STYLING GUIDE

オーダースーツは高いの!?実はおしゃれでコスパが良い!

img

監修:堀省次(KITTE丸の内店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.05.18 15:59:56

専門店で長時間接客を受けながら高価な商品をオーダー……と、敷居の高いイメージがある「オーダースーツ」。自分の好みや体型に合わせて作られた一着は、仕事へのモチベーションも高めてくれる、最高の相棒になるものですが、高額という抵抗感が否めません。しかし最近では、既成品のスーツと変わらないほど手軽にオーダースーツを作ることが出来るサービスも生まれ、日を追うごとにオーダースーツへの抵抗感も薄まってきているようです。そこで、手頃な価格で、着心地の良い一着を見つけるため、オーダースーツの価格帯と、選び方のコツをご紹介します。

オーダースーツが既製品よりもおしゃれで優れている点とは?

改めて押さえておきたいのが、スーツをカッコよく着こなすための最低限必要なポイント。それはサイズ感と、シーンごとに合う素材やデザインです。これらの条件が同時に満たされた一着を既製品で見つけ出すことはなかなか容易ではありません。既製品との比較をしつつおしゃれでも満足いく一着を製作するために、オーダースーツを学んでいきましょう。


 


「体にぴったりフィットする」


オーダースーツの中で最も重要な工程ともいえるのが“採寸”。各部位の長さだけでなく、体型的な特徴も加えていきながら、最適なスーツの形を見出していきます。実際にオーダースーツを作った人の中には、採寸を行い、初めて認知した身体の特徴があったという声が多く聞かれます。既製品のスーツの場合は、自分の体にあったブランドを見つけることが大切ですが、高級ブランドだからといって、必ずしも自分の体にフィットするとは限りません。お直しで多少は調整できますが、正しいフィットのスーツを確実に手に入れるにはオーダーするのが正解。オーダーによって得られた「自分の体に合った最適なサイズ感」が本当の着心地、見栄えの美しさに繋がってくるのです。


 


「シーンに合った素材やデザインが選べる」


仕事で毎日着る、接する相手に好印象を与えたい、ここぞという勝負のときに着る、それぞれのシチュエーションに合わせた一着を用意しておくことは大切です。それによりTPOに合わせやすいだけでなく、袖を通すだけで自然と身が引き締まるという効果も得られることも。長く愛用し続けられるというのも、用途別に揃えることで得られる利点の一つです。また、上質な生地を使用した一着はシンプルなデザインでも、その良さは一目瞭然。カフスやポケットチーフでアクセントを加えれば、特別感ある装いを演出することができ、あなたのイメージにちょっとした変化を与えることも。既成品にはない‟カスタマイズができる“面白さがあるオーダースーツだからこそ、着用する場面を想定しながら製作を進めていくことは大切。せっかく作ったのにあまり着ないスーツになってしまったら勿体ない!どんな目的やシーンで着るかを決めてから選ぶことはとても重要なのです。


 


「生地の傷みを軽減できる」


体の細かい部分まで採寸し、体型に合うように組み立てていくオーダースーツでは、肩回りや腰回りなど頻繁に動かす部分は、適度な余裕をもって作られます。そのため、オーダースーツと既製品の差は、体を動かしたときに着心地の差としても表れます。毎日身に着けているスーツが身体に合っていないことで気が付かないうちにストレスとなり、肩こりや疲労の原因となっているケースも。毎日身に着けるものだからこそ、細かい部分でストレスを感じることなく体を動かせることはとても重要。フィットしたスーツであれば体への負担も少なく、生地同士が擦れて傷むことも減るのです。オーダースーツが既製品よりも一着購入するのに費用が多少高くなったとしても、長持ちする分だけお得という事もいえるのです。

オーダースーツを買う前に知っておくべきこと

オーダースーツには、「パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダー」の3種類があります。それぞれ型紙の作り方や、手間のかけ方が異なり、パターンオーダーやイージーオーダーは、あらかじめ用意されている型紙に手を加え、縫製も機械を利用する方法。それに対し、フルオーダーは型紙を起こすところから裁断や縫製までを全て職人の手作りのため、その分価格も高くなるので知っておきましょう。


 


「初心者はパターンオーダーから!」


オーダースーツを作るときの価格は、パターンオーダーで2万円~5万円、イージーオーダーで5万円~20万円、フルオーダーで20万円以上が目安。その中で、オーダースーツ初心者にオススメなのが、「パターンオーダー」です。ゲージ服と呼ばれるサンプルを試着し、体に合うサイズから、袖丈、着丈、パンツ丈などの「縦の補正」をする最もポピュラーな方式で、出来上がりがイメージしやすいのもオーダースーツ初心者には安心です。製作期間は2〜4週間ほどで早いのに、好みに合うデザインや生地を選べることを考えると安くてコスパの良さを感じます。また既製品と比べてもそれほど高くなく、リーズナブルであるということがいえるのです。


 


「スーツは用途ごとに使い分けるべし」


社会人になるとビジネス面では取引先との大切な商談の場に行く機会や、プライベート面では冠婚葬祭にも出席する機会も多くなり、用途に合ったスーツを選ぶ必要性が出てきます。ビジネスマンにとって、シーンに合わせたスーツの着こなしはマナーの一つであり、スーツを着る楽しみの幅も広がるので覚えておきましょう。


 


・オフィスで
・商談・会食で
・結婚式・二次会で
・お葬式で


 


オフィスで


毎日の仕事でスーツ着用が必要なオフィスの場合、柄は無地やストライプ、色は紺色やグレー色のスーツがおすすめです。ストライプ柄も慣れるまではコーディネートに少々悩みますが、シャツを買い足し、自分の中での仕事用のコーディネートを作ってしまえば、無地のスーツよりも落ち着いた雰囲気で、かつ知的な印象を演出することができます。


 


商談・会食で


取引先との重要案件の商談時、上司を交えた接待時には普段の着こなしから一歩踏み込み、『相手方に失礼を感じさせることなく、また取引先の担当者として安心、信頼をしていただく印象を持たせる着こなし』を考える必要があります。具体的に言うとスーツの種類はシングルスーツを、柄は濃淡が濃い無地、または線が細いピンストライプのデザイン。つまり相手方に落ち着き、信頼感を印象づける柄を選ぶことをおすすめします。逆にストライプでも線が太いチョークストライプやチェック柄は信頼感、安心感を印象づけるものではないため、重要な商談、また接待時には避ける方がベターです。


 


結婚式・二次会で


結婚式で一般的に正しい服装とされるのが、略礼服と呼ばれる「ブラックスーツ」。それ以外では、「ダークスーツ」が一般的とされています。近年では結婚式に着用をする服装として礼服だけではなく、ビジネススーツもOKという流れもあり、ビジネススーツで挙式へ参加し、そのままの服装で二次会へ参加する方が多くなってきています。実際、挙式で礼服を着用する人の割合は約50%で、残りの50%はビジネススーツを着用しているという統計結果もあるそう。二次会で遊び心のある服装にしたい場合は、ポケットチーフや蝶ネクタイを用意し、コーディネートで変化をつけることもできます。


 


お葬式


冠婚葬祭で服装が気になるのが、「お葬式」。急な訃報などで用意する時間もないまま参加した経験がある人も多いのではないでしょうか。喪服の用意がない場合、上下はブラックスーツ、シャツは原則白色を選び、黒のネクタイを合わせましょう。靴や靴下も黒を選び、スーツの種類はシングルスーツでも、ダブルスーツでもOKです。

コスパが良いおすすめの価格帯は?

せっかくオーダースーツを作るなら、低予算でも今よりおしゃれで着心地の良い一着を手に入れたいもの。そこでおすすめしたいのが、フルオーダーまではお金をかけず、スーツを着用した時のフィット感は得ることができる「イージーオーダー」と「パターンオーダー」です。一から型紙を作り、裁断や縫製までを全て職人の手作りの「フルオーダー(約20万円~)」に比べ、既存の型紙やゲージを使用する「イージーオーダー」と「パターンオーダー」はコスト面では安く、納期も早いというのが大きなポイントです。


・生地やボタンの種類が豊富
・パターンやゲージの種類が豊富
・製作スケジュール
・仕上がり後のサービス


 


生地やボタンの種類が豊富


オーダースーツ店によって異なるのが、揃えている生地やボタンの種類の数。オリジナリティのあるスーツを作りたい場合には、選択できる生地やボタン、裏地の種類が多いお店を選ぶことは大きなポイントになります。中には、ハイブランドの生地を扱っていたり、季節に合わせた素材を用意している店舗もあるので、いかに自分の好みに合う素材を揃えているお店であるかを知ることが重要です。それによってお気に入りのスーツに仕上がるかが決まるのですから。


 


パターンやゲージの種類が豊富


仕上りにこだわりたいなら、多くの「パターン」や「ゲージ服(サンプル服)」が用意されているお店を選ぶのがポイント。スタイルごとに細かいサイズのパターンを用意しているお店も多いですが、パターンの数が多いほど選択肢も増え、より自分にフィットする形に仕上りやすいのです。それぞれ何種類くらい用意されているのか、自分好みのスタイルがあるかなどチェックすることで、より自分好みの納得いくオーダースーツを作ることができます。


 


製作スケジュール


店舗によって大きく異なるのが、オーダースーツの「製作期間」。早くて約2週間、時間がかかる店舗では2ヵ月ほど必要なこともあるので、自分のスケジュールに合うお店を選ぶことも大事なポイント。スーツを着用したい日までに間に合うかどうか確認しながら選ぶことをおすすめします。


 


仕上がり後のサービス


オーダースーツが出来上がった後に、「少し裾上げをしたい」「袖元を短くしたい」などの微調整に対応してもらえるお店は安心ですよね。なかには、お直し無料のサービスや、1年間の保証がついているお店もあります。ただし、サポートを受けられる条件はお店によって異なるので、あらかじめ確認が必要。自分にしっかりフィットする一着を長く着用していきたい!そのため、お直しをしたいときや、購入後に修繕が必要になったときなどのサポート体制もチェックしながら選ぶことも大切です。

まとめ

これまではオーダースーツは高くて手が届かないものと思われていた方も、一着3万円程度から作ることができるのがわかれば一度試してみようと感じたのではないでしょうか。オーダースーツは思っているほど敷居の高いものではありません。オーダースーツのよさを実感するには、まず一度着心地を試してみるしかありません。袖を通すことなく「オーダースーツは必要ない」と決めつけてしまうのはもったいない!手ごろな予算で、自分の体形や好みに合うスーツを手に入れることができるので、是非、一度試してみてください。