スーツに合うマフラーの巻き方や選び方を紹介
目次
マフラーは、英語の「muffle」から来ていて、直訳すると「覆う・被う」という意味です。
海外では「ストール」「マフラー」「スカーフ」などの巻物全般を総称して「scarf」と一括りにする事が多く、日本で言うところのマフラーもスカーフと呼ばれます。
マフラーは、秋冬のスーツスタイルに暖かさをもたらすだけでなく、選び方でコーディネートにワンポイントの華を与えてくれたり、立体感をもたらしてくれたりする効果があります。
防寒対策の意味だけで何となく選んで、何となく巻いているだけでは、とても勿体ないアイテムです。積極的にビジネススタイルに、マフラーを取り入れましょう。
スーツに似合うマフラーや、巻き方も併せて解説いたします。
スーツにはマフラーが合う?
日本では、マフラーと言えば、子供・学生・お年寄りがするイメージが以前は強かったこともあり、敬遠している方もいらっしゃるようですが、それは誤解ですよ。
マフラーは防寒に優れているだけで無く、お洒落なアイテムとして特に寒さの厳しい欧州エリアでは、ビジネスシーンにおけるスーツやコートにコーディネートする使い方が盛んにされています。
その影響もあり、日本でもお洒落なビジネスマンを中心に広がりを見せています。
スーツにおいては、「マフラーなら何でもOK!」というわけではなく、選び方や巻き方にはポイントがあります。
スーツに合うマフラーの選び方
スーツを着用するのは、基本的に仕事着としてのビジネスシーンですよね。
お洒落感を出しながらも、根底に絶対に必要なのは「控えめ」です。
華美になりすぎない事が、スーツに合うマフラー選びのポイントです。
具体的に解説します。
ポイント①:色
スーツに合うマフラーとして使いやすいのは、スーツと同色系です。
ネイビー・ブラック・グレー系・ダークブラウン系ですね。
特にモノトーンのブラックかグレーは、一本あるとスーツコーデで困ることは無いでしょう。ビジネススーツと合わせるなら、殆どの場合OKです。
ワインレッド・キャメル・ベージュ系は、気分が変わって重宝します。お洒落感が出ますね。
スーツの洗練された印象をそのままにして、奥行きを出す演出を心がけるためには、身につけているアイテムの色目にマッチして、微妙にトーンの違いが出せれば完璧です。
逆に避けた方が良いカラーは、目立ちすぎるビビッド系です。
マフラーだけが浮いてしまうビジネスコーデは、避けた方が無難ですね。
ポイント②:柄
スーツに合うマフラーの鉄板は無地です。
柄としては、スーツに多く用いられるクラシカルな柄が良いです。
チェック・ストライプ・ヘリンボーンなどの織り柄デザインですね。
スーツに合わせるマフラーとして避けた方が良い柄は、マフラーによくあるタータンチェックや迷彩柄です。
ビビッドなボーダー柄もスーツのマフラーとしては、避けたいアイテムです。
カジュアルな印象が強く出てしまい、チグハグな感じになってしまいます。
織り方や編み方について
マフラーには、ニット素材を使うタイプ「編み」と、織物素材を使うタイプ「織り」があります。
「編み」は編み機で編んだり、手編みしたりもそうですが、太番手の毛糸をループ状に編み込んでボリューム感を出します。
このタイプはスーツスタイルに着用する場合には向きません。
コーディネート全体がカジュアルに寄ってしまい、首周りのモコモコ感がスーツのシャープさと、アンバランスになるからです。
「織り」は織機で織られたもので、通常のスーツやコートに使われる素材と製法は変わりません。
太番手で起毛感がある仕上げになっているタイプが主流ですが、ボリューム感は「編み」と比較すればありません。
スーツスタイルに着用するなら「織り」タイプのマフラーをオススメします。
スーツに合わせてもドレッシーなイメージを壊さずに、スッキリとまとまります。
「編み」の中でなら、薄いボリュームの無いタイプを選んで下さい。
スーツに合うマフラーの巻き方
ビジネスシーンで、スーツ・コートにマフラーを着用する際、オーソドックスなシングル巻き(いわゆるクルッと回しただけ)が多いですよね。
ちょっと巻き方を変えてみるだけで、印象が大きく変わります。
同じマフラーでも、何通りもの楽しみ方が出来ますよ。
冬に仕事へ行くのが楽しくなる、スーツに合うマフラーの巻き方をご紹介します。
たらし巻き
「たらし巻き」は首に沿ってかけるだけのとてもシンプルな巻き方です。
厳密には巻いていないので、長いマフラーでだらしない印象になってしまう為、向いていません。
「たらし巻き」は、ストライプのスーツと合わせると、縦のラインが強調されて格好いいです。
薄手のマフラーなら上着の内側に入れて、襟と裾から少々見せるだけにしても、お洒落なコーデになります。
ビジネスカジュアルに振るなら、タートルネックとの組み合わせも相性抜群です。
ワンループ巻き
基本的な巻き方として、よく用いられます。
マフラーを二つ折りにして、その中に両先端を入れるだけです。
マフラーが大判な時には、事前に縦半分に折っておくと巻きやすいですよ。
簡単に巻けて、首元にしっかりフィットさせることが出来て、防寒効果も抜群です。
完全に均等な二つ折りに敢えてせずに、アンバランスにするアレンジで雰囲気が変わり、学生っぽさが抜けます。
端の部分を広げる感じで整えて下さい。
短めのマフラーを使うと、ノーブル感が出て上品におさまります。
フリンジが付いていても動きが出て良いですね。パリジャンノットと呼ばれることもあります。
カジュアルコーデにも使える巻き方です。
ピッティ巻き
イタリアの伊達を気取るなら、イタリア人男性が好んで使う「ピッティ巻き」がオススメです。
ピッティとは、イタリアのフィレンツェで毎年二回開催される、世界中からファッション感度の高いバイヤーやジャーナリストが集まる、ファッションイベント見本市「ピッティ・ウォモ」来場者の間で流行したことから、名前が付いたと言われています。
考案者はイタリア人ではなく、イギリスのスカーフデザイナー「ジョルジナ・フォン・エツドルフ」で、その名前から「ジョルジナ巻き」と呼ばれる事も多いです。
それ以外にも「ミラノ巻き」や「ダブルクロス」と呼ばれる事もありますが、同じです。
この巻き方が向いているマフラーは、大判サイズな薄いボリューム感で、幅も長さもたっぷりあるタイプです。ボリューム感が品良く出て、華やいだ感じになります。
ファッション感度が高くカッコイイだけでは無く、首元をダブルにクロスさせている為、しっかりと固定されて型崩れしにくく、防寒効果もバッチリです。
スーツスタイルとの相性も、イタリア伊達男に愛されるだけのことはあり、抜群です。
巻き方は、片方を長めに首に掛けてから一周巻きます。一周巻いたら左右が同じになるくらいのバランスです。
首周りには余裕を多少持たせます。
巻いた輪の上から手を入れて、短い方に手を掛けて取り出して輪をつくります。
取り出した輪の中に、もう一方の端を通します。
形を整えて、ふんわりボリューム感を出せば完成です。
アスコット巻き
アスコットタイの要領で巻きます。
防寒性よりも、アクセサリー的に用いる時に使われます。
たらして巻くことから、「たらし結び巻き」と呼ばれたり、ネクタイの結び方を応用した巻き方なので「ネクタイ巻き」と呼ばれたりしています。
ゆるめに巻いて、Vゾーンが完全には隠れない状態くらいが定番です。
センターラインが強調されて、スーツコーデがスタイリッシュになります。
結び目の高さを調節することで印象が大きく変わります。高めに設定すれば、防寒性を高めてタイトな印象になります。
長めの無地マフラーが最適です。
巻き方は、マフラーを首に掛けて胸元の位置で結びます。
ループの上に引き出している部分を面でたれる形にします。
全体の形を整えて完成です。
おすすめコーディネート【マフラーとの合わせ方】
スーツとマフラーのコーディネートを考えた時には、シャツの上にニットを着ることや、オッドベスト(ジャケット・スラックス素材とは違うベスト)やスリーピースのベストを着たりすることもありますよね。
寒い時期だからそれが自然ですし、コーディネートもシャツの上に1枚ある前提で、カラーバランスを考慮すると解りやすいです。
黒3ピーススーツ+マフラー
巻き方
クラシカルな印象の着こなしを崩さない様に、巻き方は「たらし巻き」
カラーなど
編みでなく織りのタイプを選んで下さい。色は黒系やグレー系無地が無難にまとまります。
一歩踏み出すオススメカラーは、ボルドー・ワインカラー系です。
派手目ではなく、深目のカラーや黒とコンビネーションの柄を選んで下さい。
華やかさがあって、結婚式にもそのままOKです。
それでいて、ビジネスシーンもこなせます。
ネイビー系スーツ+グレー系ニット+マフラー
ミディアムからライトグレー系のインナー(ニット系薄手セーターなど)は、明るさが出てクリーンな印象になるオススメコーデです。
巻き方
「ワンループ巻き」がカラーコーデの清潔感と誠実さを増幅させます。
カラーなど
こちらも、黒系やグレー系無地がシックにまとまります。
一歩踏み出すなら、黒ベースにカラーの入ったストライプもオススメです。
ストライプのカラーはブルー系で爽やかスマートな印象、レッド系で躍動感が出ます。
グレー系スーツ+ネイビー系ニット+マフラー
グレー系のスーツに、ネイビーのインナー(ニット系薄手セーターなど)も鉄板です。
巻き方
「ワンループ巻き」がキレイにまとまります。
カラーなど
黒系やグレー系の無地がシックにまとまります。
一歩踏み出すなら、チェックのマフラーは如何でしょう?
チェックに使われている色のブロックがポイントで、茶系の靴や鞄に合わせて茶系のブロック・インナーに合わせたネイビー系のブロックがあるマフラーは統一感が出てお洒落です。
マフラーで良くあるQ&A
よくある質問をまとめてみます。
コート無しでマフラーを巻くのは変ですか?
問題ありません。
防寒対策だけでなく、冬のコーデバリエーションを広げるアイテムとして、積極的に活用しましょう。
特にちょっと寒いけどコートは着るほどでもない時期は、不要なら鞄に収納することも簡単に出来て便利です。
朝晩と昼間の気温が違う時期を快適に過ごすアイテムとしても有効です。
カジュアル寄りになってアンバランスにならないように、マフラーを選んで下さいね
スーツやジャケットを着るときに、マフラーを結ばずに首に掛けるだけというのは、ファッションとしてアリですか?
巻き方でもご紹介した、「たらし巻き」です。
ドレッシーなイメージになり、海外ではよく見かけますが、日本では少ない事も確かです。
でも海外だけではなく、日本でも「たらし巻き」をする方は確実にいらっしゃる、正統なマフラーの使い方です。
ワンループ巻きってダサいですか?
スクール巻きのイメージがあるのでしょうか?
キッチリと二等分するのではなく、ちょっとバランスを変えてみては如何でしょうか?
「ワンループ巻き」はスーツに着用する巻き方として、上品なイメージを崩さない為、積極的にオススメしていますよ。
まとめ
マフラーは、シャツやスーツのようにサイズの心配がありません。
老若男女を問わずに、幅広くどなたにも楽しんでもらえるアイテムです。
寒い時期の誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントとして、贈り物にも最適ですよね。
マフラーは何枚あっても邪魔にならず、冬のコーディネートを変化させてくれる便利さが重宝します。
スーツの首元を暖かくするだけでなく、おしゃれを積極的に楽しむ事で寒い冬を乗り切りましょう。