フォーマルだけじゃない!ポケットチーフの正しい折り方・おしゃれな合わせ方を紹介!
目次
ポケットチーフをフォーマルシーンで使ったことがある方は、多くいらっしゃると思いますが普段使いとしても、どんどん使っていきたいアイテムです。
ワンポイントのアクセサリーとして、与える印象が大きく変わります。
ポケットチーフの正しい使い方・おしゃれな使い方を解説していきます。
ポケットチーフとは?
ポケットチーフは、上着の胸ポケットに挿して入れるアイテムです。
結婚式やパーティーなどでは普通に使われる、フォーマルシーンでは欠かせないアイテムですね。
普段使用するのも、とってもオシャレなんです。
装いの幅が簡単に広がります。
ポケットチーフの歴史
「ポケットチーフ」そのものの歴史を辿っていくと、原型はハンカチーフです。更にそれを辿ると、女性が頭に被っていた「カチーフ」に行き当たります。頭に被るサイズ感を考えると、現在のポケットチーフとは随分異なりますね。このカチーフを被らないで手に持つ行為が大流行して定番化し「ハンド カチーフ」と名称が変わります。
いつの時代でも、ニーズがあるとなれば供給が多様になります。
丸いタイプや三角形、果ては星形など奇抜なハンドカチーフが世に氾濫します。
今に繋がる正方形に集約されたのは、鶴の一声でした。
1774年ルイ16世の即位によりフランス王妃となったマリーアントワネットです。
彼女は、多くのベルサイユの習慣や儀式を廃止・緩和させたと言われています。
独自の価値観で、当時の常識と軋轢を生み出しながら改革を行いました。
その改革の中に、カチーフのカタチがあります。
1785年にマリーアントワネットの進言により、ルイ16世が法令を発表します。
それは「国内のカチーフすべて正方形に統一する」というものです。
理由としては諸説有ります。
マリーアントワネットの美的意識が発端ではないか?
と言われていますが、それだけでなく為政者としてルイ16世が、工業製品として生産の効率化を重視した判断をしたものと考えられています。
時間の経過と共にこれが「ハンカチーフ」に呼び方が変化したと考えられています。
ただ、ここまではあくまで女性の装飾用としての話。
ポケットチーフがメンズコーディネートに取り入れられたのは、比較的新しいといえます。
それでも100年以上前の話ですから、諸説有ります。
そもそもですが、ポケットチーフを挿すための胸ポケットが無ければ、ポケットチーフの歴史は始まりません。
上着の胸ポケットが登場する前に、15世紀頃のフランス船員が中国から持ち帰った麻布を肩飾り等に挿して装飾品として用いた事がポケットチーフの原点という説もあります。
メンズのファッションに胸ポケットが登場するのは、19世紀半ば頃のチェスターコートです。
しかし当時はポケットチーフを挿すのではなく、手袋を挿すことが粋なコーディネートとされていました。
20世紀初頭になってから、実用品であるハンカチを装飾品のワンポイントとして挿す為に、広く上着の胸ポケットが施されるようになり、徐々に浸透しました。
当時の富裕層が、フォーマルを装う時に白い麻のチーフを取り入れる着こなしが定番化したことが、今に繋がるフォーマルに白いチーフの原点です。
ポケットチーフが与える印象
どんな色、どんな挿し方などでも変わりますが、ポケットチーフを挿すことで上質さを出しながら胸元に注意をひくワンポイントなアクセントになります。
ポケットチーフの色をどう組み合わせるかで、大きく印象も変わります。
ネクタイやシャツなどの小物と同系統の色目を使えばおしゃれな統一感を演出出来ます。
何よりも、ちょっとした華やかさを日常にプラス出来ます。
ビジネスシーンでも身に着けて良い?
企業文化や職種にもよりますが、ビジネスシーンでも大人のたしなみとして、ポケットチーフを挿すことは、全く問題ありません。
ただ、あまり主張しすぎない「さりげなさ」が有った方が格好いいです。
折り方は、オーソドックスなスクエア等でチラッと見せるのが粋ですね。
推奨のサイズ
ポケットチーフは、胸ポケットに入れるハンカチです。
普通のハンカチを用いてもOKですが、扱いやすいサイズは普通のハンカチよりも大きめなポケットチーフ用として販売されるハンカチです。
折りたたんで使用しますから、サイズはある程度自由がききます。
一般的に売られているポケットチーフ用のサイズは、30CM×30CM~40CM×40CM程度の商品が多く、小さい物では25CM×25CM程度で大きい物になると50CM×50CM近くになります。
初心者に扱いやすいのは、30CM程度のサイズです。
ポケットチーフの素材はシーンで使い分けよう
ポケットチーフは色柄の他に、素材による使い分けのセオリーがあります。
リネン(麻)
リネンは麻の一種で、ポケットチーフの定番素材です。
張り腰があり、形状が崩れにくい特性があります。
光沢感もありますが、シルクほどにはありません。
品良く華やかさを演出出来るため、結婚式などフォーマルな白はリネンが一枚有ると便利です。
先染め柄もリネンがオススメです。
質感がより際立ち、オシャレなコーディネートが可能です。
汎用性が高く、最初の一枚にも最適な素材です。
シルク(絹)
ポケットチーフ素材としては、麻と双璧をなす定番です。
光沢感を強調するツイルと呼ばれる畝が斜めに走るタイプが主流で、ゴージャスさを伴う派手さがありしなやかさがあります。
リネンよりも主張が出るので、フォーマルシーンでコーディネート全体を盛り上げます。
コットン(綿)
ポケットチーフ素材で、一番カジュアル寄りです。
フラノやコーデュロイ、デニムなどのジャケット挿すことで全体のコーディネートをカジュアルに格上げするアクセントになります。
ポケットチーフの色や柄の選び方
ポケットチーフの種類は数多くある為、色柄どれを選んだら良いのか迷いますよね。
選び方の基本は、定番を除き「何と合わせるか」になります。
色の選び方
白いチーフは、礼装で鉄板です。
清潔感と上品さを出しながら華やかさを演出します。
解りやすくオーソドックスなのは、シャツの色とポケットチーフの色を同色系にすることです。
白系のシャツ+白系のチーフ
ブルー系の柄物シャツ+ブルー系のチーフ
などです。
ネクタイとチーフを同色系にするのも定番です。
まとまり感や解りやすさは一番かもしれません。
全く別の色を持ってきてアクセントにするのは、上級者のセンスが必要です。
一歩踏み出すのには、シャツやスーツの色でなくストライプの柄色に合わせたり、時計のベルトに合わせたり、靴のカラーに合わせたりすることから始めるのが容易です。
ノーネクタイのコーディネートでは、ネクタイをするなら何色だろう?考えるのもヒントになります。たとえば、紺のストライプスーツに白いシャツを組み合わせるなら赤のネクタイはアリですよね?ノーネクタイだから、チーフに赤を持ってくる考え方です。
柄の選び方
スーツを柄物にしたら
シンプルなシャツ+華やかな柄チーフ
と言う組み合わせもオシャレですし、特別感が出ます。
パーティーに良いですね。
ネクタイの柄に合わせると統一感が出ます。
レジメンタル柄ネクタイ+ストライプ系チーフ
ドット柄ネクタイ+ドット柄チーフ
などです。
見え方で印象が変わるポケットチーフの折り方
同じ色柄でも、折り方で雰囲気が変わるのがポケットチーフの面白さです。
基本的な折り方を解説いたします。
TVホールド
最もオーソドックスでシンプルな折り方です。
畳んだハンカチが、そのまま顔を出す雰囲気です。
ビジネスからフォーマル、パーティーまで幅広く対応します。
綿素材でカジュアルもOKです。
- 1.半分に折ります
- 2.もう一度折って1/4サイズに
- 3.ポケットのサイズに合わせて縦に1/3ないし1/2に折る
- 4.ポケットの深さに応じて折り返し整えます
スリーピークス
角が複数ポケットから出る折り方です。
華やかなフォーマルシーンにもピッタリです。
- 1.対角線を折ります
- 2.出来た三角形の半分辺りを、頂点を少々ずらす様にして折ります
- 3.更に半分辺りを同様にずらして折ります
- 4.3つの山が出来たら、ポケットの深さに調整して下側を折ります
パフド(パフ)
パーティーやカジュアルの演出にも使えます。
フンワリとポケットから、角の出ない部分が「はみ出している」イメージです。
- 1.片手を軽く握って輪をつくります
- 2.チーフの中央部分を輪の中心に置きます
- 3.もう一方の手で、ギュッと穴に押し込みます
- 4.押し込んだ手を外し、チーフ全体を軽く握って持ち替えます
ふんわり感をそのままに、カタチと長さを整えます
開いた状態から真ん中をつまんで持ち上げ、カタチを整えるやり方もあります。
トライアングラー
一つの三角形がポケットから顔を出す折りです。
こちらも幅広い対応シーンが魅力です。
- 1.半分に折ります
- 2.さらに半分に折って1/4サイズに
- 3.角を上にして、左右から対称にポケット幅に合わせて折ります
- 4.下側の角を折ってポケットの深さに合わせます
クラッシュ
パーティーやカジュアルの演出にも使えます。
フンワリとポケットから、角が「はみ出している」イメージです。
- 1.開いた状態のチーフ中央を指でつまみ上げます
- 2.もう一方の手で、真ん中辺りを軽く握ります
- 3.折り返してポケットの長さに調整します
ポケットチーフのよくあるQ&A
ポケットチーフのよくある質問にお答えします。
ハンカチで代用してもよいのか?
ポケットチーフは、ポケットに挿すハンカチですから
通常使っているハンカチで代用してもOKです。
サイズが小さくなるので折り方に工夫が必要ですが、ポケットのサイズに合わせてください。
うまく顔を出してくれないと感じるようならポケットチーフ用を購入してください。
結婚式にポケットチーフは必要か?
マナーとしてポケットチーフが必須か?と問われれば、そうではありません。
男性は付けられるアクセサリーが限られています。
華やかで特別な場所にふさわしいコーディネートをするために、ポケットチーフは積極的に使っていきたいアイテムです。
新郎さんや、主賓はリネンの白チーフを挿すことが定番になっています。
台紙付きのポケットチーフは買うべきか?
見た目には違和感が無く、見分けも付かない物が多く販売されています。
折ったポケットチーフと比較して、型崩れしにくく、ずり落ちることもありません。
手間も時間もかからず、サッと差し込むだけで合理的です。
一方折るポケットチーフは、折り方で様々な表情を一枚で楽しむことが出来ます。
しかし、型崩れしたりズリ落ちたりする事は、ある程度避けられません。
お手洗いに中座して手直しする手間も必要になります。
まとめ
ポケットチーフはフォーマルの印象が強かったのですが、大きく状況は変わりつつあります。
ノーネクタイが広がる中で、アクセントとしてポケットチーフ愛用者が広がっています。
簡単にドレスアップが出来て、比較的低価格で楽しめますよね。
もちろんネクタイも併せてコーディネートする事も楽しいです。
ポケットから出る僅かなサイズしかないのに、大きく印象に影響を与える面白さを是非体験してみてください。
慣れるまで折ったカタチを整えるのに苦労する事もありますが、上着を着た状態で挿すのではなくハンガーに吊した状態で挿してみてください。
客観的に見ることが出来る上に、作業も格段にしやすくなります。