スーツ×ベストを自分のものに!上品さが魅力「スリーピースコーデ」!
目次
スリーピースに対して、どんな印象をお持ちでしょうか?
「ちょっと、重たい感じがする」
「なんだか古くさいイメージ」
「コーディネートが難しそう」
と、お感じになっているならば、それは大いなる誤解です。
ファッション好きな人の、トレンドというのも誤解です。
トレンドの中に「スリーピース」があることは確かですが、世の総カジュアル化の流れの中にあ るからこそ、クラッシクスタイルが見直されています。
その中心のひとつが、「スリーピース」です。
単なるトレンドだと片付けられないのは、スーツ+ベストの組み合わせに多くのメリットがあるからです。
ちょっとしたポイントを押さえるだけで、格式有る上品なコーディネート簡単に完成します。
今回は、スリーピーススーツの着こなしを中心に、そのメリットと魅力を解説します。
ベストを着るメリット
元々のスーツ基本とされるのは、スーツ+ベスト+スラックスの三点による組み合わせでした。スリーピーススーツは基本のスタイルを踏襲しているからこそ、本来の男らしさを簡単に演出できます。
共布(ジャケットとパンツの素材と共通)のベストを、ツーピーススーツに加えることで、スタイルの大半が決まる事も大きなメリットです。
Vゾーンの見える範囲が狭まるため、結果としてコーディネートが楽になります。
スタイリッシュで威厳がある
着るだけで、スタイリッシュに威厳が出せることが、ベストを着用する一番のメリットと言えます。
クラッシックスタイルの王道とも言える3点セットは、歴史に裏打ちされた重厚感を演出します。
普段は着るモノに無頓着な方にこそ、スリーピースはオススメです。
Vゾーンの面積がツーピースに比べて大きく減少するため、ネクタイやシャツを自由に選んでも全体のバランスが崩れません。大胆な「遊び」も許容される懐の深さが魅力です。
もちろん、オーソドックスに白シャツと同系色のネクタイを着用しても、通常のスーツとは比較にならない程、上品な完成度に仕上がります。
Vゾーンに立体感が出ることで自然に醸し出される、男らしい「たくましさ」「ダンディズム」「貫禄」も見逃せません。
サイズ感がジャストフィットしているスリーピース着用は、他のファッション要素に特別気配りをしなくても、スタイリッシュで威厳が有る、大人の男を演出する事が容易に出来ます。
ジャケットを脱いでもフォーマルな印象
洋装の歴史を遡ると、シャツは下着の扱いでした。
そのため人前でシャツを晒してしまうのは失礼であり、前ボタンは常に閉じておく事が求められました。まして上着を脱いでシャツだけというのは考えられません。
ベストはそれを回避する、エクスキューズの役割を担っています。
フォーマルな席では、前ボタンを留める事がマナーになっていますが、ベストを着用している事で前ボタンを空けていても失礼になりません。
ワイシャツ1枚の姿でいるよりもベストが一枚加わるだけで、だらしない印象が回避出来るのは、そんなマナーや歴史が刷り込まれているからだと考えられます。
温度調節がしやすい
ファッションだけでなく、スリーピースは防寒においても実用的です。
スーツと同じ素材が胴回りに一枚加わるのは、思った以上に防寒効果があります。
通勤電車の中で暑いと感じたら上着を脱ぐことで調節も容易です。
春先にある朝晩の冷え込みにも、思った以上の快適さがあります。
実はこんなにあった!ベストのデザイン種類
ベストのデザインはシングルブレストとダブルブレストがあり、それぞれに襟付きと襟無しがあります。
4種類の個々に独特の存在感があり、特にボタンの使い方で印象が大きく変わります。
ボタンの数に特に規定はありませんが、ベストのボタンにはアクセサリーとしての意味合いを持たせることが出来るので、個性が出せる部分です。
シングルベスト
襟の無いシングルデザインのベストです。
原点でもある、最も一般的なスリーピースのベストです。
基本になるデザインですから、最初の一着にもオススメ。
Vゾーンは、やや深めになっています。
クラッシックな雰囲気が高まり、シャツやネクタイの露出面積が狭くなります。
そのことで演出出来る範囲が広がり、派手目のネクタイをワンポイントのアクセントとして使ったり、同系色でシックに纏めたりなど年齢を問わずオススメです。
ダブルベスト
襟の無いダブルブレストのベストです。
日常の着こなし中に、サラリとモード感を容易に取り入れられます。
シングルに比べるとより重厚感が増して、格式の中に個性が強調出来ます。
多めのボタンが二列に並ぶインパクトによる装飾性と、たっぷり布地を使った贅沢感があります。
クラッシックの中にある前衛感が簡単に演出できる一着です。
ラペルベスト シングル
襟の付いたシングルのベストです。ラペルは襟のことを指します。
古い映画に出てくるベストは大概このタイプです。
正統な英国紳士の雰囲気を醸し出すことが出来ます。
胸元にボリューム感が増し、大人の力強さとダンディーさが強調されます。
貫禄あるイメージが簡単に構築出来るので、特に細身体型の方にオススメします。
ラペルベスト ダブル
襟の付いたダブルブレストのベストです。
ベストのデザインの中では、最も重厚感があります。
正統なクラシックスタイルの歴史と威厳を感じさせ、貫禄と安定感が自然に出ます。
若い方には少々敷居が高いかもしれません。
年齢相応になった重厚感との組み合わせで、自然なダンディズムの演出が可能になります。体格が良い方が映える一枚です。
ベスト選びで気を付ける3つのポイント
ベストを着用する時に、一番気を付けたいのはサイズです。
前ボタンが締まらない小さめのサイズは論外です。
大きめのサイズは俗に言う「ダサい」感が一気に出て、エレガントさが無くなります。
立った時にボタン辺りにシワが出ないで、座った時には少々張るくらいが適切なサイズです。
サイズは背中に有る付属パーツで調整もできます。全体を崩さない、ある程度の範囲にのみ有効です。
この尾錠と呼ばれるパーツが付いているのは、デザインとしてあるのが主と考えて下さい。 ジャストフィットがベスト選びのキモです。
ベストの丈のサイズ
全体のサイズ感をクリアしたら、注目するのは丈の長さです。
特に若い方で、上着が短いタイプを嗜好する方は要注意です。
ベストの丈は短くなりすぎないように注意して下さい。
ベストとスラックスの間に隙間が有るのはNGです。
ネクタイやベルトが見えない長さが、ベストの持つエレガントさには絶対に必要です。
Vゾーンの見え方
ベストを着用することで、首回りから下のVゾーン見え方が大きく変化します。
ベスト無しのツーピーススーツと比較して、露出面積が少なくなります。
その為、スーツでは派手に見えるネクタイやシャツも品良くおしゃれなアクセントになる演出が可能です。
思い切った色柄のネクタイを着用しても、露出する範囲が狭いため大胆な中でもバランスが破綻しません。積極的に華やかさを楽しみましょう。
カジュアルダウンや崩しを狙って、スリーピースにノーネクタイのコーディネートもあります。ノーネクタイでも品が保てるのは、ベスト着用のメリットの一つでもあります。
でも、せっかく正統なファッションを楽しむなら、ネクタイを積極的にアクセントとして取り入 れる方がオススメです。
胸回りが立体的に見せられることも大きな変化です。
これを積極的に活かすのが、スリーピースの醍醐味です。
細身体型で貫禄を求める方は、Vゾーンが浅めの襟付きでボリューム感を持たせるのがオススメです。
大柄な方には。Vゾーンが深めで襟無しベストの着用がオススメです。
ボリューム感を抑えながら、お腹周りをスッキリと見せられます。
ボタンの色・デザイン
ベストの着用で、上着の前ボタンを掛ける事から解放されます。
それだけに、露出するボタンを積極的に楽しみましょう。
狙ってシンプルなボタンを選ぶのもいいですが、アクセントとして活用するなら伝統を踏襲する「べっ甲」「水牛」等のクラシックタイプが相性抜群です。
ボタンの素材感に拘れば、そのデザインはシンプルな方が粋な男を演出します。
ちなみにベストのボタンは、シングルダブルを問わず一番下は閉めません。
実は、本格的なボタンは非常にコストが掛かります。
量産タイプのベスト生産をする時に、ボタンのコストは削りたくなる候補筆頭です。
そのため当初のデザイナーの意思を変更して、スーツのボタンと同タイプを付けるパターンも多いです。
購入後に自分でボタンを付け替える事も可能ですが、手間が掛かる上に、元々付いていたボタンは無駄になります。
ジャストフィットだけがオーダーの良さでは無く、納得いく品質タイプのボタンを最初からベストに付けられるのは大きなメリットです。
オーダーで高品質のボタンを選択すれば、当然トータル価格は高くなります。
しかし女性と違って、男性はアクセサリー類の着用が殆ど認められていません。
拘りのアクセサリーと考えれば、お気に入りのボタンが決して高価とは言えません。
ベスト好きなら着こなしたい!スリーピースコーデ
ベスト(VEST)はアメリカ英語です。イギリス英語ではウエストコート(WAISTCOAT)と呼ばれています。ベストの名称をジレ(GILET)と呼ぶ方が増えていますが、これはフランス語・イタリア語ですね。
ベスト・ジレ・チョッキ(日本語)、すべて同じで呼び方が違うだけです。
ベストをワードローブに取り入れることで、コーディネートが楽になります。
そもそもスリーピースって何?
スリーピースとは、スリーピーススーツを略した呼び方です。
同じ素材を使って、ジャケット+ベスト+スラックスが仕立てられたスーツの事になります。
日本語では三つ揃えという呼び方もされます。
ベストが無いと、ジャケット+スラックスのツーピーススーツということです。
あくまで同じ素材の3アイテムによる組み合わせをスリーピースと言って、素材違いのベストを組み合わせた場合はスリーピースとは呼びません。
スリーピースを着こなすためには?
スリーピースを着こなすのは、実はとても敷居が低いと言えます。
クラシックスタイルがベストを加える事で完成するので、あれこれ考えなくてもコーディネートが楽になります。もちろんサイズが合っていることが大前提になります。
シャツの色・柄の選び方
ベストがある事でVゾーンの見える範囲が狭くなり、チョイスの幅が広がります。
ツーピースでは躊躇する色柄も、スーツが無地なら大胆に着用できます。
スリーピーススーツを柄物にするなら、シャツは無地が無難にまとまります。
無地のシャツ・無地のネクタイでも完成度が高く見栄えがします。
定番は、白のシャツにグレーのベスト(スーツ)の組み合わせです。
クラッシックフォーマルな雰囲気を狙うなら、白シャツにネイビータイ・ネイビースリーピースの組み合わせは王道です。
ネクタイの色・柄の選び方
大胆なネクタイもスッキリとコーディネートが可能です。
積極的に選びましょう。
派手目な色のネクタイで、スーツ地とのグラデーション効果を狙うのも面白いです。
たとえば、イタリアっぽいブラウンのスーツ地にVゾーンには赤味がかったブラウンカラーのタイで、「こなれた」大人の色気を表現します。
スリーピースの定番柄であるストライプについても考えてみましょう。
この場合、ネクタイの定番柄はペイズリー柄です。2ピースよりも大胆な柄も精悍に着こなせます。
ネクタイで派手目に攻めても破綻無くバランスがとれるのがスリーピースの良さですが、その場合はスーツやシャツの柄は控えめにした方が、ずっとお洒落です。
スーツベストのよくあるQ&A
スーツベストに関して、よくある質問にお答えします。
レディースのスーツベストは着るべきか?
男性のスリーピースに比較すれば、確かに現状は少数派になります。
でも、「有り」か「無し」かを問われれば「大いに有り」です。
どんな場面でも「きちんと」感を崩しません。
上着を脱いでも、男性の場合と同じくフォーマルなイメージを維持できます。
仕事の出来る大人コーデとして、オススメのアイテムです。
夏場はスーツベストだけでも良いの?
暑い時期ですから気持ちは解りますが、上着は着なくても携える事をオススメします。
たとえ着用していなくても、スリーピースは3点揃っている事がダンディズムです。
結婚式などフォーマルな場面では、ベストを着用していれば上着を脱いでもOKですが、ベスト着用無しで上着を脱ぐことはNGです。
まとめ
ファッショントレンドとして注目される「スリーピース」ですが、実は実用的なメリットも沢山有ることから、どなたにもオススメ出来るアイテムです。
英国紳士の伝統を脈々と引き継ぐスタイルは、ジャストサイズを着るだけで大人の品格を簡単に出せる便利アイテムです。
特に仕事で立場が変わった時など、もう一つ上の自分を目指す戦闘服として最適です。