STYLING GUIDE

喪服はメリットが多いオーダーがおすすめ

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監修:杉原一臣(新宿南口店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2019.03.11 14:56:03

喪服は礼服の一種で、スタイルにはさまざまな制限があります。喪服での装いは一様で比較がしやすく、細かな粗が明確にわかります。だからこそ、喪服はオーダーメイドがおすすめです。フォーマルな装いだからこそ、自分に合った喪服を作りたいところです。オーダーなら、一人ひとりの体型に合わせて、シルエットやディテールなどの指定ができます。今回は、喪服のオーダーでできることや意識したいポイント、オーダーのメリットなどを紹介していきましょう。

自分の年代にふさわしい生地を選べる

既成品とオーダーの違いは、生地が選べるかどうかです。既製服の場合、洋服としてすでに完成している状態で売られているため、当然生地を選ぶことはできません。一方、オーダーは希望の生地での縫製が可能です。喪服の生地は、色が漆黒に近いほど格式が高いとされています。高級な生地ほど繰り返して染め上げ、深く濃い黒に仕上がっています。20代前半のような若い世代なら、安い価格帯の生地でも問題はないでしょう。収入も社会的地位も高くないケースが大半なので、どのような品質の生地でも悪い印象を持たれる可能性は低いかもしれません。ただ、年代が上がるにつれて、社会的地位や収入が上がっていくイメージは持たれやすくなります。高い年代の人ほど、喪服の生地は上質さを重視したいところです。


一般的に、弔事は頻繁に起こるものではなく、喪服を着用する頻度もそこまで高いわけではありません。ただ、喪服がいつ必要になるかは予想がしづらく、急な訃報でもしっかり対応できるよう、常に用意はしておきたいところです。流行り廃りがない、着用回数は少ない、頻繁に新調する類のものではない。以上3点が、喪服の主な特徴です。長期間の着用も考慮すると、上質な生地でスタンダードなシルエットの喪服をオーダーするのがおすすめと言えるでしょう。

オーダーなら喪服に合ったスタイルを選べる

喪服をオーダーするメリットは、弔事にふさわしいスタイルを選べる点です。喪服はスーツの一種ですが、マナーの面からビジネス用スーツとはディテールが異なります。たとえば、ビジネス用スーツには当たり前のように付いているセンターベントも、喪服ではマナー違反になります。ベントとは、後ろ身頃の裾に入っている割れ目のことです。センターベントは、もともと乗馬がしやすいよう動きやすさを重視して入れられました。サイドベンツはスーツの両脇に入っている切れ目のことで、剣の抜き差しがしやすいように入っています。


センターでもサイドでも、スーツの機能性を高めるのがベントの目的です。喪服はフォーマルウェアの一種です。機能性よりもマナーを重視しますから、ノーベントが基本です。動作がしやすいようにセンターベントの喪服も販売されていますが、正式ではありません。オーダーメイドの喪服なら、フォーマルウェアとして正式のノーベントで製作してもらえます。また、ジャケットの裏に名入れをしてもらうことも可能です。ジャケットを脱いだときやクロークに預けたときでも、名前が入っていれば取り違える心配がありません。ベントや名入れ以外にも、自分に合ったサイズを指定できる、標準とは異なるサイズの人でも体型に合わせて作ってもらえるなどのメリットがあります。

オーダーは喪服のシルエットを調整できる

喪服には流行り廃りがありません。一度質の良い喪服をオーダーメイドしておけば、頻繁に新調する必要もなくなります。ビジネス用スーツの場合、細身のシルエットやオーバーサイズなど、時代によって流行りのデザインが変わります。ビジネス用の場合、流行を追いすぎると社内や取引先に敬遠される可能性は高いです。しかし、ある程度は流行に左右される傾向はあります。喪服では、流行を追うのは好ましくありません。ビジネス用スーツで細身なラインが流行っていても、喪服のシルエットをスリムにするのはマナー違反です。


喪服のオーダーは、体にフィットしつつ、適度に余裕のあるシルエットがおすすめです。既製服の場合、余裕のあるシルエットを選ぶと、裾はピッタリでも太もも周りがだぶついている、肩のサイズはちょうどでもお腹周りの余裕がありすぎるなどの問題が起こりがちです。その点、オーダーメイドなら、ちょうどよいサイズ感で、喪服にふさわしいスーツを作ることができます。喪服は常に準備しておくものです。自分に合ったシルエットがわからなければ、専門家に相談しながら決めていきましょう。肩幅、腕の長さ、お腹周り、腰回りなど、細かく採寸したうえで、一人ひとりのサイズに合わせて製作してくれます。

オーダーは仕立て直しもできるので経済的

オーダーメイドの喪服は、仕立て直しがしやすい点もメリットのひとつです。一度上質な喪服を作っておけば長期間着用できますが、体型が変わってしまえば、せっかくの喪服も着られなくなったり、ギリギリ着用できても似合わなかったりします。オーダーした喪服は、シルエットやサイズ調整を行ってくれるケースが多く、お店によっては無料お直しも可能です。一方、既成品は、仕立直しは考慮せずに作られています。裾上げやボタンの付け直し程度なら可能かもしれませんが、シルエットやサイズ調整などは難しいケースが多いです。お直し自体行っていないお店の場合は、お直し専門店を別に探さなければなりません。希望通りにお直しできない場合は、新しく買い直す必要も出てくるでしょう。


既製服もオーダーも、喪服の値段はピンからキリまであります。ただ、既製服でも、一般的には数万円以上と値段が高い傾向にあります。オーダーで作った場合、さらに高額になるのではないかと心配になる人もいるかもしれません。しかし、調整が必要になった際に仕立て直しができたほうが長い目で見ると経済的です。どちらにしても、初期費用が高いなら細かい調整が可能なオーダーのほうがおすすめです。

喪服はオーダーにして長く着よう!

年齢が高くなると、喪服を着る機会は増えていきます。しかし、いくら高齢の人でも、年に何回も着るほど喪服の出番は多くありません。着用回数が少ないからこそ、サイズやシルエットの調整や仕立直しができるオーダーメイドがおすすめです。希望の生地やディテールの指定、名入れなど、喪服をオーダーするメリットはたくさんあります。長期間の着用を考えても、既製服よりオーダーのほうが経済的です。ぜひ、自分の体型に合った高品質の喪服をオーダーしましょう。