【コーデ紹介】タキシードにも種類がある!?カッコイイ大人はカフスやチーフも使いこなす
目次
タキシードとは?礼服の種類と合わせて紹介
冠婚葬祭などの儀式で着用される衣服を「礼服」と呼びます。
礼服には格式があり、「正礼装」「準礼装」「略礼装」に分かれています。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
言葉だけ聞いてもわかりにくいと思うので、それぞれ詳しく説明します。
正礼装
正礼装とは、礼服の中で最も格式高い服装のことです。
正礼装は2パターンあり、昼に着るのか夜に着るのかで装いが変わります。
昼に着る正礼装は「モーニングコート」、夜に着る正礼装は「テールコート(燕尾服)」です。
それぞれの違いを見ていきましょう。
モーニングコート
モーニングコートとは、昼間に着用する最も正式な礼装を指します。
身近なところでいうと、格式高い結婚式や披露宴、天皇が記念式典や公式行事で着られているのをテレビで見ることもあるでしょう。
アイテムの特徴は以下のようになっています。
ジャケット
一つボタンのピークドラペル。裾が前ボタンの部分から後ろにかけて、曲線を描いており、後ろの裾はお尻が隠れる長さ。
パンツ
グレーに縦じまのストライプ。裾はシングルで、ものによっては裾の後ろ部分が長くなっているものもある。
ベスト
ジャケットと共布ももの、もしくはグレーかアイボリーのものが主流。日本の場合、取り外し可能な襟がついており、慶事ではつけ、弔事でははずすのがマナー。
シャツ
白無地でレギュラーカラーもしくはウイングカラー。ダブルカフスがベーシックだが、シングルカフスでも問題はない。
ネクタイ
シルバーグレーか白黒の縦じまが基本。アスコットタイを使用する場合もある。
靴
本革のストレートチップ、もしくはプレーントゥ。色は黒で、靴下も黒に統一する。
慣れない決まりが多いですが、正式な場できちんとした格好をすることは、身も引き締まり式をよりいいものにする大切な要素になります。
テールコート(燕尾服)
テールコートとは、夜間に着用する最も正式な礼装のことです。
主に晩餐会で着用され、招待状に「ホワイトタイ」の指定がある場合は必ずテールコートを着るのが決まりとされています。
アイテムの特徴は以下の通りです。
ジャケット
襟に拝絹のついたピークドラペルが基本。
パンツ
股上が深く、みぞおちの位置まであるもの。側章が2本入っていることも鉄則。
ベスト
襟付きの白ピケダブル、もしくはシングル。
シャツ
白無地でイカ胸のウィングカラー。袖口は固く糊付けされたシングルが基本だが、現在はダブルカフスもOKとされている。
ネクタイ
ベストと共布の白ピケ蝶ネクタイ。
靴
黒のエナメル素材。内羽根式のプレーントゥ、もしくはパンプス。
正礼装だけでも、昼と夜で着るものが変わるので、違いがあることを理解しておくことが大切です。
準礼装
準礼服とは、正装に準ずる改まった服装のことです。
準礼服も昼夜で装いがことなります。
この記事でメインに紹介するタキシードは、準礼服にあたります。
昼の準礼服は「ディレクターズスーツ」、夜の準礼服は「タキシード」となります。
ディレクターズスーツ
ディレクターズスーツとは、昼に着用する準礼服のことです。
結婚式や披露宴で、新郎・新郎の親・主宰や上司が着る服装です。
アイテムの特徴は以下の通りです。
ジャケット
シングル・ダブルどちらでも可。色は黒、グレー、ネイビーの無地が基本。
パンツ
明るめのグレーストライプ。裾はシングル。
ベスト
ジャケットと共布、もしくはシルクかウール素材のグレーかオフホワイト。
シャツ
白無地のレギュラーカラー、もしくはウイングカラー。カフスはシングルダブルどちらでも可。
ネクタイ
シルバーグレーか白黒の縦じまが基本。アスコットタイを使用する場合もある。
アクセサリー
カフス:ゴールドまたはシルバーの台に真珠・白蝶貝の白石
サスペンダー:白黒のストライプ
チーフ:麻かシルク素材の白地
靴
本革のストレートチップ、もしくはプレーントゥ。
靴下は白黒のストライプ、もしくは黒無地
準礼装になると、正礼装に比べ少しだけ幅を利かせることができますが、基本的には決まりがきちんとあるので事前に調べておきましょう。
タキシード
タキシードとは、テールコートの裾を切り落としジャケットレングスに仕立てたものを指します。
その発祥の由来は、ヨーロッパ誕生説とアメリカ誕生説があります。
ヨーロッパ誕生説
ヨーロッパ誕生説では、もともとたばこを吸う際に着られるテールコートほど堅苦しくなく、くつろいで着れる服として作られました。この時代の英国皇太子・エドワード7世がタキシードを気に入り、リゾート地などで着用し、広く知れ渡り人気になったのです。
アメリカ誕生説
タバコ王ピエール・ロリラード4世の息子が上流階級の社交場で、参列者ほとんどがテールコートを着る中、テールコートの裾を切り取った真っ赤なジャケットを着て現れました。
この斬新なファッションが話題となり、その後ニューヨークを中心に大流行しました。
このように、タキシードは当時の王や皇太子の思い切った着こなしによって広まったと言われています。
それが今では、アクセサリーなども加わり礼服として定着しました。
略礼装
略礼服とは、礼装の中で格式の低い装いです。
略礼服には昼夜の違いはなく、一般的に着られているスーツがこれにあたります。
結婚式の招待状などに「平服でお越しください」と記されている場合は略礼服を着るのが基本です。
略礼服には、「ブラックスーツ」や「ネイビースーツ」があります。
それぞれ服のつくりに違いはなく、色違いです。 略礼服の特徴は以下の通りです。
ジャケット
シングルの2つボタン、3つボタン、もしくはダブルの4つボタンなどバリエーションが豊富。
パンツ
ジャケットと共布で、裾はシングル。
シャツ
レギュラーカラーもしくはウイングカラー。淡い色であれば、色物もOK。
ネクタイ
ネクタイも色・柄・サイズのバリエーション豊富。
アクセサリー
チーフ:綿・リネン・シルク素材の白無地、グレー、シルバーが一般的。色物や柄物も可能。
靴
本革のストレートチップ、もしくはプレーントゥ。色は黒、茶が主流。
カジュアルな結婚式や二次会で着用でき、ビジネスシーンでも登場するので一番出番が多い装いです。
タキシードの襟には種類がある
タキシードの襟は2種類あります。
- ・ショールカラー
- ・ピークドラペル
ひとえに襟と言っても、種類が変わると雰囲気がガラッと変わるので、ぜひ試着して自分に合うものを選んでください。
ショールカラー
ショールカラーとは、ゆるやかなカーブを描いた形の襟のことです。
名前の由来は、その名の通りショールを首からかけたようなシルエットからきています。
襟の曲線が柔らかく、襟のVが深く開いているのが特徴です。
角ばっていないので、優しい印象に仕上がります。
ショールカラーは世界中で愛用される歴史あるシルエットです。
ピークドラペル
ピークドラペルとは、下襟部分が尖った形の襟を指します。
「ピークド」とは尖ったという意味で、日本ではテーラードジャケットの襟として定番化しています。
襟の鋭さが印象的なピークドラペルは、華やかなイメージです。
セミピークドラペルという、ピークドラペルよりも尖りを抑えたシルエットもあります。
ピークドラペルは自分には合わないかも、という人はこちらも検討してみるのもいいですね。
小物を使いこなそう
タキシードに合わせるアクセサリーは種類がたくさんあります。
初めて着る方は「どう合わせればいいかわからない」「そもそもどれくらい種類があるの?」と疑問が浮かぶと思います。
今回は以下の小物を紹介します。
- ・蝶ネクタイ
- ・カマーバンド
- ・スタッズ・カフスボタン
- ・サスペンダー
- ・ポケットチーフ
- ・オペラパンプス
1種類ずつ順に見ていきましょう。
蝶ネクタイ
蝶ネクタイはタキシードに合わせることが多く、祝いの席でよく使用されます。
蝶ネクタイの種類は3つあります。
バタフライ
蝶の羽のように大きなシルエット。クラシックで華やかな印象。
ポインテッド
先端が尖ったシルエットは特徴的。アメリカでよく見られるスタイル。
ストレートエンド
縦幅が4cm前後のサイズのものを指す。すっきりしたシルエット。
形により雰囲気が変わるので、同じ蝶ネクタイでも自分だけのこだわりを出せます。
カマーバンド
カマーバンドとは、腰に巻くベルトのことで幅の広いシャツなどをすっきりまとめる用途があります。
余った布を隠し、装飾的なデザインもスタイリッシュで、シルエットにメリハリが出ます。
蝶ネクタイ、ポケットチーフと同素材で作られ、3ピースで用意されているものもあります。揃えて着用することで、統一感がでてお洒落です。
男性は普段太めのベルトをする機会はないと思うので、タキシードスタイルの際にチャレンジしてみるのも面白いです。
スタッズ・カフスボタン
スタッズボタン・カフスボタンは、どちらも同じ形のものを指しますが、用途の違いで名前が変わります。
前立てにつけるものをスタッズボタン、袖に着けるものをカフスボタンと言います。
通常の平たいボタンのかわりにつけられることが多いです。
普通のボタンとの違いは、スタッズ・カフスボタンは装飾されたボタンです。
シャツ地の上にきらっと光るボタンがあると目を引くので、お洒落な人はビジネススーツに取り入れている人もいます。
スタッズ・カフスボタンはさりげなさがあるので、派手なお洒落が苦手な人も取り入れやすいアイテムです。
サスペンダー
サスペンダーとは、ズボンがずれないように止めるベルトのことを指します。
普段着で使用している人も多いサスペンダーですが、もともとは1090年頃、労働者の服のハイウエストなものをずれ落ちないようにするために使われ始めたのが起源です。
それが現在ではフォーマルなシーンにも使われるようになりました。
サスペンダー単体で使用することももちろんできますが、カマーバンドと合わせてコーディネートも可能です。
そのままつけるとパンツが浅い場合や、バランスが悪いときは、カマーバンドでウエストに高さを出して合わせるとクラシックで素敵です。
サスペンダーを利用して、タキシードスタイルをさらにスタイリッシュに仕上げられます。
ポケットチーフ
ポケットチーフとは、胸ポケットに装飾として指すハンカチのことです。
ポケットチーフを入れる理由としては、
- ・フォーマル度アップ
- ・ワンポイントのアクセント
があります。
シルクやリネン素材をのぞかせることにより、高級感のある装いになります。
また、ダークなスーツと反対の白を取り入れたり、柄の入ったものを選ぶとアクセントにしやすいです。
パッと目に入るポケットチーフは、こだわって選ぶと楽しいです。
オペラパンプス
オペラパンプスとは、19世紀のヨーロッパで礼服用に履かれていたシューズです。
主流のエナメルのもの以外に、表皮やスウェードといった素材で存在感を出せます。
準礼服としてタキシードと合わせる際には、定番のエナメルを合わせてください。
タキシード以外と合わせる際は、表皮でシンプルに合わせるスタイルや、スウェードで季節感を出すコーディネートもいいですよ。
シンプルで無駄のないオペラパンプスのシルエットは、一度履くと虜になります。
タキシードのおすすめコーディネートはこれ!
タキシードのおすすめは、「ブラックスーツ×シャンパンカラーアイテム」のコーディネートです。
結婚式や披露宴など、一生に一度の祝いの席では煌びやかなアイテムをチョイスすると場の雰囲気を明るくできます。
ネクタイ、ベスト、チーフを同素材のシャンパンカラーにすることで、スーツのきりっと感とマッチし、華やかさが増します。
また小物に統一感があるとスッキリし、大人の雰囲気を醸し出せることもポイントです。
タキシードの知識を得てから着ることで、着用の楽しさも増しますし、凛々しい気持ちになれますね。
タキシードのよくあるQ&A
白のタキシードでもよいの?
タキシードは白でもOKです。
ただ着る際には、注意点があります。
白のタキシードは春夏向けのスタイルとしてつくられているので、季節感を大事にして着用してください。
爽やかでスタイリッシュなので、海外やリゾートできるのも素敵です。
タキシードはレンタルしたらいくら?
タキシードのレンタル台は、5~10万程度とされています。
タキシードを着る予定はあるが、その予定以外では着そうもない、という場合はレンタルで済ませるとメリットが大きいです。
レンタルのメリットとして、
- ・購入するより安く済む
- ・フルセットで用意してくれるので、コーディネートの手間が省ける
- ・クリーニング代などがかからずアフターフォローはレンタルショップで手配してもらえる
などがあります。
反対にデメリットには、
- ・決まったものの中から選ばなければいけない
- ・海外挙式などに対応できない場合がある
自分の利用するシーンを考慮して、レンタルか購入を検討しましょう。
まとめ
タキシードについて、着こなしや歴史、合わせるアイテムについて詳しく説明してきました。
よく知ると、スーツと大きく違うことがわかってもらえたと思います。
いざ自分が着るタイミングになった時に、恥ずかしくないようマナーを守って素敵に着こなしてくださいね。