STYLING GUIDE

オーダースーツの魅力とは?着用したくなる4つのメリット

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監修:堀省次(KITTE丸の内店 エリアマネージャー) / 投稿日時:2018.08.15 11:51:12


あなたにとって“スーツ”とはなんですか? 単なる仕事服?それともビジネスにおける戦闘服? 必要だからとマンネリ的にスーツを毎日着用する人も少なくないでしょう。しかし、ビジネスライフを“格好良く、スマートに過ごす”ためには、スーツにもこだわりを持つことが重要です。実はセンス良く、おしゃれなスーツを着用したい人にとって、多くの利点があるオーダースーツ。繰り返される毎日のスーツスタイルがクラスアップできるオーダースーツの4つのメリットを解説します。

オーダースーツのメリット

既成服のスーツと異なり、オーダースーツにはフィットしたサイズ感の他にもさまざまなメリットがあります。ここでは、一度手を通すとやめられなくなる、オーダースーツのポイントをご紹介します。


「フィット感の高いスーツが作れる」


スーツ満足度の大きな部分を占めるのが、「着心地の良さ」です。たとえ、トレンドを押さえ、スタイリッシュなスーツであっても、着心地が悪ければ着用頻度が下がることは容易に想像がつきます。既製スーツでも型紙が複数あるので、その中から自分に合う型紙のスーツを探すのも良いでしょう。でも、既製スーツの型紙が体にぴったりな人はほとんどいません。というのも、体型は十人十色でそれぞれ異なるからです。多くのスーツショップに出向き、自分の体に合った型紙を探し出すのは、思った以上に時間と手間がかかるものです。


オーダースーツであれば、体を詳細に採寸し、ベースとなる自分に合った型紙が準備されます。フルオーダーの場合、一般的に採寸したサイズを基にオリジナルの型紙を作る一方、パターンオーダーやイージーオーダーの場合は、用意された型紙の中から体に合ったものを選び、細かなサイズ調整をします。このようにしてサイズ調整されたオーダースーツは体にフィットするので、裾上げ直し程度の既製スーツとは格段に違う着心地を得ることができるのです。


「生地やデザインにこだわれる」


朝の出勤風景。スーツ姿の人波を見ていると、皆似ているものです。その中でも「毎日スーツだからこそ、生地やデザインにこだわりたい」と考える人、実はとても多いんです。既製スーツは、どうしてもベーシックなデザインや同じような生地が多いもの。スーツスタイルに自分らしさを出したい、生地にもこだわりたいという人は、既製スーツに物足りなさを感じているでしょう。


オーダースーツの場合、生地の選択やデザインのカスタマイズなど、ディテールに自分ならではのこだわりを取り入れることができます。単に生地の色柄を選ぶだけではなく、シルエットや襟型、ポケットの形、ボタン、裏地に至るまで、自分らしくカスタマイズできるのです。自分の好みの1着を一から作り上げるので、スーツを手にしたときの満足度は非常に高いでしょう。
注意したいのは費用。カスタマイズは、生地、選択するパーツや種類によって料金が異なったり追加になる場合があります。事前にテーラーに確認しておくと安心です。

「スーツが長持ちする」


同じスーツでも体に合ったスーツは長持ちしやすいといわれます。では、それはなぜでしょう?たとえば、タイトすぎるスーツを着用していると、生地がこすれ合う頻度が高くなり、摩耗して破れてしまいます。特に、脇の下、股部分などには負担がかかりやすいため注意が必要です。とはいえ、スーツが大きめサイズなら生地への負担が無くなるわけでもありません。シワやヨレなどができやすく、結果としてスーツの寿命が短くなる傾向があるのです。


オーダースーツであれば、体へのフィット感を大切にしたまま、好みのシルエットにサイズ調節できます。これが生地への摩擦や負担を削減することになり、スーツ自体の劣化を防ぐことになるのです。また、既製品と比べオーダーのスーツ生地は一般的に天然素材のウールなどに代表される上質な生地が多いもの。柔らかな生地で仕立てられる着心地が良いスーツは、体に程よくなじみ、忙しいビジネスシーンでもストレスなく動くことができます。それが結果として、スーツに負荷がかかりにくく、長持ちしやすいと言えるのです。

「印象を良くできる」


ビジネスシーンで重要なのが「自分はどんな印象を与えられるのか」ということ。社内はもちろん、取引先に対しての身だしなみや服装への配慮は必要不可欠です。スーツがくたびれていたり、サイズが合っていなかったりすると、印象が悪くなるのは否めません。


仕事のデキる人は“自分を客観的に見る能力に長けている”と言われます。どう見られているか、どう見せたいかを考え、自分を効果的に“魅せる”ためのスーツを選ぶ人が多いと感じます。なかでもスーツのプロからアドバイスを受けて作るオーダースーツは、自分らしさを取り入れながら、しっかりTPOをおさえた着こなしができます。スマートで良い印象を与えられれば、相手から信頼を得やすくなるのは間違いありません。ビジネスシーンにおいて、スーツは非常に重要なアイテムといえるでしょう。


オーダースーツを作る際は、最初にテーラー側に“ビジネス用スーツ”であると伝えることから始めましょう。テーラーが着用シーンをイメージしながら作業を進めることができるので、その都度、最適なアドバイスを受けることができます。

オーダースーツを作るときの注意点

メリットが多いオーダースーツですが、もちろんデメリットもあります。事前にきちんと把握することで、スマートなオーダーが可能になりますので、覚えておきましょう。


「完成までに時間がかかる」


既製スーツとオーダースーツの大きな違いの一つに“時間”があります。既製品のスーツを購入した場合、早ければ即日で裾上げをして持ち帰ることができたり、ウエスト、袖丈など、パーツごとのサイズ調整をする場合でも、2週間程度で着用が可能となります。


一方、オーダースーツの場合は、依頼をしてからスーツを作る作業に入るため、ある程度の時間が必要です。フルオーダーの場合、1カ月から2カ月程度、イージーオーダーは1ヶ月程度、パターンオーダーで2週間程度の時間が必要になります。着用予定に合わせ、完成までの時期を予測して、時間に余裕をもって依頼しましょう。スーツの製作期間はテーラーによって異なるので、オーダーする際にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。


「パーツのカスタマイズには料金が発生することがある」


オーダースーツは既製品に比べ、自由に選択できるパーツが多いのも魅力。見ているだけで楽しくなり、あれもこれもと追加で依頼したくなりがちです。しかし、すべてが基本料金に含まれているわけではありません。オプションとして別途料金が発生し、予算より高くなってしまうことがあります。どれが料金に含まれるのか、どれがプラス料金になるか等、不明な点は都度テーラーに尋ねるようにしましょう。面倒でも、個々に料金の確認をしてオーダーを進めることが大切です。

オーダースーツ店の選び方を押さえておこう

初めてオーダースーツを作ろうと決めても、ほとんどの人が迷うでしょう。既製スーツなら、スーツの品揃えなどを確認できますが、テーラーの場合は同じようにはいきません。そこでオーダースーツのためのテーラーをどのように選ぶべきか、その基準をご紹介しましょう。


「扱っている生地の種類は豊富か」


生地選びはオーダースーツ作りの第一歩。自分の想いを表現するためにも、価格帯毎に選べる生地の品揃えがどのくらいあるのか、事前に確認しておくべきです。「せっかくお店に行ったのに、選べる種類が少なかった」ということがないよう、ホームページを見るだけでなく、実際に足を運んで、生地の取り扱い状況を確認しておくと良いでしょう。


店舗では、一般的に店頭に置いてある現物生地(型紙に合わせて裁断する前の実際の生地)と、バンチブックという生地見本帳(生地の切れ端が本のように綴られているもの) で、生地を選択します。現物生地で選ぶ場合は、仕立て上がりのイメージが掴みやすいという利点がありますが、店頭に多くの現物生地があることは稀です。多くの店舗では、バンチブックを見て生地を選ぶスタイルになっているでしょう。一度にたくさんの種類の生地を見ることができますが、生地はサイズが小さく、出来上がりがイメージしづらいともいえます。テーラーと十分にコミュニケーションをとり、自分の理想の仕上がりになる生地を選ぶようにしましょう。


「アフターサービスが充実しているか」


出来上がったスーツは、受け取りの際ほとんどの人が試着をします。着心地やパンツの裾等、気になるところがあれば、その場で伝え、必要に応じて微調整などを行います。この場合、無償で対応してくれるケースが多いので遠慮せずに相談しましょう。また、テーラーによっては、スーツの受け渡し後も、ある一定の期間、微調整や修理を無償で対応してくれるところがあります。急激な体型の変化や故意による損傷等への対応はできませんが、有償では対応してくれると思われるので、テーラーに確認してみると良いでしょう。


テーラーの仕事は、作ったオーダースーツをお届けして終わりではありません。スーツを作り始めるところからお客様と十分に会話し、希望に沿った理想のスーツを作る。そして、そのスーツにお客様が満足しているのかを確認するまで、テーラーはお客様に寄り添います。スーツのプロとして信頼ができ、今後も長く付き合えるテーラーを見つけることをお勧めします。

まとめ

スーツにも多様性が求められるようになった昨今、スーツにこだわる人が増え、オーダースーツのメリットに注目が集まっています。自分自身のサイズ感や着心地、自分のこだわりを取り入れたデザインのスーツが欲しい人は一度テーラーに足を運んでみてください。実際のスーツの生地やサンプルに触れれば、少しずつ理想のスーツがイメージ出来るようになるでしょう。そして、ぜひ希望を細かに伝え、プロの意見を参考に、自分らしい1着を作ってみてください。仕上がったスーツに袖を通せば、既製品との違いを実感できるはずです。オリジナルの1着を手に入れて、ワンランク上のスーツスタイルに挑戦してみましょう。