付ける要素は数多く有りますが、「糸」とその「原料」の品質が大きく完成品に影響します。


「ドラゴ」の品質への拘りは創業時から一貫していて、いち早く品質管理にコンピュータを導入して、自社に入荷する厳選された原毛を更に詳細に分析調査を行い、厳しい社内基準に達しないものは、決して「ドラゴ」の商標を用いた糸にはしない事を徹底しています。


糸を生産する紡績の工程に入ってからは、通常はロットごとの抜き取り検査が行われますが、「ドラゴ」では糸の全品検査を完成品だけで無く、途中工程でも行う徹底ぶりが有名です。


創業以来一貫した品質は、世界中の高級ブランドマーケットの絶大な信頼を獲得していて、現在の「super130’」以上の糸供給シェアでは、概ね7割程度を獲得しています。


グループ傘下には、2001年に吸収合併した「フィンテス(FINTES)」があります。


以前から協力関係にありましたが、1993年頃から買収を進めていました。


「フィンテス」は元々独立したミル(織物)メーカーでしたが、現在は「ドラゴ」グループとして高級ウール織物の販売をしています。


「フィンテス」はイタリア語の「Finissagio Tessuto」に由来していて、生地の仕上げ「染色整理工程」を意味します。


由来に違わず、生地の最終仕上げである整理工程に、多くのノウハウを持つ織物メーカー「フィンテス」のノウハウと、「ドラゴ」の持つ紡績技術と調達能力が結集し補完し合うことで、世界中に多くのファンを持つ、卓越したウール素材は生産されています。

織物の基本知識

「ドラゴ」の品質の高さを理解するために、役に立つ織物の基本的な知識を見ていきましょう。


素材としてのテキスタイル善し悪しは、多くの複合的な要素で構成されています。


基本として、「どれくらいの太さの糸」を、「どれくらいの密度」で、「どんな組織(織り方)」をするか?をおさえる事です。


糸の太さ

「ドラゴ」の品質の高さを理解するために、役に立つ織物の基本的な知識を見ていきましょう。


素材としてのテキスタイル善し悪しは、多くの複合的な要素で構成されています。


基本として、「どれくらいの太さの糸」を、「どれくらいの密度」で、「どんな組織(織り方)」をするか?をおさえる事です。


太い糸を使えれば、ザックリとしたテキスタイルに仕上がり、細い糸を使用すれば繊細な仕上がりになります。


スーツ地としては、主に2/48から2/80程度の糸番手が使われます。


数字が大きくなるほど細い糸を表します。


2/80のことを80双糸(そうし)と読みます。


羊毛は2本の糸を撚(よ)って(ねじり上げるイメージです)、織物に用いられます。


双糸にする事により、安定した均一な太さになるため、一般的なウール素材に使われています。


1本の糸を撚って使う、単糸使いの織物もあります。


1/30と表記して30単糸と読みます。


1/30と2/60は同じ太さになります。


双糸と比較して均一感が劣る事を逆手に取り、織物に表情を加える事に多く用いられます。


羊毛の原料グレード(繊細さ)によって、糸の太さに用いる事の出来る限度があります。


細番手の糸を製造するのには、原料の繊細さが必要になります。


当然原料が繊細ならば、コストは高くなります。


本来織物は芸術では無く営利目的で製造されるので、よりコストの安い羊毛原料を使用して、如何に細い糸を作成するかに力を集中します。


しかし上質な素材は、これらのセオリーを無視して製造されています。


本来であれば2/80番手の製造が可能な上質原料を用いて、2/48や2/60番手を製造にすることにより、「滑らかさ」「上質な手触り」を表現しています。


同じウールの生地でも、中国産を中心とした普及品とブランド生地の差は、このような違いがあります。


よく誤解されるのは、「super100’」や「super120’」を糸の細さと解説されている事です。


これらは原料の繊細さを表していて、糸の太さではありません。


中身は多くの差が存在していて、同じ「super100’」と表示されていても、個別に比較すれば大きな優劣が存在します。


数値的には同じ繊細さを持つ原料でも、羊毛本来の持つ「クリンプ」と呼ばれる縮れが、織物の仕上がり品質に大きな影響を与えます。


上質なクリンプを持つ原料は、弾力性に富み、優れた張りコシとシワからの回復力に繋がります。


上質なウールは、着用した後で適正にハンガーに掛けておけば、シワが自然に回復するのは「クリンプ」が大きな役割を果たしています。


密度

「打ち込み本数」と呼ばれています。


決められた範囲に、縦横どれくらいの糸が入っているのか?ということが、生地の仕上がりには、大きく影響します。


「打ち込み本数」は、少なければソフトになる反面、特にメンズでは必要な張りコシが無くなり、物性的な問題(縫い目から裂ける等)が出ます。


逆に「打ち込み本数」が多ければ、張りコシが出て物性的な問題も解決出来ますが、全体的には固くなってしまいます。


上質なブランド素材は、「打ち込み本数」が多くなっても、使う糸の上質さで固くなる事が無く、「張りコシ」がありながら、「しなやかさ」を出す事を両立させています。


「打ち込み本数」は、コストに直接反映されます。


「打ち込み本数」が多くなれば、同じメーター数を織り上げるのに時間が掛かるためです。


コストを考えれば、打ち込むスピードが速ければ速いほど、生産効率は上がります。


しかし、早いスピードで糸を飛ばせばテンションが掛かり、羊毛の持つ素晴らしい特性のクリンプが持つ効果は減少してしまいます。


上質なブランド素材は、生産効率が落ちてコストが上昇しても、クリンプ特性に最適なテンションに収まるスピードを選択することで、高い品質を生み出します。


織り組織

大きく分けて、「平織り」「綾織り」「繻子(しゅす)織り」があります。


平織りは、主に春夏に使われる清涼感が出る軽量な織物で、最も基本的な織り方であり、使っている糸の品質がダイレクトに出ます。


トロピカルウールと呼ばれます。


同じトロピカルウールでも、上質なブランド素材は、原料の良さと適正な「打ち込み本数」によって、中国を中心とした普及品とは確実に大きな差が出ます。


伝統的な春夏素材として、上質なブランド素材は「綾織り」を用いる事があります。


「綾織り」ではトロピカルウールと比較して、織物に重量が付くため、細番手の糸が使われます。


清涼感を持たせるため、撚糸回数を増加させた強撚糸を使う事もあります。


どちらの手段も、コストが掛かる手法です。


「綾織り」「繻子織り」は比較的重量を付けやすいため、主に秋冬素材として使われます。


コストを考えれば、太番手糸をシンプルな綾織りで仕上げる事で、秋冬の利用に使える生地には仕上がります。


上質なブランド素材は、敢えて品質の高い細番手糸を用いて、織り組織に変化を持たせることによって、秋冬の利用に使える重量感の構築をします。


上質な原料糸をたっぷり使うので、必然的にコストは高くなります。

ドラゴ素材の特徴

「ドラゴ」の特徴は、イタリア素材を象徴するような、「柔らかさ」「しなやかさ」を持ちながらも、ウール素材に大切な「張りコシ」を両立させています。


原料の良さから醸し出される高級感は、独特の光沢感と発色の良さからも窺えます。


産地であるビエラ地方の良質な水質を活かし、選りすぐりの原料の白さが、色乗りの良い無垢なキャンパスになる事で生み出されています。


見た目だけで無く、原料の良さは少し生地に触るだけでも明確に伝わってきます。


滑らかな指通りと滑り(ぬめり)は、着用時の肌触りの良さを彷彿とさせます。


ジャストサイズのオーダースーツで、「ドラゴ」の良さは更に輝きを増します。


身体にフィットした動きやすさと、何処に出ても気後れしない品質の良さを、さり気なく主張するスーツは、手放せない愛用の一着になります。

秋冬のドラゴ素材

Super130'S

「ドラゴ」が得意とする、オーストラリア産の良質なメリノウールを使用した定番です。


イタリア素材らしいしなやかさと張りコシがあり、世界中のテーラーで扱われています。

遠目で一見すると無地に見えますが、霜降り糸を使用して異色の糸と撚り合わせることにより、深みのある色合いが表現されています。


現在では少なくなった、手間の掛かるビンテージ系の織物を彷彿とさせて、今トレンドのクラッシク仕立てのスーツに最適です。


ヴァンテージ(VANTAGE SUPER'130S)

SUPER'130S原料で作成された極細の2/80糸をベースにして、異番手(細さの違う糸)を組み合わせた杢使いは、ビンテージを彷彿とさせて、独特の表情を持つ「ドラゴ」を代表する素材の一つです。


細番手の糸で繊細な原料を贅沢に使った秋冬物で、中肉の素材感は真夏を除き、春先にも着用可能な汎用性も持ち合わせています。


深みのある色合いは、流石の「ドラゴ」です。


何気ない無地柄の中にも、長年蓄積された魅せるノウハウの撚糸と織りが、遺憾なく発揮されています。

打ち込み本数が多く、しなやかで強い張りコシが有り、ビジネス利用の耐久性も持ち合わせています。


ジャストサイズのオーダースーツなら、着用すればするほど愛着が沸く事請け合いです。


派手さは控えめで、身体に馴染む本物の良さがあり、ワードローブに加えたい一着です。


ウェルシュウールアルパカ(Welsh wool alpaca)

ウール織物の原料は、言うまでも無く羊です。


牧羊業が盛んなのは、南半球のオーストラリア・ニュージーランドが有名ですが、国旗を見ても明らかなように、イギリスの影響を多く受けています。


牧羊業の基礎を築いたのはイギリスで、メリノ種以外の牧羊業に飼育される現代の羊の大半は、イギリスにルーツを持っています。


イギリスのウェールズ生まれの羊(Welsh)は、山岳で育つマウンテン種で、過酷な環境に順応するため、力強く太めの毛を持ち、バルキー性(フンワリとした、かさ高感)が有ります。


「ドラゴ」の「ウェルシュウールアルパカ」は、このウェルシュ羊の中で最もグレードが高い、16.0ミクロンクラスの原料をさらに吟味して、アンデス地方に生息飼育されているアルパカと組み合わせました。


「ドラゴ」のシリーズの中では、個性が突出しています。


パンチの効いた迫力が素材自体に有り、チラチラと見えている白い毛がアルパカです。

ハイグレードな素材感に、良い意味での粗野感を持ち込み、ドレッシーな中にもカジュアル感が有り、ビジネスカジュアルにも最適で、ひと味違うお洒落が楽しめます。


難点としては原料の希少性から、取り扱い店が少ない事が挙げられます。


ジャストサイズのオーダースーツなら、貴方だけの個性を品良く主張できます。


セミミルド Super130'S

セミミルドは、生地表面の毛足を出す仕上げですが、表面を引っ掻く事ではありません。


上質な原料を使用して織り上げた反物を、時間を掛けて何度も揉み洗いする縮絨工程を繰り返し、ウール原料から毛足を露出させています。


セミミルドの特徴としては、程よく品の良い光沢感が有り、スーツ素材としてだけでなく、ジャケット・ブレザーや、単品パンツなど幅広いアイテムで使われています。


セミミルドには上質なSuper130'Sを使用しています。


「ドラゴ」では希少なこの原料を幅広く使っていますが、一般的に高級素材と言われる生地では概ね上限はSuper120'S程度が大半です。

一目見るだけでも高級感が溢れていて、ジャストサイズのオーダースーツを仕立てれば、大きな満足感と優越感が満喫できます。


ラグビーフランネル(Rugby Flannel)

フランネルは、前述のミルドの縮絨(揉み込み洗い)時間を更に延ばし、最終仕上げで毛足を均一に揃えた素材です。


「ラグビーフランネル」も、Super130'S原料を贅沢に使用しています。


一般的には、Super130'S原料で作成される糸は、コストが高いため2/72から2/80以上で利用されることが多いのですが、「ドラゴ」の「ラグビーフランネル」では贅沢に通常より太い2/60にする事により、上質な毛足と軽さを実現しています。


一見すると英国調の匂いがしますが、手に取ると柔らかな手触りと軽さがあり、仕立てれば抜群の着心地に驚かれると思います。

「ラグビー」の名は、英国調の雰囲気から由来しているだけではありません。


「着用してラグビーが出来る」くらいの軽快感と実用性を備えている事が本来の意味合いです。


軽快感の演出には天然素材だけのナチュラルストレッチを備え、少々の雨なら払えば落ちる、撥水効果も兼ね備えています。

仕立て映えがして耐久性にも優れることから、英国テイストを好み、着心地と機能性を求めるビジネスエリートに支持されています。


DRAGOの生地詳細を見る>>

春夏のドラゴ素材

SWING(スウィング)

名称になっている「スウィング」は、ジャズに由来したのではなく、ゴルフのスウィングです。


ゴルフウェア用という括りではなく、着用してもゴルフスイングが軽快に出来る快適さがウリです。


Super130'Sの原料を使用したウール100%素材もありますが、超長綿を使用した綿とウールを用いた素材が人気です。


軽快な動きをサポートするのは、ストレッチ性です。


ゴム原料繊維を用いる事無く、天然繊維だけに拘り、ウールの「クリンプ」が持つ収縮性と撚りに加え、糸を加工する事によって実現しています。

砕けすぎない、上質なカジュアルテイストが、オフィスカジュアルの流れにもぴったりです。


スーツの上下揃いで仕立てても、素材自体にパンチが有る事から、ジャケスラなど組み合わせコーディネートにも対応が可能で、簡単に着回しが効きます。


ブラウンとベージュを組み合わせたカラーは、男性だけで無く、女性用のスーツにも人気です。

まとめ

上質な原料だけを、贅沢に使う「ドラゴ」の素材には、どれも紡績メーカー出身のプライドが溢れています。


「ドラゴ」が原料を大切にする、他のハイグレードブランドと少々異なるのは、それだけに安住せず、常に時代の潮流に合わせた商品開発を行っている所です。


今回ご紹介した素材は「ドラゴ」のシリーズ一部ですが、高品質でラグジュアリーながら、オフィスカジュアルに適した、従来のスーツ生地と比較して個性的な商品群であることは、充分ご理解頂けたと思います。


ジャストサイズのオーダースーツで、「ドラゴ」の素材群は本来の輝きを放ちます。

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